竹富島の写真でよく見かける、青い海へまっすぐ伸びる白い桟橋。あれが西桟橋です。ただ、いざ行こうとすると「港から歩けるの?」「自転車は借りたほうがいい?」「夕日を見たら船に間に合わなくなるのでは?」と、移動の段取りでつまずきやすい場所でもあります。
結論から言うと、西桟橋は竹富港から自転車で約15分、集落の中心からは徒歩約10分の距離にあります。石垣島から日帰りでも十分行けますが、夕日まで粘るなら竹富発の最終便が17:50であることを先に頭へ入れておかないと、旅程が崩れます。特に日の入りが19時台になる夏場は、日帰りで夕日を見るという計画自体が成立しません。
この記事では、西桟橋そのものの正体(実は観光用に作られた桟橋ではありません)から、石垣島からの行き方、港から桟橋までの移動手段4つの比較、夕日を狙うときの時間逆算、そしてセットで回れる2つの浜までを、各社公式サイトと竹富町・竹富町観光協会の公表値だけでまとめました。読み終えるころには、竹富島に着いてから桟橋に立つまでの動きが分単位で決まっているはずです。
・西桟橋が延長105.3メートルの国登録有形文化財である理由と成り立ち
・石垣島から西桟橋までの行き方と、高速船の運賃・便数(2026年8月時点)
・竹富港から桟橋までの移動手段4つの所要時間・料金比較
・夕日を狙うときの到着時刻と、最終便から逆算した引き返し時刻
竹富島の西桟橋は、観光用ではなく「田んぼへの通い道」だった

西桟橋は竹富島の西海岸に伸びる石造の桟橋で、2005年12月26日に国の登録有形文化財に登録されています。今でこそサンセットの名所として知られていますが、もともとは観光のために作られたものではありません。ここを押さえておくと、桟橋の形や向きの意味が見えてきて、現地での見え方が変わります。
昭和13年築、竹富島で最初の近代的な桟橋
西桟橋が建設されたのは1938年(昭和13年)です。竹富島で最初の近代的な桟橋にあたります。なぜ島の西側にわざわざ桟橋を築いたのかというと、竹富島には水田に向く農耕地がほとんどなかったからです。島の人たちは西表島に水田を持ち、そこへ通って米を作っていました。この「通耕」に使われたのが、イタフニと呼ばれる松をくり抜いた刳り舟や帆船です。西桟橋はその出発点でした。
通耕は1971年ごろまで続いたとされています。つまり、この桟橋は50年以上にわたって島の暮らしを支える生活インフラだったわけです。現地で桟橋の向きを確認すると、まっすぐ西表島の方角を向いていることがわかります。展望のために西へ伸ばしたのではなく、通う先が西表島だったから西を向いている。この順番を知って立つと、同じ景色でも見え方が違ってきます。
延長105.3メートル、先端が斜路になっているのはなぜか
西桟橋の規模は、延長105.3メートル・幅員4.38メートルです。構造は石灰岩を乱積みし、両側面をコンクリート壁で固めたもので、文化庁のデータベースには「石造及びコンクリート造、係船柱付」と記録されています。南側面にはモルタルの銘板が残っています。
現地で歩くと気づくのが、先端の形です。ここは幅の広い斜路状に作られています。理由は干潮時にも使えるようにするためで、潮が引いて水面が下がっても舟を着けられるよう、傾斜をつけて水際まで降りられる形にしてあります。八重山の海は干満の差が大きく、コンドイ浜側では干潮時に沖まで砂地が現れるほどです。潮位に左右されずに使う工夫が、そのまま構造として残っているわけです。
歩く側の実用面でいうと、桟橋の幅は4メートル強なので、人がすれ違うのに困ることはありません。ただし手すりや柵は一切ありません。写真を撮るために後ずさりするような動きは避けてください。
黒島の伊古桟橋と同じ日に登録された理由
