与那国島の地図を開いて、まず戸惑うのが「どこに何があるのか、距離感がつかめない」という点ではないでしょうか。石垣島から飛行機で30分の小さな島なのに、観光マップには岬・断崖・展望台・集落の名前が散らばっていて、どの順番で回れば効率がいいのか読み取りにくいのです。
結論から言うと、与那国島の地図は「北の祖納・西の久部良・南の比川」という3つの集落の位置さえ覚えれば、あとは一本の一周道路に沿って考えるだけで頭に入ります。島の海岸線は27.49kmしかなく、県道216号与那国島線が島をぐるりと囲んでいるからです。目的地を「集落からどっち方向か」で覚えれば、カーナビがなくても迷いません。
この記事では、与那国島の地図を集落・玄関口・エリア別スポットの3層に分けて整理します。空港と久部良港という2つの入口の位置関係、東西の岬や断崖がどの海岸線に並んでいるのか、そして地図アプリには出てこない「ドローン禁止区域」や「道路上の牛と馬」まで、現地で迷わないための情報をまとめました。旅程を組む前の下準備として使ってください。
・与那国島の地図を「3つの集落+一周道路」で覚える方法
・空港と久部良港の位置関係と、それぞれから各スポットまでの所要時間
・西・東・南の各エリアに並ぶ見どころの並び順と駐車場事情
・地図アプリに表示されないドローン規制・放牧地の注意点
・半日/1日/2日でのルートの組み立て方
与那国島の地図は「3つの集落」で覚えると迷わない

与那国島は面積28.88km²、人口1,625人の島です(与那国町公式)。地図上では複雑に見えても、人が住んでいるのは3か所だけ。この3点を押さえると、島全体の構造が一気にシンプルになります。
祖納・久部良・比川は北・西・南に1つずつ並んでいる
与那国島の集落は、中央北部の祖納(そない)、西部の久部良(くぶら)、南部の比川(ひがわ)の3つです。町役場があるのは祖納で、島でいちばん大きな集落にあたります。
なぜこの3か所に分かれたかというと、島が200m級の山々を抱えた起伏の多い地形で、平地と港に適した入り江が限られているからです。地図を見ると、集落はいずれも海に面した低い場所にあり、その間を山越えの県道がつないでいることがわかります。
距離感の目安はこうです。祖納から久部良までは島の北岸〜西岸を走る道で、祖納から比川までは島の中央部を南下する道でつながっています。無料の与那国生活路線バスが、この3集落をむすぶ形で1日9本走っています(与那国町観光協会)。バスの停留所名を地図に落としてみると、「空港→祖納→比川→久部良港」という島の骨格がそのまま見えてきます。
実用的なコツとして、宿を取るときは「祖納なら飲食店と商店が多い」「久部良なら港と夕日が近い」「比川ならDr.コトー診療所のロケ地と静かな浜が近い」と、集落ごとの性格で選ぶと動線が短くなります。
海岸線27.49km|地図の縮尺を体で覚えるとルートが読める
与那国島の海岸線の長さは27.49kmです。都市部の感覚に置き換えると、山手線の内側をひと回りするより少し長い程度で、車なら1時間ほどで一周できる目安になります(一周時間は道路状況で変わるため、あくまで目安です)。
この「27.49km」という数字を覚えておく価値は大きいです。というのも、与那国島の観光マップはスポット名が大きく印刷されているぶん、実際の距離が体感しづらいからです。地図上で島の反対側に見える岬でも、実距離は10km台。「遠そうだから今日はやめておこう」と諦める必要はほとんどありません。
一方で、油断もできません。島の南東部は断崖沿いのアップダウンが続き、平坦な道ばかりではないためです。自転車で一周する場合は3時間程度が目安とされていて、車の3倍近い時間がかかります。レンタサイクルを選ぶなら、電動アシスト付きかどうかで難易度が変わります。
実用的なコツは、地図に「集落を出たらしばらく店がない」と書き込んでおくことです。給油と飲み物の補給は集落にいるうちに済ませるのが、この島での鉄則になります。
一周道路は県道216号の1本|曲がる回数が少ないから迷いにくい
与那国島を一周しているのは、沖縄県道216号与那国島線という1本の県道です。分岐が少なく、基本的に「島の外周をなぞる」だけなので、道を間違える場面はほとんどありません。
