石垣島の旅程を立てていると、必ず一度は手が止まる場面があります。「竹富島や西表島に行きたいけれど、船はどこから出て、いくらで、何時まであるのか」——これがまとめて書かれた場所がなかなか見つからないのです。航路ごとに会社が違い、公式サイトも別々なので、7航路ぶんのページを往復して比べることになります。
先に結論をお伝えします。石垣島発の定期高速船はユーグレナ石垣港離島ターミナルから出る7航路で、運航しているのは安栄観光と八重山観光フェリーの2社です。運賃は片道970円(竹富島)から4,990円(波照間島)まで、所要時間は15分から90分ほど。便数がいちばん多い竹富島は1日18便ありますが、波照間島は1日3便しかありません。この「便数の差」を知らずに旅程を組むと、島で船を1本逃した瞬間に翌日の予定まで崩れます。
この記事では、7航路の運賃・所要時間・便数を一覧で並べたうえで、乗船券の買い方、島側の港での支払い方法、欠航しやすい航路とその振替、車やバイクを運ぶ貨客カーフェリーまで、公式サイトで確認した数字だけを使って整理します。数字はすべて2026年8月時点の各社公式情報にもとづくものです。
この記事でわかること
・石垣島発7航路の運賃・所要時間・1日の便数(2026年8月時点)
・乗船券の予約締切と、島側の港で現金しか使えない航路
・上原航路が欠航したときの振替ルートと、巻き添えで止まる航路
・車・バイク・自転車を島へ運ぶ貨客カーフェリーの曜日と料金
石垣島のフェリーは離島ターミナル発の7航路|まず全体像をつかむ

定期船を出しているのは2社、行き先は7つだけ
石垣島から定期高速船で渡れる島は、竹富島・小浜島・黒島・西表島(大原港)・西表島(上原港)・鳩間島・波照間島の7航路です。運航しているのは有限会社安栄観光と八重山観光フェリー株式会社の2社で、どちらもユーグレナ石垣港離島ターミナルにカウンターを構えています。
2社体制になっているのは、八重山の離島航路が長く競合の歴史をたどってきたからです。安栄観光は昭和46年7月18日設立、八重山観光フェリーは1971年創立・1972年創業と、どちらも半世紀を超える老舗。国土交通省認可の一般旅客定期航路として、安栄観光は免許番号第34号、八重山観光フェリーは沖縄第31号で運航しています。
ここで押さえておきたいのが、7航路のうち波照間島だけは安栄観光の1社しか運航していないという点です。八重山観光フェリーの定期航路は竹富島・小浜島・黒島・西表島大原・西表島上原・鳩間島の6つで、波照間島は含まれません。残る6航路は2社が並走しているので、片方が満席でももう片方の時刻を当たれます。
実務的なコツとしては、行き先を決めたらまず「その航路は2社あるか1社か」を確認することです。2社ある航路なら、公式サイトを2つ開けば選べる便が一気に倍近くになります。
| 住所 | 〒907-0012 沖縄県石垣市美崎町1番地 ユーグレナ石垣港離島ターミナル内 |
| 電話番号 | 0980-83-0055 |
| 営業時間 | 6:00~19:00(台風時を除く) |
| 公式サイト | 公式サイト |

| 住所 | 〒907-0012 沖縄県石垣市美崎町1番地 ユーグレナ石垣港離島ターミナル内 |
| 電話番号 | 0980-82-5010 |
| 公式サイト | 公式サイト |
高速船と貨客船、名前は似ていても中身は別物
石垣島の離島航路には、旅客だけを運ぶ「高速船」と、貨物や車両も積める「貨客船(貨客カーフェリー)」の2種類があります。旅行者が乗るのはほぼ高速船のほうで、毎日運航しているのはこちらです。
この2つが分かれているのは、島の生活物資を運ぶ船と、観光客を短時間で運ぶ船で求められる性能が違うからです。高速船は竹富島まで約15~20分で着きますが、貨客カーフェリーは石垣港15:00発で竹富港15:20着と、20分ほどかけて渡ります。そのぶん貨客船は運賃が安く、竹富島までなら大人810円です。
いちばん大きな違いは運航頻度です。高速船は毎日運航ですが、貨客カーフェリーは航路ごとに曜日が決まっています。竹富島航路なら火曜・土曜、波照間島航路なら火曜・木曜・土曜という具合です。「安いほうに乗ろう」と考えても、その曜日でなければ選べません。
旅程を組むときは、まず高速船の時刻表で骨格を作り、車やバイクを運ぶ必要がある人だけ貨客カーフェリーの曜日を確認する、という順番にすると迷いません。
那覇や台湾からの船は「離島航路」とは別枠で考える