西桟橋が国の登録有形文化財になったのは2005年12月26日で、このとき黒島の伊古桟橋も同時に登録されています。八重山の離島に残る戦前の桟橋が、島どうしを結んでいた海の道の証拠としてまとめて評価された、という位置づけです。
竹富島は文化財の密度が高い島でもあります。竹富町の文化財一覧を見ると、竹富島には西桟橋のほかになごみの塔(2006年3月27日登録)や竹富島の生活用具(2007年3月7日登録)があり、集落そのものが1987年4月28日に国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されています。西桟橋だけを見て帰るのはもったいない島だ、というのはこの一覧を見るとよくわかります。
なお、桟橋は2022年10月26日から2023年3月31日にかけて竹富町による修繕工事が行われ、老朽化していた部分が手当てされています。工事期間中は立ち入りが制限されていました。文化財である以上、今後も点検や補修で一時的に入れない時期が出る可能性はあります。旅程に組み込む前に、竹富町観光協会の最新情報を確認しておくと安心です。
| 住所 | 沖縄県八重山郡竹富町字竹富地先 |
| アクセス | 竹富港から自転車で約15分、西集落の中心から徒歩約10分(目安) |
| 公式サイト | 公式サイト |
石垣島から西桟橋までは、船15分+自転車15分で着く
石垣島に泊まっている人が西桟橋へ向かうときの流れは、大きく3ステップです。ユーグレナ石垣港離島ターミナルへ行く、高速船で竹富港へ渡る、竹富港から西海岸へ移動する。乗り換えは1回だけなので、慣れていなくても迷う要素は多くありません。
ユーグレナ石垣港離島ターミナルで乗船券と入島券を買う
高速船で竹富港へ(10〜15分)
竹富港からレンタサイクル・バス・徒歩で西海岸へ
出発点はユーグレナ石垣港離島ターミナル一択
竹富島へ渡る高速船は、すべてユーグレナ石垣港離島ターミナルから出ます。石垣市の公表資料によれば、延べ床面積は約5,000平方メートル、待合いロビーは1,509平方メートルで200席、浮き桟橋は4基、テナントは21店舗という規模です。コインロッカーは6か所あるので、大きな荷物を持ったまま島へ渡らずに済みます。
ターミナルの管理室は9:00〜18:00の対応で、それ以外の時間帯は警備室が対応します。始発の高速船は7:30発なので、管理室が開く前に乗る形になる便もあります。とはいえ乗船券は各社のカウンターで買えるので、実務上の支障はありません。
実務的なコツとしては、竹富島行きは八重山観光フェリーと安栄観光の2社が別々のカウンターで券を売っている点を覚えておくことです。どちらの窓口に並ぶかで次に乗れる便が変わります。ターミナルに着いたら、まず両社の次発時刻を掲示で見比べてから並んでください。
高速船は2社で1日18便、大人片道970円
石垣島〜竹富島の高速船運賃は、2026年8月時点で大人片道970円・往復1,880円です。小人(小学生)は片道510円・往復990円、障がい者割引は片道670円・往復1,340円となっています。この運賃には燃料油価格変動調整金(第4段階)が含まれており、燃料価格によって改定されることがあります。大人は中学生以上、小人は小学生という区分です。
便数は八重山観光フェリーが石垣発10便、安栄観光が石垣発8便で、2社を合わせると石垣発は18便になります。八重山観光フェリーは石垣発7:30・8:30・9:30・10:30・11:30・13:30・14:30・15:30・16:00・17:30、安栄観光は石垣発7:30・9:00・10:00・11:00・12:30・15:30・16:30・17:30です。所要時間は10〜15分(安栄観光の案内では約15〜20分)で、座席は全席自由席です。
