与那国島の旅を組み立てるとき、最初に手が止まるのが「島の中をどうやって移動するか」です。石垣島や宮古島のように大手レンタカーが並んでいるわけではなく、路線バスの本数も限られています。ネットで調べても「レンタカーがおすすめ」で終わってしまい、いくらかかるのか、空港のどこで借りるのか、バスだけで足りるのかが分からないまま出発日が近づいてきます。
結論から書くと、与那国島の移動手段はレンタカーが基本になります。島の周囲は約28kmで、車なら約1時間で一周できる規模ですが、集落と集落の間には何もない道が続き、坂も多いからです。ただし「レンタカー一択」ではありません。運賃無料の生活路線バスが1日9便走っていて、旅のタイプによっては十分に使えます。
この記事では、島内のレンタカー4社の料金を公式サイトの数字で並べ、空港からの距離と営業時間、無料バスの時刻と回り方、タクシーの初乗り、石垣島から車ごと渡る方法までまとめました。出発前にこのページだけ読んでおけば、現地で「借りられない」「動けない」に陥らずに済みます。
・与那国島のレンタカー4社の料金と営業時間の違い(2026年8月時点)
・運賃無料の生活路線バス9便の時刻と、使える場面・使えない場面
・空港に降りてから何分で走り出せるか(営業所の位置と送迎条件)
・石垣島から飛行機・フェリーで渡るときの所要時間と車の持ち込み
与那国島の移動手段は5つ|レンタカーが基本になる理由

島の周囲は約28km、車なら約1時間で一周できる
与那国島の周囲は約28kmです。ルートの取り方で約25〜28kmと幅がありますが、車で走れば一周およそ1時間という規模感で考えて問題ありません。自転車なら3〜4時間が目安です。
この「1時間で一周」という数字が、移動手段選びの出発点になります。数字だけ見ると「歩いても回れそう」と感じるかもしれませんが、平坦な島ではありません。島内は坂が多く、東崎方面や久部良側に向かうと勾配のある道が続きます。距離が短いから歩けるだろう、自転車で足りるだろうと考えると、実際の消耗は想像を上回ります。
島の集落は祖納・久部良・比川の3つです。人が住んでいるのはこの3か所に集中していて、その間は牧草地と海しかない道が続きます。つまり「気が変わったら途中で店に入る」「タクシーを拾う」といった都市部の感覚は通用しません。移動手段は出発前に確定させておくのが基本です。
与那国島は八重山の中でも移動事情が独特です。石垣島の移動手段と比べてみると、選択肢の少なさがはっきり分かります。

旅のタイプ別|どの移動手段が向いているか
与那国島で使える移動手段は、レンタカー・生活路線バス・タクシー(賃走/観光)・レンタバイク・レンタサイクルの5つです。どれを選ぶかは滞在日数と目的で決まります。
1泊2日で島の要所を回りたいなら、迷わずレンタカーです。滞在時間が短いほど移動効率が結果を左右します。3泊以上でのんびり滞在し、集落での時間を長く取りたい人は、レンタカーを1日だけ借りて残りは無料バスと徒歩、という組み合わせが現実的です。日帰りで訪れる人は、空港前で借りて空港前で返せる会社を選ぶと、滞在時間をほぼ全部観光に回せます。
子ども連れの場合はレンタカーが前提になります。バス停から観光地までの徒歩区間が長く、日差しを遮るものが少ないためです。チャイルドシートを無料で貸し出している会社もあるので、予約時に一緒に押さえておきましょう。逆に、写真を撮りながらゆっくり島を味わいたい人には電動アシスト付きの自転車という手もありますが、坂と風の強さを甘く見ないことが条件です。
「レンタカーなしで回れる」が成立しにくい理由
与那国島は「無料バスがあるからレンタカーなしでも回れる」と紹介されることがありますが、条件付きの話です。生活路線バスは1日9便で、名前のとおり島民の生活のために運行されています。ダイヤは通勤・通学・通院の時間帯に合わせて組まれていて、観光の動線とは一致しません。
もうひとつの理由が、バス停の位置です。与那国町の観光サイトも「バス停が観光スポットから離れている場合もある」と明記しています。西崎や東崎、立神岩といった見どころは、最寄りのバス停から歩く前提になります。真夏の日中に片道20分の炎天下を歩けるかどうかで、旅の体力配分が変わります。
加えて、便と便の間隔が空きます。空港を出る便は9時05分の次が11時15分で、2時間以上の待ちが発生します。この空白を「集落を歩いて過ごす時間」と捉えられる人にはバスが向いていますが、限られた滞在時間で見どころを押さえたい人には向きません。