この構造は、旅行者にとって大きな安心材料です。信号がほぼなく、案内標識も主要スポットに絞られているため、地図を見るタイミングは「集落を出るとき」と「駐車場に入るとき」の2回で足ります。カーナビの目的地設定に慣れていない人でも、時計回りか反時計回りかを決めるだけでルートが完成します。
方向の決め方には意味があります。時計回り(空港→祖納→東崎方面)だと午前中に東側の断崖を回り、午後に西側へ抜けて西崎で夕日を見る流れになります。反時計回り(空港→久部良方面)なら、午前中に日本最西端を押さえて午後は東側でのんびり、という組み立てです。夕日を優先するなら時計回りが素直な選択になります。
与那国島は日本最西端に位置し、台湾までの距離は西崎から111km(与那国町観光協会)。石垣島からは約127km離れています。地図上では八重山の一部に見えても、石垣島から与那国島までの距離は、石垣島から西表島までよりずっと長いのです。「石垣島のついでに寄る島」ではなく、独立した目的地として日程を確保してください。
島の玄関口は空港と久部良港の2つ|入口の位置で初日の動きが変わる
与那国島に入る手段は飛行機とフェリーの2つで、到着する場所が島の別々の位置にあります。地図の上でこの2点を押さえておくと、到着直後の動きに迷いません。
与那国空港は島の中央北寄り|石垣から30分・那覇から1時間30分
与那国空港は島の中央北寄り、祖納集落の西側に位置します。石垣空港から飛行機で約30分、那覇空港からは約1時間30分です。
運航しているのは琉球エアーコミューター(RAC)で、予約は日本航空(JAL)が扱っています。便数は那覇⇔与那国島が1日2便、石垣島⇔与那国島が1日3便です(2026年3月時点・与那国町観光協会)。1日数便しかないため、乗り遅れると翌日まで待つことになります。
空港が島の中央寄りにあるおかげで、主要スポットまでの所要時間はどこも近いのが与那国島の特徴です。西崎までは車で15分、東崎までは20分、Dr.コトー診療所オープンセットのある比川までは20分。つまり空港を起点にすれば、どの方向へ出ても30分以内で目的地に着きます。
実用的なコツは、レンタカーを空港受け取りにしておくことです。島内の事業者は台数が限られているので、日程が決まった時点で各社の公式サイトから直接予約を入れておくと安心できます。ターミナルは2階建てで、2階の展望デッキから滑走路と東シナ海を見渡せます。
| 住所 | 〒907-1801 沖縄県与那国町与那国4350 |
| 電話番号 | 0980-87-2831 |
| アクセス | 石垣空港から飛行機で約30分、那覇空港から飛行機で約1時間30分 |
| 公式サイト | 公式サイト |
久部良港は島の西端|フェリーよなくにが着く海の入口
もう1つの玄関口が、島の西端にある久部良港です。石垣島とを結ぶフェリーよなくに(福山海運)は、この久部良港フェリーターミナルに発着します。
港が島の西端にあるということは、船で着いた場合は「日本最西端の西崎がすぐ目の前」という状態からスタートするということです。西崎までは車で約3分。逆に、東側の東崎や立神岩へは島を横断することになります。飛行機とフェリーでは、初日の動線がほぼ真逆になると考えてください。
ダイヤは石垣発が月曜日・木曜日の10:00、与那国発が火曜日・金曜日の9:00で、所要時間は約4時間です。石垣側の乗り場は八島フェリーターミナルで、離島航路が集まる石垣港離島ターミナルとは別の場所にあるので、当日は乗り場を取り違えないよう注意してください。乗船手続きは出港30分前までに窓口で済ませる必要があります。
久部良には日本最西端の郵便局・駐在所・保育園・小学校・中学校が集まっていて、港のまわりを歩くだけで「最西端の暮らし」が見えてきます。
| 住所 | 沖縄県八重山郡与那国町字与那国(久部良地区) |
| アクセス | 与那国空港から車で約15分(西崎まで車で約3分の位置) |
| 公式サイト | 公式サイト |
空港と港はどう行き来する?レンタカーと無料バスの使い分け
空港と久部良港の間の移動手段は、レンタカーか与那国生活路線バス、あるいはタクシーです。バスは乗車無料で、3集落をむすぶ形で1日9本走っています。
無料で乗れるのはありがたいのですが、名前のとおり島民の生活のために運行しているバスです。与那国町観光協会も「観光スポットへ行くには最寄りのバス停から歩く必要がある」と案内しています。東崎や立神岩といった海岸沿いの景勝地は、バス停から距離があります。