ここで大事なのが帰りの時刻です。竹富発の最終便は両社とも17:50。八重山観光フェリーは07:50・08:50・9:50・10:50・11:50・13:50・14:50・15:50・16:20・17:50、安栄観光は07:50・09:20・10:20・11:20・12:50・14:50・15:50・16:50・17:50です。往復券は同じ会社の船にしか乗れないので、帰りの時刻に幅を持たせたいなら片道ずつ買うという選択肢もあります。
| 比較項目 | 八重山観光フェリー | 安栄観光 |
|---|---|---|
| 大人片道 | 970円 | 970円 |
| 大人往復 | 1,880円 | 1,880円 |
| 石垣発の便数 | 10便 | 8便 |
| 石垣発の始発 | 7:30 | 7:30 |
| 竹富発の最終 | 17:50 | 17:50 |
※両社公式サイトの時刻表・運賃表より(2026年8月時点)。季節ダイヤ・臨時変更があります。
竹富島へのフェリー全体の乗り方や、往復券の使い分けをもう少し詳しく知りたい人はこちらもどうぞ。

石垣島に着いたあと、竹富島にはどうやって渡るのか。橋はあるのか、飛行機は飛んでいるのか、船はどこから何時に出るのか──旅程を組む段階でいちばん引っかかるのがこの…
竹富港に着いたら、まず入島券を買う
竹富港(竹富東港)に着くと、すぐ横に旅客待合所「てぇどぅんかりゆし館」があります。NPO法人たきどぅんが運営する総合案内所のほか、売店・トイレ・コインロッカーがそろっています。港の前にはレンタサイクル各社の送迎車と、集落行き・ビーチ行きのバスが待機しています。
ここで忘れずに済ませたいのが入島料です。竹富島では一般財団法人 竹富島地域自然資産財団が入島券(うつぐみチケット)を発行しており、金額は1人300円。ユーグレナ石垣港離島ターミナルと竹富東港かりゆし館の自動券売機、そして島内各所の販売所で買えます。集めたお金は自然環境保全活動費・財団運営費・収受業務費用に充てられ、1/3以内が自然環境トラスト活動に使われます。
西桟橋やコンドイ浜のような場所が今の姿で残っているのは、こうした保全の仕組みがあるからです。券売機は乗船前の石垣側にもあるので、船待ちの時間に買っておくと港での動き出しがスムーズになります。
| 住所 | 沖縄県八重山郡竹富町字竹富 |
| アクセス | 石垣港離島ターミナルから高速船で10〜15分 |
| 公式サイト | 公式サイト |
港から桟橋までの移動手段は4つ、所要時間は3倍ちがう

竹富港から西桟橋までの距離は、島の東側から西側へ横断する形になります。手段によって所要時間も費用も大きく変わるので、滞在時間から逆算して選ぶのが正解です。ここでは4つの手段を並べて比較します。
レンタサイクルは2社で料金体系がまるで違う
いちばん使われているのがレンタサイクルです。港には各社の送迎車が待っているので、船を降りて乗り込むだけで店まで運んでもらえます。
友利観光(友利レンタサイクル)は、普通自転車が初乗り2時間1,000円、3時間1,500円、3時間を超えて営業終了までなら2,000円。電動アシスト自転車は初乗り2時間1,750円、3時間2,500円、3時間超〜営業終了で3,200円です。営業時間は9:00〜17:00で、最終返却は16:50。事前登録で普通自転車が5%割引になります。港からの送迎バスは竹富港発8:50・9:50・10:50・11:50・13:50・14:50、店舗発9:30・10:30・11:30・13:30・14:30・15:30・16:00・16:30・17:00という時刻です。徒歩なら港から約15分(約1km)、送迎バスなら約5分と案内されています。
丸八レンタサイクルは、普通自転車が2時間1,000円、4時間以上は一律2,000円。電動自転車は2時間1,600円、4時間以上一律3,200円です。2時間から4時間までは30分単位で返却でき、17時までに返す決まりになっています。電話予約はできず、港で送迎車が待機する形(石垣発8時30分以降の便に対応)です。竹富島公民館の行事と重なる日は休業します。