| レンタカーのメリット | レンタカーのデメリット |
|---|---|
| 島を約1時間で一周でき、時間を自分で決められる 空港前に営業所が集まっていて到着直後から動ける 坂道と日差しの体力消耗を受けない 荷物を積んだまま移動できる | 台数に限りがあり繁忙期は埋まりやすい 会社によって免責補償が別料金になる 現金払いのみの会社がある 返却時刻から逆算した行動が必要になる |
台数に限りがある島だから、予約の順番を間違えない
与那国島のレンタカーは、島内に数社があるだけです。大手チェーンのように何百台も在庫があるわけではなく、繁忙期には各社とも埋まります。与那国町の観光サイトも「台数に限りがあるため事前予約がおすすめ」と案内しています。
そこで段取りとして守りたいのが、予約の順番です。航空券を押さえたら、宿より先にレンタカーを予約します。宿は満室でも他を探せますが、車は代替が効きません。島に着いてから「どこも空いていない」となると、無料バスと徒歩だけで数日を過ごすことになります。
予約方法は会社ごとに異なります。電話とWebフォームの両方に対応している会社もあれば、専用の予約フォームで24時間受け付けている会社もあります。マラソン大会や連休の時期は特に早く埋まるので、旅程が固まった時点で連絡を入れておくのが確実です。
島内レンタカー4社を料金で並べる|軽自動車は3,300円から
与那国米浜レンタカー:3時間3,300円と日帰りプランが強い
島内で最も安く借り始められるのが与那国米浜レンタカーです。軽クラス(乗車定員4名)が3時間3,300円、6時間4,400円、当日中4,950円、24時間以内5,500円という料金体系になっています(2026年8月時点)。3時間という短い区切りが用意されているのは、島内で見どころを一巡りするなら3時間で足りるという実情に合わせたものです。
車種は軽クラスのほか、パッソクラス(5名)が3時間4,400円・24時間以内6,600円、ノート(5名)が3時間5,500円・24時間以内7,700円、バンクラス(8名)が3時間8,800円・24時間以内16,500円と揃っています。保険料は料金に含まれているため、受付で追加費用の判断をする必要がありません。
特徴的なのが日帰りプランです。那覇空港または石垣空港から指定の便で到着し、同日中に帰る人が対象で、軽クラスは3,300円〜4,400円、セレナクラスは8,800円〜11,000円という設定になっています。日帰りで与那国島を訪れる人には、この区分が使えるかどうかで費用が変わります。チャイルドシート・ジュニアシートは無料貸出(要予約)です。営業時間は月〜土の8時00分〜17時30分で、貸出受付時間は8時15分〜17時00分となっています。
営業所は与那国空港内のほか、祖納集落、アイランドホテル向かいのコスモ石油内の3か所です。ただし宿やフェリー乗り場への送迎は行っていないため、久部良のフェリーターミナルから借りたい場合は移動手段を別に考える必要があります。
| 住所 | 〒907-1801 沖縄県八重山郡与那国町与那国122 |
| 電話番号 | 0980-87-2148 |
| 営業時間 | 月〜土 8:00〜17:30(貸出受付時間は8:15〜17:00) |
| アクセス | 与那国空港ターミナル内に営業所あり |
| 公式サイト | 公式サイト |
与那国ホンダ:5時間4,500円、車種の幅がいちばん広い
日本最西端のレンタカー屋さんを名乗る与那国ホンダは、軽自動車が5時間4,500円、当日5,000円、24時間5,500円という料金です(税・保険込み、2026年8月時点)。延長は1時間1,000円、2日目以降は1日5,000円で継続できます。連泊して何日も車を使う旅なら、この「以後1日」の設定が効いてきます。
乗用車1300ccは5時間5,500円・当日6,500円・24時間7,500円、乗用車1500ccは5時間6,000円・当日7,000円・24時間8,500円です。7〜8人乗りワゴンは5時間10,000円・当日15,000円・24時間15,000円、延長は1時間2,000円、以後1日13,000円となっています。グループ旅行でワゴンが必要になる場合、島内で選択肢は多くありません。