「石垣島までフェリーで行きたい」という検索でこの記事にたどり着いた方もいるかもしれません。結論から言うと、この記事で扱う7航路はすべて石垣島を起点に周辺の離島へ渡る航路で、本土や沖縄本島から石垣島へ渡る船とは別のものです。
八重山の離島航路が石垣島中心に組まれているのは、石垣島が八重山地方の交通結節点だからです。空港と港が同じ島にあり、周辺の島には空港がない、または便が限られています。だから旅行者はまず飛行機で石垣島に入り、そこから船で島を回るという動線になります。
沖縄本島からの航路や台湾方面の航路については、それぞれ運航の経緯や現状が異なります。詳しくは以下の記事にまとめているので、石垣島までの足を探している方はそちらをご覧ください。

「沖縄まで飛行機で行って、そこから石垣島までフェリーでのんびり船旅──」そんな旅程を思い描いて時刻表を探し始めた方に、先に結論をお伝えします。那覇から石垣島へ渡…
出発地はすべて同じ、ユーグレナ石垣港離島ターミナル
7航路の乗り場はすべてユーグレナ石垣港離島ターミナルに集約されています。延べ床面積は約5,000平方メートル、待合いロビーは1,509平方メートルで200席、浮き桟橋は4基あります。テナントは21店舗が入り、売店や食堂、観光ツアー業者が並びます。
「ユーグレナ」の名前がついているのは、2018年4月1日からのネーミングライツ契約によるものです。地図アプリや古い記事では「石垣港離島ターミナル」と表記されていることも多いので、どちらの名前を見ても同じ建物だと覚えておくと混乱しません。
設備面では、トイレが男女各2室と多目的トイレ2室、授乳室・おむつ交換台・銀行ATM・自動販売機・公衆電話に加えて、プラネタリウムと展望デッキまであります。子連れで待ち時間が出ても、館内で時間をつぶせる作りです。
ただし管理室の開館時間は9:00~18:00で、建物の管理業務はこの時間帯です。始発の7:00台や最終の17:30以降の便に乗る場合は、各船会社のカウンターが対応時間の基準になります。
| 住所 | 〒907-0012 沖縄県石垣市美崎町1番地 |
| 営業時間 | 管理室 9:00~18:00 |
| 駐車場 | あり(離島ターミナル第1駐車場78台・第2駐車場196台・第2臨時駐車場169台) |
| 公式サイト | 公式サイト |
安栄観光と八重山観光フェリーは、同じターミナル内の別々のカウンターで乗船券を売っています。行き先が決まっているなら、まず2社の時刻表を並べて見比べてください。竹富島のように両社が運航している航路では、選べる便が一気に増えます。
運賃は片道970円から4,990円まで|7航路を一覧で比べる
近い3航路は片道2,000円以下、往復でも4,000円以内
石垣島から近い竹富島・小浜島・黒島の3航路は、大人片道970円・1,720円・1,850円です。往復にすると1,880円・3,340円・3,590円。半日から1日の日帰りで回るなら、この価格帯が中心になります。
この3島が近距離帯にまとまっているのは、いずれも石垣島から15~30分の海域にあるからです。竹富島は約15~20分、小浜島と黒島は約25~30分。船に乗っている時間が短いぶん、島での滞在時間を長く取れます。
小人(小学生)の運賃は竹富島510円、小浜島870円、黒島950円で、往復はそれぞれ990円・1,680円・1,840円です。中学生以上は大人料金になります。未就学の幼児は、大人1名につき1名まで膝上での乗船なら無賃ですが、席を用意する場合は小人料金です。
家族4人(大人2・小学生2)で竹富島を往復するなら、大人1,880円×2と小人990円×2という計算になります。島でのレンタサイクル代や食事代とあわせて予算を組んでおくと、現地で慌てません。
西表島は「どちらの港に着くか」で運賃が変わる
西表島には大原港と上原港の2つの港があり、運賃が違います。大人片道は大原港が2,520円、上原港が3,290円。上原港行きのほうが770円高くなります。往復では大原港4,880円、上原港6,370円です。
差が出るのは、航路の長さと通る海域が違うからです。大原港行きは直行で約40~50分、上原港行きは直行で約45~55分。上原航路は外洋を通るぶん距離があり、後述するように天候の影響も受けやすくなります。
鳩間島は上原港と同じ料金帯で、大人片道3,290円・往復6,370円です。西表島の上原港から鳩間島へ渡る区間だけなら大人片道1,230円・往復2,380円で、島を経由して動く場合はこちらの区間運賃が使えます。