短時間なら普通自転車の2時間料金がどちらも1,000円で並びますが、長く借りるほど差が出ます。半日以上いるなら丸八レンタサイクルの4時間以上一律2,000円、電動を短時間だけ使いたいなら丸八の2時間1,600円が目安です。竹富島は坂の少ない平坦な島なので、普通自転車でも西海岸までは走り切れます。(2026年8月時点)
レンタサイクル各社の比較や借り方の細かい手順は、こちらの記事にまとめています。

石垣島から高速船で15分ほど、赤瓦の集落と白砂の道が広がる竹富島。この島を回る手段として真っ先に候補に挙がるのがレンタサイクルですが、いざ調べ始めると「予約は必…
路線バスは300円、ただし桟橋の前には停まらない
自転車に乗らない人の選択肢が竹富島交通の路線バスです。運賃は大人300円、小学生150円。障害者割引は各50%引きです。停留所は港・集落・カイジ浜(星砂の浜)・コンドイビーチの4か所で、西桟橋そのものの停留所はありません。西桟橋へ行くなら集落かコンドイビーチで降りて歩く形になります。
運行時間は港発が7:47〜17:47、集落発が7:30〜17:30、ビーチ発が8:30〜17:05です。港発の便は定期船の到着に合わせて運行するため予約は要りませんが、港発以外の便は要予約で、乗車15分前までに電話が必要です。当日の予約でも乗れます。
もう一つ知っておきたいのが、このバスでは島を1周できないという点です。必ずどこかで降車する形になります。「バスで一周してビーチも桟橋も見る」という組み方はできないので、降りる場所を1か所決めて、そこから歩く前提で計画してください。定期観光バスは大人2,800円・小学生1,400円で、こちらは島内をめぐるコース商品です。
徒歩でも行けるが、往復で1時間以上を見ておく
港から集落までは徒歩で約15分、集落から西桟橋までがさらに徒歩約10分です。つまり港から桟橋までは歩いて30分弱。往復すれば1時間を超えます。日陰の少ない島なので、夏場に歩き通すなら帽子と水は必須です。
それでも徒歩を選ぶ価値があるのは、集落の中をゆっくり見られるからです。竹富島の集落は国の重要伝統的建造物群保存地区で、赤瓦と白砂の道が続きます。自転車だと数分で抜けてしまう区間を、歩けば30分かけて味わえます。滞在が1日ある人なら、行きは自転車、帰りは歩きという組み方も現実的です。
水牛車では西桟橋には行けない
意外と知られていないのですが、竹富島の名物である水牛車に乗っても西桟橋には着きません。水牛車のコースは集落内をめぐるもので、海側までは行かないからです。「水牛車に乗れば島の名所を回れる」と思って乗ると、桟橋にもビーチにも行かないまま終わります。
竹富観光センターの水牛車観光は、2025年4月1日改定の料金で通常期が大人3,300円・小人2,200円・幼児1,600円、繁忙期(年末年始・ゴールデンウィーク・7月・8月・3月)は大人3,900円・小人2,900円・幼児1,900円です。同センターのグラスボート遊覧は大人3,000円・小人2,000円・幼児1,500円。レンタサイクルも扱っており、営業開始〜13時が普通車2,200円・ギア付き3,300円・電動4,400円、13時〜終了が普通車2,000円・ギア付き3,000円・電動4,000円、繁忙期の営業開始〜13時は普通車2,500円・ギア付き3,700円・電動4,900円です(いずれも2026年8月時点)。
水牛車は集落の風景と三線を楽しむもの、西桟橋は自分の足か自転車で行くもの。この2つは別物として旅程に入れてください。
| 比較項目 | レンタサイクル | 路線バス | 徒歩 |
|---|---|---|---|