免責補償料は1日1,500円の任意加入です。加入するかどうかは自己判断になりますが、慣れない道で狭い区間もあるため、初めての島なら付けておく方が気は楽です。ガソリンは満タン返しでの返却が必須なので、返却前に給油の時間を見込んでおきましょう。取扱車種には前カゴ・サイドスタンド付きの原付もあります。
場所は与那国空港から東へ2.5km(車で5分)です。空港のすぐ前ではないため、送迎の条件は事前に確認しておく必要があります。営業時間は8時00分〜18時00分、定休日は不定休で、日曜日のみ新規受付ができません。日曜到着の旅程を組む人は要注意です。予約は電話または公式サイトのWebフォームから可能です。
| 住所 | 〒907-1801 沖縄県八重山郡与那国町与那国12番地 |
| 電話番号 | 0980-87-2376 |
| 営業時間 | 8:00〜18:00 |
| 定休日 | 不定休(日曜日のみ新規受付不可) |
| アクセス | 与那国空港から東へ2.5km(車で5分) |
| 公式サイト | 公式サイト |
むんぶレンタカー:空港正面玄関前で年中無休
与那国空港の正面玄関を出てすぐという立地なのがむんぶレンタカーです。空港から徒歩2分未満で、到着便から出発便までの時間を目一杯使えます。軽自動車が3時間5,000円、6時間6,000円、12時間7,000円、24時間8,000円(税込、2026年8月時点)という料金です。
普通車(5名)は3時間6,500円・24時間9,500円、普通車(7名)は3時間8,000円・24時間11,000円と設定されています。12時間という区切りがあるのがこの会社の特徴で、朝の便で着いて夕方の便で帰る旅程にちょうど合う長さです。
補償は選択制で、CDW事故免責補償が24時間2,500円、NOC補償制度が24時間2,000円、両方を含む安心フルサポートが24時間3,000円です。CDWとNOCを別々に付けるより、フルサポートを選んだ方が割安になります。さらにガソリン給油サービスが24時間1,800円で用意されていて、これを付ければ満タン返却が不要になります。返却直前にガソリンスタンドを探す手間がなくなるのは、便の時刻が決まっている離島では小さくない利点です。
受付時間は9時00分〜18時00分、祝日を含めて年中無休です。予約は専用フォームで24時間受け付けています。日曜や祝日に到着する旅程でも受け付けてもらえる点は、他社との明確な違いです。
| 住所 | 沖縄県八重山郡与那国町与那国4350-45 |
| 電話番号 | 050-5482-5932 |
| 営業時間 | 9:00〜18:00 |
| 定休日 | 年中無休(祝日含む) |
| アクセス | 与那国空港正面玄関前(空港から徒歩2分未満) |
| 公式サイト | 公式サイト |
最西端観光株式会社:レンタカーもタクシーも観光バスも1社で
最西端観光株式会社は、レンタカー・タクシー・観光バスをまとめて扱っている会社です。与那国空港から徒歩1分、県道を挟んで左前に「SSKレンタカー」の看板が見えます。軽自動車からワンボックスまで幅広く用意されています。
レンタカーの営業時間は8時00分〜18時00分で、遅延便にも対応していますが、時間外の利用には手数料が発生します。公式サイトのレンタカー料金表は画像で掲載されているため、車種と時間帯ごとの税込価格は予約時に直接確認する形になります。
注意したいのが支払い方法です。クレジットカードは使用できず、現金のみの対応となっています。島内のATM事情を考えると、石垣島や那覇の時点で現金を用意しておくのが安全です。またペットの同伴はできません。
この会社を選ぶ利点は、移動手段をまとめて相談できることです。「初日はレンタカー、2日目は観光タクシー」といった組み合わせを1か所で調整できるので、運転できる人が1人しかいないグループには使い勝手があります。
| 住所 | 〒907-1801 沖縄県八重山郡与那国町字与那国4562番地の1 |
| 電話番号 | 0980-87-2441 |
| 営業時間 | レンタカー8:00〜18:00/賃走タクシー8:15〜18:00/観光タクシー8:30〜18:00 |
| アクセス | 与那国空港から徒歩1分(県道を挟んで左前にSSKレンタカーの看板) |
| 公式サイト | 公式サイト |
3社の料金を1枚の表で見比べる