本数の面でも注意が必要です。1日9本ということは、1本逃すと次まで大きく待つ場面が出てきます。2026年4月1日からダイヤが変更され、空港からのアクセスは以前より便利になりましたが、それでも観光の足として使い切るのは難しいのが実情です。
実用的な使い分けはこうです。宿と集落の往復だけならバスで十分。岬や断崖を回るならレンタカーかレンタサイクル。荷物が多い到着日と出発日だけタクシーや宿の送迎を使う、という組み合わせが現実的です。なお当サイトは予約を受け付けていないので、車の手配は各社の公式サイトへ直接お問い合わせください。
| 行き先 | 与那国空港から | 島内での位置 | 駐車場 |
|---|---|---|---|
| ティンダバナ | 車で10分 | 祖納(北) | 有り(5台) |
| 西崎(いりざき) | 車で15分 | 久部良(西) | 有り |
| アヤミハビル館 | 車で約15分 | 島の内陸側 | 有り |
| 東崎(あがりざき) | 車で20分 | 島の東端 | 有り |
| Dr.コトー診療所オープンセット | 車で約20分 | 比川(南) | なし |
| 軍艦岩(サンニヌ台) | 車で約25分 | 島の南東部 | 公式に記載なし |
| 立神岩(たちがみいわ) | 車で約30分 | 島の南東部 | 展望台:数台可 |
※石垣島旅の教科書調べ。所要時間・駐車場はいずれも与那国町観光協会「与那国観光WEB」の各スポットページ掲載値(2026年8月時点)。実測ではなく公式公表値のみを集計しています。
石垣島側での移動手段もあわせて確認しておくと、乗り継ぎの計画が立てやすくなります。

西の端・久部良エリア|日本最西端は地図のどこにある?

与那国島の地図で多くの人が最初に探すのが、日本最西端の場所です。久部良集落の西側に突き出した岬、それが西崎(いりざき)です。
西崎(いりざき)は久部良港から車で約3分
西崎は与那国島の西端にある岬で、与那国空港から車で15分、久部良港からは車で約3分の距離にあります。岬には日本最西端の碑・灯台・展望台が建てられていて、日本で一番最後に沈む夕陽を見られる場所として知られています。
この場所が「最後に沈む」と言われる理由は単純で、日本の国土のなかで最も西にあるからです。太陽は東から西へ動くため、日没時刻がいちばん遅くなります。条件が良ければ、西の海の向こうに台湾の島影が見えることもあります。台湾までの距離は111kmです。
地形としては、最先端部が標高50m以上あり、周囲は断崖になっています。展望舎へは階段のほかにゆるやかなスロープも用意されていて、駐車場も整備されています。ベビーカーや足元に不安のある人でも上がりやすい構造です。
実用的なコツとして、日没前の30分は展望台が混み合います。駐車場の台数には限りがあるので、夕日を狙うなら日没の1時間前には到着しておくと落ち着いて場所を選べます。厳密な日本最西端は西崎の北北西約260mの海上にあるトゥイシという岩礁で、碑が立つ岬の先端とは少しずれている点も知っておくと面白いところです。
| 住所 | 沖縄県八重山郡与那国町字与那国(久部良地区) |
| アクセス | 与那国空港より車で15分、久部良港から車で約3分 |
| 駐車場 | 有り |
| 公式サイト | 公式サイト |
クブラバリは久部良集落の東側|地図の「割れ目」の正体
久部良集落の東側、県道沿いにあるのがクブラバリです。地図上では小さな点でしか示されませんが、実際には巨大な岩の割れ目が口を開けている場所で、駐車場も整備されています。
この場所が知られているのは、かつて人べらしのため妊婦をとばせたという悲話が語り継がれているためです。与那国島が人頭税に苦しんだ時代の記憶と結びついた場所で、島の歴史を知るうえで外せないスポットになっています。
西崎とセットで回りやすい位置関係なのもポイントです。久部良港から西崎までが車で約3分、クブラバリは集落の反対側なので、往復してもロスがほとんどありません。西崎で夕日を待つ前の時間帯に立ち寄る、という組み立てがきれいに決まります。
実用的な注意点として、割れ目のまわりには柵が十分にない箇所があります。写真を撮る際は足元から目を離さないこと、雨上がりで岩が濡れているときは縁に近づかないことを守ってください。