| 港→西桟橋の目安 | 約15分 | バス+徒歩 | 約30分弱 |
| 料金(大人) | 2時間1,000円〜 | 300円 | 運賃なし |
| 予約 | 港で送迎車が待機 | 港発は不要/他は要予約 | 不要 |
| 桟橋前に停まるか | 自由に停められる | 停留所なし | ─ |
| 向いている人 | 半日以上の滞在 | ビーチ直行したい人 | 集落もじっくり見たい人 |
※石垣島旅の教科書調べ。各社公式サイトおよび竹富町観光協会の公表値をもとに作成(2026年8月時点)。所要時間は目安です。
集落を抜けて西海岸へ、道で迷わないための目印
竹富島の道は碁盤の目のようでいて、白砂の細い路地が何本も並んでいるため、初めてだと方角を見失いやすい構造です。目印を1つ決めておくと、迷いがぐっと減ります。
なごみの塔を集落の中心の基準にする
集落の中心にあるのが、赤山公園内のなごみの塔です。2006年3月27日に国の登録有形文化財に登録された鉄筋コンクリート造の展望塔で、塔そのものの高さは4.5メートル、丘を含めると地上から約8.7メートルになります。竹富島でいちばん高い人工物なので、集落のどこにいてもここを基準に方角を取れます。
ただし、現在は老朽化のため登頂が禁止されています。改修工事自体は完了していますが、登り降りはできません。「なごみの塔から集落を見下ろす」という写真は今は撮れないので、旅程を組むときは見学だけと考えておいてください。
実務的な使い方としては、なごみの塔を集落の中心として、そこから西へ向かえば西桟橋、南西へ向かえばコンドイ浜、という覚え方が分かりやすいです。集落の中心から西桟橋までは徒歩約10分の距離です。
集落内は歩行者と水牛車が優先、自転車は徐行する
集落内の道は白砂が敷かれた生活道路です。ここは観光地である前に人が住んでいる場所で、水牛車も同じ道を通ります。竹富島のレンタサイクル各社は、集落内では歩行者と水牛車を優先し、最徐行で走ることを利用上のマナーとして案内しています。
白砂の道は自転車のタイヤが取られやすく、スピードを出すと横滑りします。特に電動アシスト自転車は発進のトルクが強いので、砂の上では後輪が空転しやすくなります。集落内は降りて押すくらいのつもりでいると失敗しません。
もう一つ、各社が禁止事項として挙げているのが、水着や上半身裸のまま集落内を通り抜けることです。ビーチから集落へ戻るときは、羽織るものを1枚持っておいてください。西桟橋やコンドイ浜からの帰り道は必ず集落を通ることになるので、荷物に1枚入れておく価値があります。
失敗パターン①:自転車の返却時刻を確かめずに夕日を待つ
いちばん多いつまずきが、レンタサイクルの返却時刻と夕日の時刻がかみ合っていないケースです。友利観光は営業時間が9:00〜17:00で最終返却が16:50、丸八レンタサイクルは17時までに返却という決まりです。一方、石垣市の日の入りは7月1日で19時37分ごろ。つまり夏場は、自転車を返す時刻の2時間半以上あとに日が沈みます。
原因は「レンタサイクルは日没まで使える」という思い込みです。島の事業者は最終の船に合わせて店じまいするので、営業時間は夕方で終わります。対策はシンプルで、夕日を桟橋で待つなら自転車は返してから徒歩で向かうことです。集落の宿に泊まっているなら、宿から徒歩約10分で桟橋に着きます。
日帰りで夕日を狙う場合は、そもそも成立するかを先に確認してください。竹富発の最終便は17:50です。12月1日の日の入りは17時56分ごろなので、真冬でも最終便のほうが先に出てしまいます。日帰りで西桟橋の日没を見るのは、時期を問わず難しいと考えるのが現実的です。
夕日を狙うなら、何時に桟橋へ行けばいいのか
西桟橋がサンセットの名所と呼ばれるのは、桟橋が西へまっすぐ伸びていて、周囲を海に囲まれた状態で日没を迎えられるからです。では何時に行けばいいのか。答えは月によって1時間40分以上変わります。