公式サイトに料金表が掲載されている3社を、同じ条件で並べたのが下の表です。石垣島旅の教科書調べとして、各社公式サイトの公表値のみを使っています(2026年8月時点)。
| 比較項目 | 与那国米浜レンタカー | 与那国ホンダ | むんぶレンタカー |
|---|---|---|---|
| 軽の最短プラン | 3時間3,300円 | 5時間4,500円 | 3時間5,000円 |
| 軽の24時間 | 5,500円 | 5,500円 | 8,000円 |
| 5人乗りの24時間 | 6,600円(パッソ) | 7,500円(1300cc) | 9,500円(普通車) |
| 補償の扱い | 料金に含まれる | 任意加入1日1,500円 | フルサポート3,000円 |
| 営業時間 | 月〜土8:00〜17:30 | 8:00〜18:00 | 9:00〜18:00 |
| 定休日 | 日曜の営業は要確認 | 不定休(日曜は新規不可) | 年中無休 |
表を見ると、軽自動車の24時間では米浜とホンダが同額の5,500円で並び、むんぶは補償と給油サービスを込みで考える設計になっていることが分かります。単純な安さなら米浜、車種の幅と連泊料金ならホンダ、日曜祝日と返却の手軽さならむんぶ、という住み分けです。
八重山の他の島でも、レンタカー会社の選び方は「料金より営業所の位置と営業時間」で決まります。西表島の例も参考になります。

空港に降りて何分で走り出せるかは営業所の位置で決まる

空港前に3社、島の東に1社という配置
与那国空港は日本最西端の空港で、空港コードはOGNです。琉球エアーコミューターが那覇との間を1日2便、石垣島との間を1日3便運航しています。予約は日本航空(JAL)で可能です。
この空港を降りたとき、レンタカーの営業所がどこにあるかで初日の使い方が変わります。むんぶレンタカーは正面玄関を出てすぐ、最西端観光は徒歩1分、与那国米浜レンタカーは空港ターミナル内に営業所があります。つまり3社は歩いてすぐの距離です。一方、与那国ホンダは空港から東へ2.5km(車で5分)の位置にあります。
「空港前かどうか」は、日帰りや1泊で滞在時間が短い旅ほど効いてきます。到着してすぐ車に乗れれば、そのまま西崎方面へ向かえます。逆に送迎を待つ時間が発生すると、その分だけ島で過ごせる時間が削られます。滞在が長い旅なら初日の10分や20分は誤差ですが、日帰りなら見どころ1か所ぶんの差になります。
| 住所 | 〒907-1801 沖縄県八重山郡与那国町与那国4350 |
| アクセス | 祖納集落から生活路線バスで約10分 |
| 公式サイト | 公式サイト |
送迎の条件は会社ごとに違う
空港前ではない営業所を選ぶ場合、送迎の条件を先に確認します。与那国ホンダは空港送迎を利用する場合、基本料金に加えて宿泊時は500円、18時以降は1,000円が加算されます(2026年8月時点)。また空港送迎を利用する場合、5時間以内の利用でも当日料金が適用される点も公式サイトに明記されています。
与那国米浜レンタカーは、宿やフェリー乗り場への送迎は行っていません。ただし空港ターミナル内で貸渡ができるため、飛行機で到着する人は送迎そのものが不要です。フェリーで久部良に着く人だけ、港から営業所までの移動を別に考える必要があります。
ここを読み違えると費用が変わります。「送迎あり」と書いてあっても無料とは限らず、時間帯で金額が変わる会社もあるということです。予約の電話やフォームで、到着時刻と迎えの要否をセットで伝えておきましょう。
石垣空港または那覇空港から与那国空港に到着(琉球エアーコミューター)
ターミナル内または正面玄関前の営業所で受付・免許証を提示
そのまま出発。空港から一周コースに入れば約1時間で島を回れる
失敗パターン①:夕方の便で着いて送迎料金が上がる
実際に起きやすいのが、到着時刻を考えずに営業所を選んでしまうケースです。石垣発の最終便で夕方に与那国島へ入り、空港から離れた営業所を予約していたとします。18時以降の送迎は加算1,000円になるため、想定していた料金と請求額が食い違います。
原因は、料金表の「基本料金」だけを見て比較していることです。レンタカーの実費は、車両料金+補償料+送迎の加算+ガソリン代の合計で決まります。基本料金が数百円安くても、送迎の加算で逆転することがあります。