西表島は島の東側(大原港側)と西側(上原港側)で見どころが分かれているので、運賃だけで選ぶと現地の移動時間が伸びます。目的地が島のどちら側にあるかを先に決めて、そこから港を選ぶのが結果的に安く済みます。
波照間島は片道4,990円、7航路でいちばん高い
日本最南端の有人島である波照間島への運賃は、大人片道4,990円・往復9,670円です。小人は片道2,500円・往復4,850円、障がい者割引は片道3,420円になります。7航路のなかで唯一、片道が4,000円を超える航路です。
高くなる理由は距離です。所要時間は大型高速船「ぱいじま2」で約80~90分、小型高速船なら約60~70分。竹富島の4倍以上の時間を海の上で過ごすことになります。
運航しているのは安栄観光のみで、1日3便。石垣発は8:00・11:45・15:00、波照間発は9:50・13:00・16:50です。なお石垣港11:45発と波照間港13:15発の便は、不定期に大原港経由になる場合があります。
この航路だけは「行けたらラッキー」くらいの余裕を持って組むのが現実的です。日帰りにするなら8:00発で入って16:50発で戻る形になりますが、島の滞在は正味6時間ほど。宿を取って1泊するほうが、船の本数に振り回されずに済みます。
運賃表の数字には燃料調整金が含まれている
各社が公表している運賃は、すべて「燃料油価格変動調整金」を含んだ金額です。八重山観光フェリーの運賃表では第4段階と明記されており、安栄観光の旅客運賃表も調整金込みの金額で掲載されています。窓口で別途上乗せされるわけではありません。
調整金という仕組みがあるのは、燃料価格の変動を運賃に反映させるためです。燃料価格が動けば段階が変わり、運賃も改定されます。安栄観光の貨客船料金表は2026年4月1日から第4段階に変更されました。
割引もいくつかあります。団体割引は15名以上から。障がい者割引は各航路の片道料金が約50%オフになりますが、燃料調整金部分には割引が適用されません。手帳またはミライロIDの提示が必要です。竹富町民向けには「沖縄県離島住民割引運賃カード」の制度もあります。
旅行者が使いやすいのは往復券です。竹富島なら片道970円に対して往復1,880円と、往復で買ったほうが安くなります。帰りの便が読めるなら、行きのカウンターで往復券を買っておくと、島側での手続きが1回減ります。
| 航路 | 大人片道 | 大人往復 | 所要時間 | 石垣発の便数 |
|---|---|---|---|---|
| 竹富島 | 970円 | 1,880円 | 約15~20分 | 18便 |
| 小浜島 | 1,720円 | 3,340円 | 約25~30分 | 10便 |
| 黒島 | 1,850円 | 3,590円 | 約25~30分 | 6便 |
| 西表島 大原港 | 2,520円 | 4,880円 | 約40~50分 | 9便 |
| 西表島 上原港 | 3,290円 | 6,370円 | 約45~55分 | 8便 |
| 鳩間島 | 3,290円 | 6,370円 | 約45~55分 | 4便 |
| 波照間島 | 4,990円 | 9,670円 | 約60~90分 | 3便 |
※石垣島旅の教科書調べ。安栄観光の時刻表&運賃表と八重山観光フェリーの離島定期航路ページに掲載された2026年8月時点の数値を集計。便数は両社の石垣発を合算した数です。
何時の船に乗れる?航路別の始発・最終と1日の便数

竹富島は1日18便、乗り遅れても次がある
竹富島航路は石垣発が1日18便あります。内訳は安栄観光8便、八重山観光フェリー10便です。始発はどちらも7:30、最終はどちらも17:30で、竹富発の最終は両社とも17:50です。
これだけの本数が確保されているのは、竹富島が石垣島からいちばん近い有人島で、日帰り観光の中心になっているからです。安栄観光の石垣発は7:30・9:00・10:00・11:00・12:30・15:30・16:30・17:30、八重山観光フェリーは7:30・8:30・9:30・10:30・11:30・13:30・14:30・15:30・16:00・17:30という並びです。
2社を合わせると、朝から昼にかけては30分に1本前後の間隔で船が出ている計算になります。1本逃しても致命傷にならないのは7航路で竹富島だけなので、初めての離島渡りにはこの航路が向いています。
竹富島の回り方や島内の移動手段については、こちらの記事で詳しくまとめています。