日の入りは月で1時間40分以上ちがう
石垣市の日の入り時刻は、年間で最も遅い7月1日が19時37分ごろ、最も早い12月1日が17時56分ごろです。その差は1時間41分。竹富島は石垣島の南西約6kmに位置するため、日の入り時刻はほぼ同じと考えて構いません。
月ごとに見ると、1月1日が18時08分ごろ、3月1日が18時47分ごろ、4月1日が19時00分ごろ、5月1日が19時14分ごろ、6月1日が19時29分ごろ、8月1日が19時29分ごろ、9月1日が19時03分ごろ、10月1日が18時32分ごろ、11月1日が18時05分ごろです。春から夏にかけて一気に遅くなり、秋に急速に早まるのが八重山の特徴です。
この数字を先に押さえておくと、旅程の組み方が変わります。日の入りが19時台の4月〜8月は、石垣島に日帰りで戻る前提では日没に立ち会えません。逆に11月〜1月は日の入りが18時台前半まで早まりますが、それでも竹富発の最終便17:50より後です。夕日を見るなら島に泊まる、というのが唯一の解になります。
| 時期 | 日の入り(石垣市) | 桟橋到着の目安 | 日帰りで見られるか |
|---|---|---|---|
| 7月1日 | 19時37分ごろ | 19時前 | 不可 |
| 10月1日 | 18時32分ごろ | 17時50分ごろ | 不可 |
| 12月1日 | 17時56分ごろ | 17時15分ごろ | 不可(最終便17:50) |
| 3月1日 | 18時47分ごろ | 18時5分ごろ | 不可 |
※日の入り時刻は石垣市の値(2026年8月時点の公開データ)。到着の目安は日の入りの約40分前として算出した参考値です。
到着は日の入りの40分前が目安
夕日は沈む瞬間だけのものではありません。日が傾き始めてから沈み切るまでの時間帯こそが見どころで、桟橋の上では日の入りの40分ほど前から空と海の色が変わり始めます。到着の目安を日の入りの40分前に置いておくと、色が変わっていく過程を最初から見られます。
集落の宿から歩くなら徒歩約10分なので、日の入りが19時37分ごろの7月なら19時前に宿を出れば間に合います。12月なら17時15分ごろの出発です。桟橋には照明がないので、帰りは暗くなります。懐中電灯かスマートフォンのライトを必ず用意してください。
桟橋の先端まで歩くと、正面に西表島を望めます。潮位によって足元の見え方が変わり、干潮時は桟橋の脇まで砂地が現れます。潮位は日によって違うので、同じ場所でも表情が変わるのが西桟橋の面白いところです。
失敗パターン②:最終便17:50から逆算していない
2つめの失敗が、帰りの船から逆算せずに西海岸で粘ってしまうケースです。竹富発の最終便は17:50。港までの移動時間を考えると、西桟橋を離れる時刻は、自転車なら17時20分ごろ、徒歩なら17時ごろが限界になります。
原因は、竹富島が石垣島から10〜15分の距離にあることから「いつでも帰れる」と感じてしまう点にあります。実際には便数が限られた離島航路で、最終便を逃すと石垣島には戻れません。宿の予約が石垣島側にある人にとっては、この1本が旅程全体を左右します。
対策は、島に着いた時点で帰りの便を1本決めておくことです。最終便ではなく1本前を目標にしておくと、桟橋で写真を撮りすぎても間に合います。レンタサイクルの返却時刻も、その便から逆算して選んでください。
西桟橋には手すりや柵がありません。先端部は濡れると滑りやすく、桟橋からの飛び込みや遊泳は避けてください。また、高速船は台風・強風・高波で欠航や減便になります。当日の運航状況は八重山観光フェリー・安栄観光の公式サイトで、気象情報は気象庁で必ず確認してから港へ向かってください。
桟橋とセットで回りたい西海岸の2つの浜