対策は単純で、到着便の時刻を決めてから営業所を選ぶことです。夕方着なら空港前の会社を選ぶ、あるいは営業時間が18時までの会社かどうかを確認する。むんぶレンタカーの受付は9時00分〜18時00分、最西端観光のレンタカーは8時00分〜18時00分ですが、時間外利用には手数料が発生します。「何時に空港を出るか」を先に決めるだけで、この失敗は防げます。
返却は「満タン返し」か「給油サービス」かで段取りが変わる
返却方法も会社によって違います。与那国ホンダは満タン返しでの返却が必須です。つまり返却前にガソリンスタンドへ寄る時間を旅程に組み込む必要があります。島内のスタンドは数が限られ、営業時間も都市部より短いので、最終日の朝に給油を済ませておくのが安全です。
一方むんぶレンタカーには、24時間1,800円のガソリン給油サービスがあり、これを利用すれば満タン返却が不要になります。帰りの便の時刻が迫っているときに給油場所を探さなくて済むのは、便数の少ない離島では実用的な選択です。
どちらが得かは走行距離次第です。島を1〜2周する程度なら実際の給油額は給油サービス料より安く収まることが多く、自分で入れる方が節約になります。逆に、帰りの便が朝早い、あるいは複数日にわたって走り回る予定なら、給油サービスを付けて時間を買う判断も合理的です。
返却時刻は「出発便の時刻」ではなく「出発便の1時間前」で組み立てましょう。空港前の営業所なら返却から搭乗までの移動は数分ですが、給油や荷物の積み替えを考えると余裕が要ります。空港から離れた営業所を使う場合は、送迎の所要時間も加えて逆算してください。
運賃無料の生活路線バスは1日9便|使える人・使えない人
乗車無料で1日9便。2026年4月1日にダイヤが変わった
与那国町が運行する生活路線バスは、乗車無料です。島民限定ではなく、どなたでも無料で利用できます。祖納・久部良・比川の3集落を結んでいて、本数は1日9便。2026年4月1日にダイヤが改正されました。
なぜ無料なのかというと、このバスが観光路線ではなく町の生活インフラとして運行されているからです。運賃箱もICカードも不要で、乗って降りるだけです。旅行者にとっては、島内の移動費をかけずに済む手段が用意されているということになります。
1便目は祖納7時30分発で、比川7時47分、久部良港7時59分、空港8時07分を経由し、祖納8時20分を通って空港8時25分着というルートです。所要は53分。最終の9便目は祖納22時00分発で、比川22時31分まで走ります(所要48分)。一周にかかる時間は便によって48分から60分です。問い合わせ先は与那国町の企画財政課です。
比川回り5便・久部良回り4便の違いを押さえる
9便は「比川回り」と「久部良回り」の2種類に分かれています。1・2・4・6・8便目の5便が比川回り、3・5・7・9便目の4便が久部良回りです。同じ島を回るバスでも、先にどちらの集落へ向かうかで到着時刻が変わります。
停留所は、空港・嶋仲・祖納・役場・与小・DiDi・西3・ナンタ浜・製糖工場・アイランドホテル・比川・駐屯地・駐在所・久部良北・久部良港・久小です。役場や小学校、駐在所といった名前が並ぶことからも、生活路線であることが分かります。
使いこなすコツは、行き先の集落から逆算して回り方を選ぶことです。久部良(島の西端側)へ先に行きたいなら久部良回りの便、比川(南側)へ先に行きたいなら比川回りの便に乗ります。回り方を間違えると、目的地に着くまで島をぐるりと大回りすることになります。なお、公式の案内では「西3」のバス停位置がGoogle マップ上の表示と実際で異なる点に注意が促されています。
空港を出る便は6本しかない
飛行機で到着した人が気にすべきなのは、空港を出るバスが何時にあるかです。空港始発の便は2便目9時05分、3便目11時15分、4便目13時35分、5便目14時55分、6便目16時40分、7便目18時45分の6本です。
| 便 | 空港発 | 回り方 | 一周の所要時間 |
|---|---|---|---|
| 2便目 | 9:05 | 比川回り | 60分 |
| 3便目 | 11:15 | 久部良回り | 60分 |
| 4便目 | 13:35 | 比川回り | 55分 |
| 5便目 | 14:55 | 久部良回り | 60分 |
| 6便目 | 16:40 | 比川回り | 60分 |
| 7便目 | 18:45 | 久部良回り | 55分 |