失敗しがちなパターン|夕日を見たあと、帰り道で真っ暗になる
西崎で夕日を見る計画には、見落とされがちな落とし穴があります。日没後の帰り道が想像以上に暗いことです。
原因は島の道路環境にあります。集落を出ると街灯がほとんどなく、県道は断崖沿いや牧草地の脇を通ります。都市部の夜道の感覚で運転すると、路肩の位置やカーブの先が読みにくく、緊張する時間が続きます。
対策は3つあります。1つ目は、宿を久部良や祖納に取り、夕日スポットからの移動距離を短くしておくこと。2つ目は、日没時刻を事前に調べ、逆算して行動すること。3つ目は、ヘッドライトを早めに点灯し、速度を落として走ることです。
もう1つ、夕日狙いの日は給油を済ませておくのが安全です。島内のガソリンスタンドは営業時間が限られるため、夕方以降に燃料計が気になる状態で走るのは避けたいところです。
与那国島は台風の影響を受けやすく、飛行機・フェリーとも欠航が出ることがあります。与那国町観光協会も来島前に最新情報を確認するよう案内しています。断崖の展望台は強風時に危険が増すため、荒天時の見学は控えてください。最新の運航状況・気象情報は公式でご確認ください。
東と南東の海岸線に景勝地が並ぶ|東崎・立神岩・軍艦岩
与那国島の見どころは、東から南東にかけての海岸線に集中しています。地図上では別々に見えても、実際は一周道路を走りながら順番に立ち寄れる並びです。
東崎(あがりざき)は断崖と牧場が同居する岬
東崎は与那国空港から車で20分、島の東端にある岬です。海面から約100mの高さに立ち上がった断崖絶壁で、先端には東埼灯台が立っています。駐車場も整備されています。
この場所の特徴は、断崖のすぐ手前まで牧草地が広がっていることです。一帯は東牧場になっていて、日本在来種の与那国馬や牛が放牧されています。柵越しではなく、同じ草地に立つ形で馬を見られる場所は国内でも限られます。
地図の読み方としては、東崎は「島でいちばん早く朝日が当たる側」と覚えておくと便利です。西崎の夕日と対にして、朝は東崎、夕方は西崎という組み立てにすると、1日の両端がきれいに埋まります。
実用的な注意点が1つあります。与那国町観光協会は2025年9月2日付で、東崎で牛による接触事故が発生していると告知しています。放牧されている動物は野生ではありませんが、近づきすぎると事故につながります。車から降りたら一定の距離を保ち、道路上に動物がいる場合は停車して通過を待ってください。
| 住所 | 沖縄県八重山郡与那国町与那国1219 |
| アクセス | 与那国空港より車で20分 |
| 駐車場 | 有り |
| 公式サイト | 公式サイト |
立神岩(たちがみいわ)は展望台が2か所ある
立神岩は島の南東部の海岸にそびえ立つ、与那国島のシンボルとされる岩です。与那国空港からは車で約30分の位置にあります。
地図を見るときに知っておきたいのは、立神岩を見る場所が1か所ではないという点です。与那国町観光協会によると、代表的なのは2か所。サンニヌ台の駐車場から約600mほど西に行ったところにある階段のある展望台と、そこからさらに約500m西にある、見下ろして眺める展望スポットです。
2か所で見え方が変わります。階段のある展望台からは岩を正面から見上げる構図に、もう一方からは海面と岩を俯瞰する構図になります。時間があるなら両方に立ち寄ると、同じ岩でまったく別の写真が撮れます。
実用面では駐車台数がネックです。展望台は数台、展望スポットは2台程度しか停められません。ツアーバスや他の旅行者と重なると待ちが発生します。回避策は、朝いちばんか夕方前を狙うこと。路上駐車は一周道路の見通しを悪くするため避けてください。
| 住所 | 沖縄県八重山郡与那国町字与那国 |
| アクセス | 与那国空港より車で約30分 |
| 駐車場 | 展望台:数台可 / 展望スポット:2台程度 |
| 公式サイト | 公式サイト |
軍艦岩(サンニヌ台)は波の音まで含めて見る場所
軍艦岩は、その名のとおり軍艦のような形をした岩で、与那国空港から車で約25分のサンニヌ台の海岸にあります。立神岩の展望台まで約600mという位置関係なので、2つはセットで回るのが自然です。
与那国町観光協会は、軍艦のような力強さと躍動感を感じられる場所と紹介しています。ここでの見どころは岩の形だけではありません。大きな音をたてて砕け散る波が間近に迫り、視覚と聴覚の両方で自然のスケールが伝わってきます。