西桟橋の南側には、コンドイ浜とカイジ浜が並んでいます。3か所は西海岸沿いに一本道でつながっているので、自転車ならまとめて回れます。それぞれ性格が違うので、順番の決め方も含めて整理します。
コンドイ浜は遠浅、ただし海水浴場ではない
コンドイ浜は竹富島の西側にある白い砂浜のビーチで、竹富町観光協会は「白い砂浜とコバルトブルーの海が美しい。遠浅で波の静かなビーチです」と紹介しています。透明度が高く、西表島や小浜島など周辺の島々を望めます。夕日の名所としても知られており、西桟橋と並ぶサンセットスポットです。
アクセスは竹富港から車(一般道)で約5分。路線バスのコンドイビーチ停留所もあるので、泳ぐことが目的ならバスで直行するのが手っ取り早い選択です。
注意しておきたいのは、ここが法律上の海水浴場ではないという点です。そのため遊泳可能期間や遊泳可能時間の設定はなく、監視員もいません。海水浴は自己責任となります。竹富町観光協会は、クラゲ防止ネットの有無など現地の状況を確認したうえで利用するよう案内しています。潮の状況・風・クラゲの有無は日によって変わるので、現地の掲示を必ず見てから海に入ってください。
| 住所 | 沖縄県八重山郡竹富町字竹富 |
| アクセス | 竹富港から車(一般道)で約5分 |
| 公式サイト | 公式サイト |
カイジ浜は星砂の浜、泳ぐ場所ではない
コンドイ浜のとなりにあるのがカイジ浜で、別名を星砂の浜といいます。竹富港から自転車で約15分の距離です。ここで探せるのが星砂で、正体は有孔虫という微小な海洋生物の殻が波で打ち上げられたもの。竹富町観光協会は、岩場沿いの砂に手のひらを押し当てて探すと見つかると案内しています。砂をすくうのではなく、手のひらを押し付けるのがコツです。
大事なのは、カイジ浜が遊泳向きの浜ではないことです。竹富町観光協会も潮の流れが速いため遊泳注意としています。となりのコンドイ浜と見た目が似ているため、そのまま泳いでしまう人がいますが、この2つは性格がまったく違います。カイジ浜は星砂を探して散歩する浜、と割り切ってください。
浜の入口には、星の砂を閉じ込めたキーホルダーや小瓶などの土産が並んでいます。持ち帰りたい人はここで買うのが確実です。
| 住所 | 沖縄県八重山郡竹富町字竹富 |
| アクセス | 竹富港から自転車で約15分 |
| 公式サイト | 公式サイト |
3か所を1本の道でつなぐ回り方
西桟橋・コンドイ浜・カイジ浜は北から南へこの順に並んでいます。効率よく回るなら、港から集落を抜けて西桟橋へ出て、そこから海沿いを南下してコンドイ浜、さらに南下してカイジ浜、というルートが素直です。逆順にすると、カイジ浜から集落へ戻る距離が長くなります。
時間配分の目安は、西桟橋で20〜30分、コンドイ浜で40分〜1時間、カイジ浜で20〜30分。移動を含めると3か所で2時間半から3時間ほど見ておくと余裕があります。港から西桟橋まで自転車で約15分なので、往復の移動30分を加えると、3か所プランには最低3時間の滞在時間が必要という計算です。
泳ぐ予定があるなら、コンドイ浜を最後にする組み方もあります。ただしその場合は、濡れたまま集落を通ることになるので、着替えか羽織るものを忘れずに。集落内を水着で通り抜けるのはマナー違反とされています。
西桟橋・コンドイ浜・カイジ浜の3か所は西海岸に一本道で並んでいます。北から順に南下すれば無駄な戻りがありません。3か所を回るなら移動込みで2時間半〜3時間が目安です。
滞在時間別、桟橋を旅程に組み込む3つのプラン
石垣島側の予定によって、竹富島にどれだけ時間を割けるかは変わります。ここでは滞在時間別に3つの型を示します。自分がどれに当てはまるかで、レンタサイクルの契約時間も帰りの便も決まります。
半日プラン:船で往復して桟橋とコンドイ浜だけ