石垣島に着いたあと、竹富島にはどうやって渡るのか。橋はあるのか、飛行機は飛んでいるのか、船はどこから何時に出るのか──旅程を組む段階でいちばん引っかかるのがこの…
西表島と小浜島は日帰りできる、黒島は本数が絞られる
西表島の大原港は石垣発9便で、始発は八重山観光フェリーの7:30、最終は同社の16:40です。大原発の最終は17:35。上原港は石垣発8便で、始発は安栄観光の7:00、最終は安栄観光の16:30、上原発の最終は17:45です。
小浜島は石垣発10便あります。八重山観光フェリーが6便(7:30・9:00・10:15・14:00・16:00・17:20)、安栄観光が4便(9:15・11:00・14:50・16:20)という配分です。小浜発の最終は八重山観光フェリーの18:00で、7航路のなかでも遅い時間まで戻れます。
いっぽう黒島は石垣発6便で、両社3便ずつ。安栄観光が8:00・13:30・16:00、八重山観光フェリーが8:30・11:35・16:30です。黒島発の最終は八重山観光フェリーの17:10になります。昼前後の便が薄いので、島で自転車を借りて回るなら朝の便で入るのが基本です。
日帰りで島を1つ選ぶなら、便数の多い竹富島・小浜島・西表島大原港が組みやすい選択肢です。逆に黒島や鳩間島を日帰りに入れるなら、帰りの便を先に決めてから島での行動を逆算してください。
波照間3便・鳩間4便、少ない航路ほど先に予定を固める
波照間島は1日3便(石垣発8:00・11:45・15:00)、鳩間島は両社合わせて1日4便です。鳩間島の内訳は八重山観光フェリー2便(石垣発8:00・15:45)と安栄観光2便(石垣発8:30・16:30)で、安栄観光の8:30発は上原港経由になります。
本数が少ないのは、島の規模と需要に見合った運航になっているためです。鳩間島は西表島上原航路の経由便として運航される仕組みで、鳩間発の最終は安栄観光の17:25(上原港経由)です。
この2航路は、船に乗れる時間帯そのものが旅程の骨格になります。波照間島を日帰りにするなら朝の8:00発で入り、16:50発で戻るのが実質的な最長パターン。鳩間島も朝の便で入って夕方に戻る往復が基本形です。
便数が少ない航路ほど、宿・レンタサイクル・ツアーの予約を船の時刻に合わせて先に固めてしまうほうが安全です。船を後から決めると、島側の予定と噛み合わなくなります。
最終便から逆算すると旅程が崩れにくい
離島の予定を組むときは、行きの便ではなく帰りの最終便から逆算すると失敗が減ります。竹富発の最終は17:50、小浜発は18:00、黒島発は17:10、大原発は17:35、上原発は17:45、鳩間発は17:25、波照間発は16:50。同じ「夕方」でも1時間近い開きがあります。
この差が効いてくるのは、島でレンタサイクルやレンタカーを借りたときです。返却時刻は最終便の出港時刻から逆算する必要があり、島によっては「16時台には返却して港へ向かう」動きになります。
読者タイプ別に言うと、朝いちで動ける人は7:30台の始発で入って夕方まで滞在する形が効率的です。ホテルの朝食を取ってから動きたい人は9時台・10時台の便で入り、昼過ぎに戻る半日プランが向いています。子連れなら、便数の多い竹富島や小浜島を選んで、途中で切り上げられる余地を残しておくと安心です。
石垣島に戻ってからの予定(夕食の予約、レンタカーの返却、空港への移動)がある日は、最終便の1本前に乗るくらいの余裕を見ておいてください。
| 航路 | 石垣発の始発 | 石垣発の最終 | 島発の最終 |
|---|---|---|---|
| 竹富島 | 7:30 | 17:30 | 17:50 |
| 小浜島 | 7:30 | 17:20 | 18:00 |
| 黒島 | 8:00 | 16:30 | 17:10 |
| 西表島 大原港 | 7:30 | 16:40 | 17:35 |
| 西表島 上原港 | 7:00 | 16:30 | 17:45 |
| 鳩間島 | 8:00 | 16:30 | 17:25 |
| 波照間島 | 8:00 | 15:00 | 16:50 |
※2026年8月時点。安栄観光・八重山観光フェリー両社の公式時刻表から、石垣発の始発と最終、島発の最終を抜き出したものです。安栄観光の高速船時刻表は2026年6月20日~9月30日のダイヤにもとづきます。
乗船券はどこで買う?予約と支払いでつまずかない段取り
WEB予約は前日18:00まで、当日はカウンターに並ばず乗れる