※2026年4月1日改正のダイヤ。2026年8月時点で与那国町役場の路線バス案内に掲載されている時刻表に基づきます。
この表を見ると、9時05分の次が11時15分で2時間10分空くことが分かります。午前中の便を逃すと、次の移動まで2時間以上待つことになります。バス中心で動くなら、朝の到着便を選んで9時05分の便に乗るのが効率的です。
失敗パターン②:バス停は観光地の前にない
もうひとつ起きやすいのが、「バスが1周するなら観光地も回れるはず」と考えてしまうケースです。バス停の名前を見れば分かるとおり、停留所は役場・小学校・製糖工場・駐在所といった生活拠点に置かれています。西崎の展望台や東崎の灯台、立神岩の展望台の前にバス停があるわけではありません。
原因は、バスの目的が観光ではないことにあります。与那国町の観光案内も「観光地へのアクセスには各バス停からの徒歩が必要」と明記していて、観光目的ならレンタカー利用を勧めています。
対策は2つです。ひとつは、バスで行ける範囲(集落内の散策、久部良の港、比川の集落)に目的を絞ること。もうひとつは、レンタカーを1日だけ借りて見どころを回り、残りの日をバスと徒歩で過ごす組み合わせにすることです。米浜の3時間3,300円や、むんぶの3時間5,000円といった短時間プランは、この使い方に合っています。
タクシー・レンタバイク・自転車という選択肢
タクシーは初乗り500円、加算は463mごと100円
島内のタクシーは最西端観光株式会社が運行しています。プリウスの場合、初乗りが500円で、以降は463mごとに100円が加算されます。待機時間は2分50秒ごとに100円です(2026年8月時点)。
9人乗りのジャンボタクシーは初乗り640円、加算は266mごとに100円、待機は1分40秒ごとに100円という設定です。人数が多いグループなら、1台で移動できるジャンボの方が1人あたりの負担は軽くなります。
賃走タクシーの営業時間は8時15分〜18時00分です。都市部のように流しのタクシーが走っているわけではないので、使うときは電話で呼ぶのが基本になります。空港から宿までの片道だけタクシー、あとはバスと徒歩、という組み立ても現実的です。
観光タクシーは30分3,850円の貸切という考え方
運転に不安がある人や、島の話を聞きながら回りたい人に向くのが観光タクシーです。ジャンボ(9人乗り)の貸切が30分3,850円という料金で、営業時間は8時30分〜18時00分となっています。
島を一周するのに車で約1時間ですから、見どころで降りる時間を含めて2〜3時間の貸切を想定すると計算しやすくなります。レンタカーの24時間料金と比べれば高くつきますが、運転しなくてよい・道に迷わない・停める場所を探さなくてよいという3点が対価です。
グループで割ると印象が変わります。4人でジャンボを2時間貸し切る場合、1人あたりの負担はレンタカー代とガソリン代の合計とそれほど離れません。運転できる人が1人しかいないグループや、往路だけしっかり案内してほしい旅では検討する価値があります。
原付・自転車は坂と風を計算に入れる
与那国ホンダでは、前カゴとサイドスタンドが付いた原付も扱っています。島の規模を考えれば原付でも一周できますが、判断材料になるのは坂と風です。島内は坂が多く、海沿いは季節によって強い風が吹きます。
自転車で一周する場合の目安は3〜4時間です。車の約1時間に対して3倍以上かかるということは、途中で日陰も自動販売機も限られる区間を長く走ることを意味します。飲み物の確保と日差し対策は必須で、真夏の日中に挑戦する行程ではありません。
それでも自転車には、車では気づかない速度で島を眺められるという良さがあります。おすすめは「移動はレンタカー、集落内の散策は自転車か徒歩」という使い分けです。祖納や久部良の集落は歩いて回れる広さで、車だと通り過ぎてしまう路地の風景があります。
石垣島から与那国島へ渡る2つのルートと車の持ち込み
飛行機は石垣から1日3便、那覇から1日2便
与那国島へのアクセスは、飛行機と船の2通りです。飛行機は琉球エアーコミューターが運航していて、石垣島↔与那国島が1日3便、那覇↔与那国島が1日2便です。予約は日本航空(JAL)で行います。
本数が限られているということは、便を1本逃すと当日中に島へ渡れない可能性があるということです。石垣島で乗り継ぐ場合は、乗継時間に余裕を持たせた便を選んでおきましょう。石垣空港での乗り継ぎに慣れていない人ほど、間隔を空けておく方が安心です。