石垣島に泊まっていて、午前だけ竹富島に行くという型です。石垣発9:00や9:30の便で渡り、竹富発13:50や14:50で戻ると、島での滞在は4時間半前後になります。
この時間なら、レンタサイクルは普通自転車の3〜4時間帯を選ぶのが合います。友利観光なら3時間1,500円か3時間超〜営業終了2,000円、丸八レンタサイクルなら4時間以上一律2,000円です。回る先は西桟橋とコンドイ浜の2か所に絞ると、集落を歩く時間も確保できます。
半日プランの落とし穴は昼食です。集落の飲食店は数が限られ、昼のピークに集中します。13時台の船で戻るつもりなら、12時前には店に入るか、石垣島側で食べる前提にしておくと計画が崩れません。
1日プラン:3か所+集落をゆっくり
石垣発7:30や8:30の便で渡り、竹富発16:50や17:50で戻る型です。滞在は8〜10時間になり、西桟橋・コンドイ浜・カイジ浜の3か所に加えて、集落の散策や水牛車観光まで入ります。
この場合、レンタサイクルは丸八レンタサイクルの4時間以上一律2,000円(電動なら3,200円)か、友利観光の3時間超〜営業終了2,000円(電動3,200円)が合います。どちらも営業終了までという扱いなので、時間を気にせず回れます。ただし返却時刻は友利観光が16:50、丸八レンタサイクルが17時までなので、そこから逆算してください。
水牛車を入れるなら、竹富観光センターの通常期料金は大人3,300円です。集落内をめぐるコースなので、自転車で西海岸を回る時間とは別枠で30分ほど確保しておくと組みやすくなります。
竹富島に必要な滞在時間の考え方や、船の便から逆算した半日・1日の回り方はこちらでも整理しています。

「竹富島って半日で足りるの? それとも丸一日みておいたほうがいい?」——石垣島の旅程を組んでいて、いちばん決めにくいのがここだと思います。船で10分そこそこの島…
宿泊プラン:夕日を見たいなら泊まるしかない
西桟橋の日没を見たいなら、竹富島に泊まるのが唯一の方法です。前述のとおり、竹富発の最終便17:50は、年間でいちばん日の入りが早い12月1日の17時56分ごろよりも先に出てしまいます。
島に泊まれば、日の入りの40分前に宿を出て徒歩約10分で桟橋に着き、日が沈んだ後の空の色まで見届けてから戻れます。集落の宿から西桟橋までは徒歩圏で、自転車を返した後でも行き来できるのが強みです。日没後は照明のない道を歩くことになるので、ライトの用意だけは忘れないでください。
逆に言えば、日帰りで竹富島に行く人は、夕日を旅程の目的に入れないほうが満足度が上がります。日中の海の色や、干潮時に現れる砂地は日帰りでも十分楽しめます。夕日は次に泊まりで来るときの宿題、と割り切るのが現実的な組み方です。
まとめ:竹富島の西桟橋は「泊まるか、昼に行くか」で決まる
まず決めるのは、日帰りか宿泊かです。日帰りなら、石垣発の午前便で渡って西桟橋とコンドイ浜を昼の光で見る組み方が満足度の高い選び方になります。宿泊するなら、自転車を返してから徒歩で桟橋へ向かい、日の入りの40分前から空の色が変わる過程を待つ。この2つは別の旅程なので、先に決めてから船と自転車を押さえてください。最初の一歩は、ユーグレナ石垣港離島ターミナルで入島券300円と乗船券を一緒に買っておくことです。
※本記事の運賃・料金・時刻は2026年8月時点の各社公式サイトおよび竹富町・竹富町観光協会の公表値です。季節ダイヤの変更や料金改定、台風による欠航があります。最新の運航状況・気象情報は公式サイトでご確認ください。
参考:竹富町「竹富町の文化財」/文化遺産オンライン「西桟橋」/八重山観光フェリー「離島定期航路」/安栄観光「石垣島⇔竹富島 時刻表・運賃表」/竹富町観光協会/竹富島地域自然資産財団「入島料について」/竹富島交通「バス利用案内」/石垣市「ユーグレナ石垣港離島ターミナルについて」

コメント