安栄観光の乗船券は、公式サイトまたは電話で前日18:00まで予約できます。サイトからの予約は事前決済(クレジットカード決済)のみで、決済まで済ませておけば当日はQRコードを提示して直接乗り場へ向かえます。
この仕組みがあるのは、朝の便にカウンターの行列が集中するからです。夏休みやゴールデンウィークの朝は、乗船券を買う列だけで時間を取られます。安栄観光も、石垣港8:00発の波照間行きは混み合いやすい便として、前日18:00までの予約を案内しています。
八重山観光フェリーもサイトから乗船券を購入できます。座席は全席自由席なので、予約しても席を指定できるわけではありませんが、乗船券を確保しておけばその便に乗れることは確定します。
旅程が固まっているなら、前日の夜までに予約を済ませておくのが確実です。決済まで終わらせておけば、当日の朝はターミナルに着いて乗り場へ向かうだけになります。
カウンター購入は出港15分前まで、予約済みでも10分前には乗り場へ
当日カウンターで買う場合は、出港の15分前までに購入を完了させる必要があります。予約済みの人も、出港10分前までには予約便の乗り場に着いておくのがルールです。
この締切が設けられているのは、乗船前に人数確認と荷物の積み込みがあるためです。出港直前に駆け込むと、手続きが間に合わず次の便に回されることになります。
安栄観光のカウンター営業時間は6:00~19:00(台風時を除く)です。始発の7:00発に乗る場合でも、カウンターは開いています。ターミナルの管理室の開館時間(9:00~18:00)とは別なので、早朝便でも問題ありません。
実務的な目安としては、出港の30分前にターミナルに着いておくと落ち着いて動けます。乗船券を買い、売店で飲み物を買い、トイレを済ませてから乗り場へ向かう時間として、30分あれば足ります。
島側の港は現金しか使えないことがある(失敗パターン1)
いちばん見落とされやすいのがこれです。石垣港のカウンターは現金・クレジットカード・各種電子マネー・PayPayなど幅広く使えますが、竹富港・黒島港・鳩間港のカウンターは現金のみ。波照間港は現金とPayPayだけです。
実際に起きるのは、行きだけ片道券をカードで買い、島で帰りの券を買おうとして現金が足りない、というパターンです。竹富島や黒島は島内にATMが充実しているわけではないので、現金が尽きるとその場で詰みます。
港ごとの状況を整理すると、小浜港は現金・クレジットカード・電子マネー・交通系が使え、西表島の大原港と上原港は現金・クレジットカード・電子マネー・交通系・PayPayが使えます。通信状況が悪いとカードや電子マネーが使えない場合があることも、安栄観光が明記しています。
対策は2つです。1つは石垣港で往復券を買っておくこと。もう1つは、現金しか使えない島へ渡る日は運賃ぶんの現金を財布に入れておくことです。竹富島の往復なら大人1,880円、黒島なら3,590円を目安に用意しておけば足ります。
割引が効くのは団体と障がい者手帳、そして往復券
使える割引は限られています。団体割引は15名以上で適用。障がい者割引は各航路の片道料金が約50%オフになり、竹富島なら片道670円、波照間島なら片道3,420円です。ただし燃料油価格変動調整金の部分には割引が適用されません。
障がい者割引の対象手帳は種別で扱いが分かれます。本人と介護人1名までが割引対象になるのは身体障がい者手帳(第一種)、療育手帳(第一種)、精神障がい者保健福祉手帳(第一級)。本人のみ対象なのは第二種・第二級・第三級のほか、戦傷病者手帳と被爆者健康手帳です。会計時に手帳またはミライロIDを提示します。
一般の旅行者がすぐ使えるのは往復券です。竹富島は片道970円・往復1,880円、小浜島は片道1,720円・往復3,340円と、往復で買ったほうが安くなります。
ただし往復券には「同じ会社の便で戻る」という前提がつきます。帰りの時刻が読めない日や、天候次第で行き先を変える可能性がある日は、片道ずつ買っておくほうが融通が利きます。
竹富港・黒島港・鳩間港のカウンターは現金のみ、波照間港は現金とPayPayのみです。島で帰りの乗船券を買う予定なら、石垣島を出る前に運賃ぶんの現金を財布に入れておいてください。
欠航しやすいのはこの航路|台風と時化への備え方

上原航路は外洋を通るぶん、風に弱い
7航路のなかで運航が止まりやすいのは、西表島の上原港へ向かう航路です。石垣島から上原港までは直行で約45~55分。この航路は外洋を通るため、季節風や低気圧の影響を受けやすくなります。