地形の背景を補足すると、このあたりの海岸は隆起サンゴ礁が波と風に削られてできた造形が続きます。平らな岩畳のような地形が海に向かって張り出し、その先で波を受け止める構造になっているため、荒れた日ほど波しぶきが高く上がります。
実用的なコツとして、公式サイトには駐車場についての記載がありません。立神岩の展望台側に停めて歩く前提で計画すると確実です。岩畳は濡れると滑りやすく、柵のない縁もあります。サンダルではなく、底に溝のある靴で歩いてください。
東崎・立神岩・軍艦岩は、いずれも一周道路の東〜南東側に並んでいます。空港を出て時計回りに走れば、東崎→軍艦岩→立神岩の順に自然と通過します。逆走して行き来すると余計な距離が増えるので、地図に「東側は一筆書き」と書き込んでおくと迷いません。
祖納と比川|集落まわりで地図に印を付けたい3か所
岬めぐりだけで与那国島を終えるのはもったいない場所です。集落の近くにも、島の成り立ちや文化に触れられるスポットがまとまっています。
ティンダバナは祖納集落を見下ろす天然の展望台
ティンダバナは、与那国空港から車で10分の場所にある標高85mの天然の展望台です。祖納集落とナンタ浜、東シナ海を一望できます。
この地形は、サンゴが隆起し、その後の浸食によって削られてできたものです。切り立った崖の中腹に大きなくぼみができ、そこが展望台の役割を果たしています。人工の展望施設ではなく、島の地質そのものが展望台になっているわけです。
歴史の背景も濃い場所です。15世紀末の女酋長サンアイ・イソバの住居跡と伝わっていて、島の伝承を語るうえで欠かせない地名になっています。崖の下には島の祭事に使われる湧き水もあります。
実用面では駐車場が5台分と限られる点に注意してください。祖納集落から近いため、宿が祖納なら早朝に歩いて向かうという選択肢もあります。朝の光で祖納集落とナンタ浜を見下ろす時間帯は、人も少なく落ち着いて眺められます。
| 住所 | 〒907-1800 沖縄県与那国町野武原 |
| アクセス | 与那国空港より車で10分 |
| 駐車場 | 有り(5台) |
| 公式サイト | 公式サイト |
アヤミハビル館は世界最大級の蛾に会える町立施設
アヤミハビル館は、与那国空港から車で約15分の内陸側にある町立の展示施設です。営業時間は10:00-16:00、定休日は火・祭日・年末年始です。
展示の主役はヨナグニサン。地元でアヤミハビルと呼ばれる世界最大級の蛾で、与那国島の自然を象徴する存在です。生態や島の亜熱帯林との関わりが、標本と解説でまとめられています。
入館料は個人が大人500円・小人300円、5名以上の団体は大人400円・小人240円です。屋内施設なので、雨や強風で岬めぐりができない日の予定として組み込みやすいのも利点です。
実用的な注意点として、台風接近時は臨時休館することがあります。与那国町も2026年7月9日付で臨時休館の告知を出していました。荒天が予想される日に訪問予定を入れている場合は、当日の朝に公式情報を確認してから向かってください。駐車場は整備されています。
| 住所 | 〒907-1801 沖縄県八重山郡与那国町与那国2114 |
| 電話番号 | 0980-87-2440 |
| 営業時間 | 10:00-16:00 |
| 定休日 | 火・祭日・年末年始 |
| アクセス | 与那国空港より車で約15分 |
| 駐車場 | 有り |
| 公式サイト | 公式サイト |
Dr.コトー診療所オープンセットは比川浜の目の前
島の南、比川集落にあるのがDr.コトー診療所オープンセットです。与那国空港から車で約20分、営業時間は9:00-18:00で無休です。
ドラマ「Dr.コトー診療所」の撮影で実際に使われたセットがそのまま残されていて、待合室や入院室まで見学できます。管理しているのは比川共同売店で、入場料は大人(15歳以上)300円、10名以上の団体は200円です。島民は無料です。
地図上での位置づけも押さえておきましょう。目の前が比川浜で、ドラマに登場した天然のビーチです。つまり比川に来れば、ロケ地見学と浜辺の散策を徒歩圏で完結できます。空港から南へ下る道の終点、という覚え方が分かりやすいはずです。