飛行機を選ぶ最大の利点は、到着してすぐ空港前でレンタカーを借りられることです。むんぶレンタカーは正面玄関前、最西端観光は徒歩1分、与那国米浜レンタカーはターミナル内に営業所があります。荷物を持って移動する距離がほぼゼロなので、到着から走り出すまでの時間が短く済みます。
フェリーよなくには週2往復・所要約4時間
船は福山海運の「フェリーよなくに」が運航しています。石垣発は月曜・木曜の10時00分発で与那国に14時00分頃到着、与那国発は火曜・金曜の9時00分発で石垣に14時00分頃到着します。所要は約4時間です。
運賃は、与那国観光WEBに掲載されている2024年3月末現在の公表値で片道大人3,610円、学割2,890円、小人1,810円、身障者1,810円となっています。最新の運賃と運航状況は運航会社への確認が必要です。予約は不要ですが、運航の30分前までに手続きを済ませる必要があります。
乗り場は、与那国側が久部良漁港フェリーターミナル(赤い屋根の建物の前)、石垣側が石垣港離島ターミナル・八島離島ターミナルです。ここで注意したいのが、久部良は空港から離れた島の西端側にあるという点です。フェリーで着く人は、港からレンタカー営業所までの移動を先に決めておく必要があります。与那国米浜レンタカーはフェリー乗り場への送迎を行っていないため、他社に相談するかバスの時刻に合わせる形になります。
石垣港離島ターミナルからの乗船に不慣れな人は、ターミナルの構造と駐車場を先に把握しておくと当日が楽になります。

実は、自分の車やバイクを船で運べる
意外と知られていないのですが、フェリーよなくには車両・原付・バイクの乗船に対応しています。つまり石垣島で使っている車やバイクを、そのまま与那国島へ持ち込めるということです。
これが効いてくるのは、長期滞在や移住を検討している人、バイクで八重山を回っている人です。島内のレンタカーは1日あたり5,500円前後かかりますから、1週間以上滞在するなら車両航送を検討する余地があります。原付やバイクなら航送費用はさらに抑えられます。
ただし、この選択が向くのは相当に限られた人です。運航は週2往復で、火曜・金曜の与那国発を逃すと次の便まで数日待つことになります。加えて冬季などはシケにより揺れる場合があり、悪天候時の運航可否も読めません。「安く済むから船で車を運ぼう」という発想で組むと、帰りの日程が縛られます。数日の旅行なら、素直に飛行機とレンタカーの組み合わせが確実です。
与那国島は台風の影響を受けやすい海域にあります。飛行機もフェリーも欠航・遅延の可能性があり、冬季はシケで揺れる場合もあります。レンタカーの予約は、欠航時のキャンセル条件もあわせて確認しておきましょう。最新の運航状況・気象情報は各社公式サイトでご確認ください。
飛行機と船をどう使い分けるか
日程が短い旅なら飛行機です。石垣から1日3便あり、移動時間も船の約4時間より大幅に短く済みます。空港前でレンタカーを借りられる点も含めて、旅の効率では飛行機が優位です。
船が向くのは、運賃を抑えたい人、車両を持ち込みたい人、そして船旅そのものを目的にできる人です。月曜・木曜に石垣を発ち、火曜・金曜に戻るという運航パターンに旅程を合わせられるかどうかが分岐点になります。
組み合わせるという手もあります。行きは飛行機で確実に渡り、帰りはフェリーでゆっくり石垣へ戻る。この場合、与那国発は火曜・金曜の9時00分発なので、その日の朝までにレンタカーを返却して久部良の港へ移動する段取りが必要です。営業時間内に返却できるか、港までの足があるかを事前に確認しておきましょう。
与那国島の移動手段(レンタカー)で失敗しない予約と返却の段取り
予約は航空券を取った直後に入れる
与那国島でレンタカーを確保する最大のコツは、予約のタイミングです。航空券を押さえたその日に、レンタカーの予約を入れます。宿より先で構いません。
理由は在庫の絶対数です。島内のレンタカー会社は数社で、大手のような台数はありません。与那国島一周マラソンなどのイベント期間や大型連休は、島に入る人の数に対して車の数が足りなくなります。宿は満室でも別の宿を探せますが、車は「島にない」となれば代替が効きません。