上原航路が欠航したときの受け皿になるのが、西表島のもう1つの港である大原港です。安栄観光の大原航路には「上原航路欠航時のみ運航」の便が用意されていて、石垣発7:00と16:30がそれにあたります。大原発では8:00と17:30が同じ扱いです。
さらに、上原航路が欠航したときは大原港と上原港の間を結ぶ接続送迎バスが用意される便があります。利用したい場合は「上原港行きの乗船券」を購入する必要があり、バスの座席には限りがあるため全員が乗れるとは限りません。
西表島の西部(上原港側)に宿を取っている場合は、上原航路が欠航しても大原港経由でたどり着けるルートがあることを覚えておいてください。そのぶん移動時間は伸びるので、到着予定を宿に伝えておくと安心です。
鳩間島は上原航路の巻き添えで止まる(失敗パターン2)
鳩間島を旅程に入れている人が最も驚くのがこれです。鳩間島便は西表島上原航路の経由便として運航されているため、上原航路が欠航すると鳩間航路も同様に欠航します。安栄観光の時刻表にもはっきり明記されています。
実際に起きるのは、朝の天気は悪くないのに「上原航路欠航」の表示が出て、鳩間島行きの便もまとめて消えるという状況です。鳩間島は石垣発1日4便しかないので、朝の便が飛ぶと日帰り計画そのものが成立しなくなります。
上原航路が動いていれば鳩間航路も動く、という関係を先に理解しておくと、当日の判断が速くなります。運航状況を見るときは、鳩間島の欄だけでなく上原航路の欄も一緒に確認してください。
対策は、鳩間島を「その日にどうしても行く島」にしないことです。滞在日程のなかで振り替えられる日を1日確保しておくか、上原航路が動いている日に予定を寄せる形にすると、旅程全体が崩れにくくなります。
実は、波照間航路には「もう1社」という逃げ道がない
意外と知られていませんが、波照間島へ渡る高速船を運航しているのは安栄観光の1社だけです。八重山観光フェリーの定期航路に波照間島は含まれていません。
これが何を意味するかというと、他の6航路なら「A社の便が満席・欠航でもB社の便を当たる」という選択肢がありますが、波照間航路にはその余地がないということです。1社が運航を見合わせれば、その日は島へ渡る高速船がなくなります。
加えて所要時間も長く、大型高速船「ぱいじま2」で約80~90分、小型高速船で約60~70分。海が荒れれば揺れる時間もそのぶん長くなります。1日3便という本数の少なさとあわせて、7航路のなかでは条件が厳しい航路です。
波照間島を旅程に入れるなら、行きの日だけでなく帰りの日にも余裕を持たせてください。島に渡れたものの帰れなくなる、という事態を織り込んで、翌日の予定を詰め込みすぎないのが現実的な組み方です。
運航状況は当日の朝、公式サイトで確認する
両社とも公式サイトで当日の運航状況を公開しています。安栄観光の運航状況ページは航路ごとに「◯通常運航」「△一部運休」「✕全便欠航」の記号で表示され、更新時刻も明記されます。八重山観光フェリーも同様に、当日の航路別運航状況を掲載しています。
朝の時点で判断が出ているのは、海況が出港可否を左右するからです。前日の予報だけでは決まらず、当日の朝に確定することが多くなります。
確認のタイミングとしては、宿を出る前にスマートフォンで1度、ターミナルに着いてからもう1度が目安です。午前中は通常運航でも、午後から一部運休に変わることがあります。
台風の接近時や海上が時化ているときは、貨客船も含めて欠航になる場合があります。台風・欠航・海の状況にかかわる判断は、必ず安栄観光の運航状況ページや八重山観光フェリーの公式サイト、気象情報で最新の状況をご確認ください。
上原航路が欠航すると、経由便である鳩間航路も同様に欠航します。波照間航路は運航会社が1社のみで、代わりの便がありません。台風接近時や海が時化ているときの運航可否は当日でないと決まらないため、最新の運航状況・気象情報は必ず公式でご確認ください。
車やバイクを島へ運ぶなら高速貨客カーフェリー
毎日は動いていない、航路ごとに曜日が決まっている
車・バイク・自転車を離島へ運びたいなら、安栄観光の高速貨客カーフェリーを使います。ただし高速船と違って毎日運航ではなく、航路ごとに運航曜日が決まっています。
2026年8月時点の運航曜日は、竹富島が火曜・土曜、大原港が火曜・木曜・土曜、波照間島が火曜・木曜・土曜(通年)です。黒島は月曜(季節変更あり)と木曜(通年)、小浜島は水曜・金曜・日曜(いずれも季節変更あり)、上原港と鳩間島は月曜・金曜・水曜・日曜(5-7月)と、季節で変わる航路もあります。