実用面の注意は駐車場です。公式には「なし」と案内されています。比川集落の道は幅が広くないため、路上に停めて生活道路をふさぐことのないよう、集落内では慎重に運転してください。見学前後で比川浜を歩くなら、日差しを避けられる時間帯を選ぶと快適です。
| 住所 | 沖縄県八重山郡与那国町比川地区 |
| 電話番号 | 0980-87-2888 |
| 営業時間 | 9:00-18:00 |
| 定休日 | 無休 |
| アクセス | 与那国空港より車で約20分 |
| 駐車場 | なし |
| 公式サイト | 公式サイト |
地図アプリだけでは足りない|印刷された1枚を持つ理由
スマートフォンの地図があれば十分だと考えるのが普通ですが、与那国島に関しては、実は紙の地図が今も配られていることに意味があります。
実は、島の地図は「道」より「境界」を知るために要る
意外と知られていませんが、与那国島で地図が必要になる理由は、道に迷わないためではありません。一周道路は1本しかなく、道を間違える余地がほとんどないからです。
本当に必要なのは、「入っていい場所と、そうでない場所の境界」を知るためです。島には自衛隊の駐屯地があり、牧場があり、私有地があります。地図アプリはこれらを色分けして表示してくれるわけではありません。
たとえばティンダバナは、崖の上部が私有地にあたるため、展望台として整備された部分から先へは立ち入れません。牧場も同じで、放牧地に見えるからといって自由に入っていい場所ではありません。紙の観光マップには、こうした「見学できる範囲」が図示されていることが多く、現地での判断材料になります。
実用的なコツは、到着後に紙のマップを1枚もらい、車のダッシュボードに置いておくことです。同乗者が全体像を見ながらナビ役をすると、運転者はスマートフォンを見る回数を減らせます。
2026年7月14日からドローン禁止区域が1,000mに拡大された
地図アプリにいっさい表示されないのに、知らないと違反になってしまうのがドローンの飛行禁止区域です。
小型無人機等飛行禁止法の改正により、令和8年(2026年)7月14日から、対象施設の敷地又は区域及びその周辺おおむね1,000メートルの地域が飛行禁止区域になりました。従来は300メートルでしたから、範囲が一気に広がった形です(沖縄県警察)。
与那国島で対象になるのは、陸上自衛隊与那国駐屯地の久部良地区と祖納地区です。与那国町観光協会は、この改正により久部良一帯(最西端の西崎を含む)、祖納から比川周辺(Dr.コトー診療所を含む)、与那国空港周辺が規制の影響を受けると案内しています。島の主要スポットの多くが範囲に入る計算です。
対象は100g未満を含む全てのドローンで、電源を入れた時点で処罰の対象になる可能性があると告知されています。空撮を予定している人は、飛ばす前に与那国空港管理事務所へ問い合わせ、飛行可能なエリアと必要な手続きを確認してください。管轄は八重山警察署です。
道路に牛と馬がいる|地図に描かれない「動く障害物」
もう1つ、地図には描かれない要素があります。道路上の動物です。
与那国島では与那国馬や牛が放牧されていて、東崎周辺の一帯は東牧場になっています。放牧地と道路の境界はゲートで区切られている場所もありますが、動物が路上に出てくる場面はめずらしくありません。
与那国町観光協会は2025年9月2日付で、東崎において牛による接触事故が発生していると告知しています。カーブの先に動物がいる可能性を前提に速度を落とすこと、遭遇したら停車して通過を待つことが基本になります。クラクションで追い立てるのは逆効果です。
対策としては、東側の海岸線を走る区間では時速を控えめにし、車間ではなく前方の路肩を広く見る運転を心がけてください。夜間はさらに見えにくくなるため、日没後に東側を走る予定はできるだけ避けるのが安全です。
ドローンの飛行規制は法改正で範囲が変わったばかりです。過去の旅行記や古い地図に載っている「飛ばせた場所」の情報は当てになりません。飛行を計画している場合は、必ず最新の規制情報を公式でご確認ください。
半日・1日・2日|地図を使ったルートの組み立て方
ここまでの位置関係を踏まえて、滞在時間別の回り方を整理します。与那国島は小さいので、時間さえ決まればルートは自動的に決まります。
半日なら西側だけ|久部良エリアに絞る