予約時に伝えるべき情報は4つです。到着便の時刻、返却したい時刻、必要な車種(人数と荷物)、送迎の要否。特に到着便の時刻は必ず伝えてください。遅延便への対応や時間外手数料の有無は会社ごとに違い、最西端観光は遅延便に対応するものの時間外利用には手数料が発生すると案内しています。
予約の順番は「航空券 → レンタカー → 宿」です。与那国島は車の在庫が旅程の自由度を決めます。日曜到着の場合は、与那国ホンダが日曜のみ新規受付不可、与那国米浜レンタカーは月〜土の営業となっているため、年中無休のむんぶレンタカーを含めて営業日を確認してから予約先を決めましょう。
免責補償を付けるかどうかの判断基準
補償の扱いは会社ごとに大きく違います。与那国米浜レンタカーは保険料が料金に含まれているため追加判断が不要です。与那国ホンダは1日1,500円の任意加入、むんぶレンタカーはCDW事故免責補償が24時間2,500円、NOC補償制度が24時間2,000円、両方込みの安心フルサポートが24時間3,000円という設定です。
判断の基準は「その島の道を走った経験があるか」です。与那国島は道幅が狭い区間があり、牛や馬が道路脇にいることもあります。夜間は街灯の少ない区間が続きます。初めての島で夜も運転する予定があるなら、補償は付けておく方が安心です。
一方、日中の数時間だけ島を一周するような使い方で、運転に慣れている人なら、補償なしという判断もあり得ます。むんぶレンタカーの場合、CDW(2,500円)とNOC(2,000円)を別々に付けるより、安心フルサポート(3,000円)を選ぶ方が1,500円ぶん安く収まる計算になります。組み合わせを確認してから決めましょう。
現金しか使えない会社があることを忘れない
支払い方法も事前確認の項目です。最西端観光株式会社はクレジットカードが使用できず、現金のみの対応となっています。島内のATM事情を考えると、石垣島か那覇の時点で現金を用意しておくのが確実です。
金額の目安を立てておきましょう。レンタカー代に加えて、補償料、ガソリン代、食事代、お土産代がかかります。24時間で軽自動車を借りるなら5,500円前後、補償を付ければ1,500円〜3,000円が加算されます。ガソリン代を含めても、1日の車関連費用は1万円弱と見ておけば大きく外しません。
キャッシュレス前提で旅をしている人ほど、この確認は忘れがちです。「カードが使えると思っていたら現金だけだった」という状況は、離島では立て直しに時間がかかります。予約時に支払い方法を聞いておくのが最も確実です。
帰りの便から逆算した返却時刻を決めておく
最終日の段取りは、帰りの便の時刻から逆算します。返却は出発時刻の1時間前を目安に設定しておくと、給油や荷物の積み替えに追われずに済みます。
与那国ホンダのように満タン返しが必須の会社を使う場合は、給油時間をさらに加算します。島内のガソリンスタンドは数が限られ、営業時間も都市部より短めです。最終日の朝、宿を出る前に給油を済ませておくと、返却前に慌てずに済みます。むんぶレンタカーのガソリン給油サービス(24時間1,800円)を使う場合は、この工程が丸ごと不要になります。
返却場所も確認しておきましょう。空港ターミナル内や正面玄関前の営業所なら、返却してそのままチェックインカウンターへ向かえます。空港から離れた営業所の場合は、送迎の所要時間を旅程に含めます。便数が少ない島では、1本乗り遅れると翌日まで動けません。返却時刻の設定は、旅の最後で最も慎重になるべき判断です。詳しい料金と条件は、与那国ホンダ公式サイト、与那国米浜レンタカー公式サイト、与那国観光WEBの交通アクセスで確認できます。
まとめ
与那国島の移動は、選択肢が少ないぶん段取りがそのまま旅の質になります。まずやることは1つ、航空券を確定させたらレンタカー会社に連絡を入れることです。到着便の時刻と返却したい時刻を伝えれば、営業時間や送迎の条件はその場で確認できます。日曜到着なら年中無休の会社、日帰りなら空港前の会社、連泊なら2日目以降の料金が下がる会社と、旅の形で選ぶ先が変わります。無料バスの時刻表もあわせて手元に置いておけば、車を借りない日の動き方まで組み立てられます。
※料金・時刻表・営業時間は変更される場合があります。台風などによる欠航・運休の可能性もあるため、最新の情報は各社・各機関の公式サイトでご確認ください。

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