曜日制になっているのは、貨物需要に合わせた運航だからです。旅客が主目的の高速船とは設計思想が違い、島の生活物資や工事車両を運ぶことが軸になっています。
そのため、旅行の日程を先に決めてから車を運ぼうとすると曜日が合わないことがあります。車を運ぶ前提の旅程なら、まず貨客船の運航曜日を確認してから宿と航空券を押さえる順番が確実です。
旅客だけ乗るなら、高速船より運賃は安い
貨客カーフェリーは旅客だけでも乗れます。運賃は竹富島が大人810円、小浜島が1,390円、黒島が1,520円、大原港が2,040円、上原港と鳩間島が2,650円、波照間島が3,410円です。高速船の970円・1,720円・1,850円・2,520円・3,290円・4,990円と比べると、いずれも安くなります。
安いぶん時間はかかります。竹富島航路は石垣港15:00発で竹富港15:20着、大原航路は9:30発で10:50着、波照間航路は9:00発で11:00着です。波照間島は高速船なら約60~90分のところ、貨客船では2時間かかる計算になります。
小人運賃は竹富島430円、波照間島1,710円です。波照間航路に使われる「フェリーはてるま2」の定員は125名で、危険物を積むときは定員25名以下になります。
船内でゆっくり過ごしたい人や、揺れの少ない大きめの船に乗りたい人には選択肢になります。ただし1日1往復程度の設定なので、島での滞在時間は高速船より短くなることが多い点は理解しておいてください。
自転車490円、原付970円、軽自動車は航路で大きく変わる
持ち込むものによって料金が変わります。自転車は竹富島・小浜島・黒島が490円、大原港・上原港・鳩間島が730円、波照間島が630円。原付はそれぞれ970円・1,480円・1,250円、自動二輪車は1,170円・1,740円(大原)・2,200円(上原・鳩間)・1,570円(波照間)です。
自動車は全長で区分されます。軽自動車やコンパクトカーが入る3~4mの区分だと、竹富島3,870円、小浜島・黒島7,120円、大原港9,120円、上原港・鳩間島14,250円、波照間島9,120円。普通車が入る4~5mの区分では、竹富島4,840円、大原港12,680円、波照間島12,250円です。
航路によって差が大きいのは、距離と船の種類が違うためです。上原・鳩間航路は同じ軽自動車でも竹富島の3倍を超えます。往復ぶんかかることを考えると、島でレンタカーを借りたほうが安く済むケースも出てきます。
なお、高速船に自転車を積みたい場合は別料金で載せられることがありますが、混雑状況や運航船舶によっては断られる場合があります。確実に運びたいなら貨客カーフェリーを使ってください。
| 貨客カーフェリーのメリット | 貨客カーフェリーのデメリット |
|---|---|
| 車・バイク・自転車を島へ運べる 旅客運賃が高速船より安い 船体が大きく船内を移動しやすい | 航路ごとに運航曜日が決まっている 所要時間が高速船より長い 貨物・車両が混み合うと積めない場合がある |
車両の予約は貨物事務所へ、料金は2026年4月に改定されている
車両や貨物の積み込みは、高速船の乗船券とは窓口が別です。安栄観光では貨客船への積み込みに関する問い合わせ・予約を貨物事務所が受け付けています。旅客用のカウンターでは完結しません。
窓口が分かれているのは、車両の全長計測や積載順の調整が必要だからです。当日いきなり港へ行っても積めるとは限らず、貨物・車両が混み合う時期は断られることがあります。
料金面では、2026年4月1日から燃料油価格変動調整金が第4段階に変更され、乗船代が改定されています。ネット上に残っている古い料金表を見て予算を組むとずれるので、公式の料金表で確認してください。
また、貨客船も台風や海上の時化で欠航します。車を積んで島に渡ったあと戻れなくなると影響が大きいので、運航曜日が少ない航路ほど余裕のある日程で組んでください。
石垣島のフェリーに乗る日の動線|港・駐車場・乗り継ぎ
空港から港へ、到着時刻から逆算して便を選ぶ
石垣島に着いたその日に離島へ渡る場合、空港から離島ターミナルまでの移動時間を見込んでおく必要があります。飛行機の到着が遅れることもあるため、到着便と船の便を詰めすぎると、乗り継げずに次の便を待つことになります。
石垣島は空港と港が別の場所にあり、バスかタクシー、レンタカーで移動します。移動手段ごとの所要時間と料金は別の記事にまとめているので、到着日に船へ乗る予定の方は事前に目を通しておいてください。