フェリーの待ち時間や、飛行機の到着が午後になる日は半日プランです。この場合は西側だけに絞ります。
理由は移動時間の配分にあります。空港から西崎までは車で15分。往復30分ですから、残りの時間をすべて滞在に使えます。一方で東崎や立神岩まで足を延ばすと、往復だけで1時間近くを消費してしまいます。
具体的なルートはこうです。空港でレンタカーを受け取り、久部良集落へ向かってクブラバリを見学。そのまま港を通って西崎へ上がり、展望台で日本最西端の碑を確認します。日没の時間帯に当たるなら、そのまま夕日を待つ流れになります。
実用的なコツは、久部良で飲食する場合は営業時間を先に確認しておくことです。島の飲食店は営業時間が限られることが多く、夕方の空白時間帯に当たると選択肢がなくなります。
1日あれば一周できる|時計回りで組むのが素直
丸1日使えるなら、海岸線27.49kmの一周が現実的な目標になります。車での一周は1時間ほどが目安なので、残りはすべて滞在時間に回せます。
時計回りで組む理由は、光の向きと夕日です。午前中に東側の東崎・軍艦岩・立神岩を回れば、朝の光が海面に当たる時間帯に断崖を見られます。午後は南の比川でDr.コトー診療所オープンセットを見学し、夕方に西崎へ抜けて日没を迎える、という流れです。
途中に屋内施設を1つ挟むと、体力の配分が楽になります。祖納から南に向かう途中にあるアヤミハビル館は、10:00-16:00の営業なので午前から午後の早い時間に組み込むのが確実です。ティンダバナは祖納の近くなので、朝いちばんか一周の締めくくりに入れると動線が短くなります。
島を一周するドライブの考え方は、石垣島でも共通する部分があります。

失敗しがちなパターン|フェリーの曜日を勘違いして帰れなくなる
与那国島の旅程で起きやすいのが、帰りの足を取り違えるミスです。とくにフェリーは曜日が固定されているため、勘違いすると身動きが取れなくなります。
フェリーよなくにのダイヤは、石垣発が月曜日・木曜日の10:00、与那国発が火曜日・金曜日の9:00です。つまり「行きに乗った翌日が帰りの便」という組み合わせが基本で、日曜日に島を出ようとしても船はありません。
さらに、ドック入りや台風による欠航もあります。与那国町観光協会は2026年7月5日付で、フェリー乗船者向けにドック・台風による欠航がある旨を告知していました。飛行機も1日数便しかないため、船が欠航した日に空席がすぐ見つかるとは限りません。
対策は3つです。1つ目は、帰りの日程に予備日を1日確保しておくこと。2つ目は、フェリーで往復する予定でも、航空券の空席状況を出発前に把握しておくこと。3つ目は、乗船手続きが出港30分前までである点を守り、当日は早めに港へ入ることです。運賃は大人片道3,610円、往復なら6,860円(2週間有効)、小人片道1,810円、学割片道2,890円です(2026年2月現在・福山海運公式サイト)。
| フェリーで渡るメリット | フェリーで渡るデメリット |
|---|---|
| 運賃が飛行機より抑えやすい 荷物の量を気にしなくてよい 着いた場所が西崎のすぐ近く 島影が近づく航路の景色を楽しめる | 週2便で曜日が固定される 所要時間が約4時間かかる ドック入り・台風で欠航がある 石垣側の乗り場が離島ターミナルと別 |
与那国空港に到着し、予約したレンタカーを受け取る
時計回りに出発。東崎→軍艦岩→立神岩と東側の海岸線をたどる
比川で昼食と見学、夕方に西崎へ抜けて日没を待つ
八重山のほかの島でレンタカーを使う場合の勝手も、あわせて知っておくと計画が立てやすくなります。

まとめ|与那国島の地図は3集落と一周道路で完成する
まずやることは1つ。旅程の日付を決めたら、飛行機かフェリーかを先に確定させてください。空港から入るなら島の中央北寄りが起点、久部良港から入るなら西端が起点になり、初日の動線がまったく変わります。ここが決まれば、あとは時計回りか反時計回りかを選ぶだけで、与那国島の1日は組み上がります。
なお、料金・時刻表・営業時間は変更されることがあります。この記事の数値は2026年8月時点で各公式サイトが公表していた内容です。運航状況や施設の開館状況も含め、最新情報は与那国町観光協会や与那国町の公式サイトでご確認ください。

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