石垣島の旅で最初にやってくる関門が、空港に降り立った直後の移動です。竹富島や西表島に渡るための船が出るのは市街地のユーグレナ石垣港離島ターミナルで、空港からは島…
目安としては、空港到着から船の出港まで2時間ほど見ておくと、荷物を受け取り、移動し、乗船券を買うところまで落ち着いて進みます。到着が夕方になる日は、無理に離島へ渡らず翌朝の便にするほうが結果的にゆとりが生まれます。
車で港へ向かうなら、市営駐車場の台数を頭に入れておく
レンタカーで離島ターミナルへ向かう場合は、周辺の市営駐車場を使います。離島ターミナル第1駐車場が時間制78台、第2駐車場が時間制196台(ほかに定期81台)、第2臨時駐車場が時間制169台です。いずれも24時間入庫・出庫できます。
料金は共通で、最初の1時間100円、以後30分ごとに50円、夜間は1時間ごとに50円です。日帰りで島へ渡る場合、朝に停めて夕方に戻る形になるので、滞在時間ぶんの料金がかかります。
観光シーズンの朝は第1駐車場から埋まります。第2駐車場と第2臨時駐車場まで含めれば台数はありますが、船の出港時刻ぎりぎりに着くと駐車場を探す時間が読めません。出港30分前にはターミナルに着くという前提で逆算してください。
駐車場の詳細は石垣市の港湾施設付近の市営駐車場ページで公開されています。台数と料金は市の公表値なので、迷ったらここを見るのが確実です。
島から島へ渡るなら、乗り継ぎは30分以上みる
1日で2つの島を回りたいときに効いてくるのが乗り継ぎ時間です。安栄観光は「石垣港および各港での船舶と船舶の乗継時間は30分以上みてください」と案内しています。これは公式が示している目安なので、旅程を組むときの基準にできます。
30分が必要なのは、下船・乗船券の購入・乗り場の移動が発生するからです。石垣港のターミナル内でも、航路によって乗り場の桟橋が変わります。浮き桟橋は4基あり、便ごとに割り当てが違います。
離島どうしを直接結ぶ航路もあります。西表島の大原港から竹富島へ渡る便や、上原港と鳩間島を結ぶ便がそれにあたります。ただし本数は限られているので、石垣島に一度戻って乗り換えるパターンが基本になります。
3島を1日で回るようなプランは、船の待ち時間ばかりが増えて島の滞在が短くなりがちです。1日1島か、近い2島までに絞るほうが、それぞれの島をきちんと歩けます。
前日18:00までに公式サイトで乗船券を予約・決済する
当日の朝、公式サイトで運航状況を確認する
出港30分前にターミナルへ。10分前までに乗り場に立つ
荷物・自転車・ペットのルールも先に確認しておく
高速船に持ち込むものにもルールがあります。自転車は別料金で高速船に載せられる場合がありますが、混雑状況や運航船舶によっては断られることがあります。確実に運びたいなら貨客カーフェリーを使ってください。
小型のペットはケージに入れた状態であれば乗船でき、外部席への案内になります。ただし西表島への猫の持ち込みは、竹富町猫飼養条例により制限されています。西表島はイリオモテヤマネコの生息地であり、島の生態系を守るための規定です。
大きな荷物を持って離島へ渡る場合は、島側の港から宿までの移動手段も先に決めておくと安心です。港に送迎バスが来る宿もあれば、自力で移動する島もあります。
読者タイプ別に整理すると、日帰りで身軽に動く人はリュック1つで十分。連泊で島に滞在する人は、石垣島のホテルに大きな荷物を預けて必要なぶんだけ持って渡る方法が使えます。車ごと渡る人は、貨客カーフェリーの曜日から旅程を組み立ててください。
出港30分前にターミナル到着、10分前には乗り場、というリズムを覚えておけば、どの航路でも慌てずに乗れます。車で向かう日は駐車場を探す時間も含めて逆算してください。
まとめ:7航路の運賃と便数を一枚で持ち歩く
まずやることは1つです。行きたい島を決めたら、安栄観光と八重山観光フェリーの時刻表を並べて開き、帰りの最終便の時刻をメモしてください。その時刻から逆算すれば、島でどれだけ動けるか、レンタサイクルを何時に返せばいいかが自動的に決まります。あとは前日18:00までに乗船券を予約しておけば、当日の朝は運航状況を確認して港へ向かうだけです。
※運賃・時刻・運航曜日は2026年8月時点の各社公式情報にもとづきます。ダイヤは季節で変わり、天候による欠航もあるため、最新の運航状況・料金・時刻表は安栄観光・八重山観光フェリーの公式サイトでご確認ください。

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