南ぬ島石垣空港に降りて、まず迷うのが「バスってどれに乗ればいいの?」という一点です。到着ロビーを出ると行き先表示にはいくつもの系統番号が並んでいて、しかも運行会社が2社ある。予備知識ゼロで立つと、5分は立ち止まってしまう場所です。
結論から書きます。石垣空港から市街地(石垣港離島ターミナル・バスターミナル)へ向かうバスは、東運輸(東バス)とカリー観光の2社・合計7系統。どれに乗っても運賃は550円で同じです。所要時間だけが27分〜40分と差がつきます。つまり選ぶ基準は「値段」ではなく「何分後に出て、何分で着くか」だけ。ここさえ押さえれば、乗り場で悩む時間はゼロになります。
この記事では、各系統の始発・最終・便数といった公式時刻表の数字、川平湾へ直行できる1日2便の存在、フリーパスが何往復から得になるのか、そして交通系ICが使えないという現地でつまずきやすい落とし穴まで、公式ソースの数値だけを使って整理しました。旅の初日と最終日を、慌てずに組み立てるための材料としてお使いください。
・空港から市街地へ向かう2社7系統の違いと、乗り場の位置
・系統ごとの所要時間・便数・始発と最終(2026年8月時点の公式時刻表)
・川平湾へ空港から直行できる1日2便の時刻と運賃
・フリーパス・往復乗車券が得になる条件と買える場所
・交通系ICが使えないなど、現地で慌てないための支払い準備
石垣島の空港バスは2社7系統|まず全体像をつかむ

空港のバス案内を見て混乱するのは、系統番号が飛び飛びに並んでいるからです。ですが行き先で分けると、実はたった3方向しかありません。ここを最初に整理しておくと、以降の判断がぐっと速くなります。
市街地方面は東バス6系統+カリー観光1系統の計7系統
石垣港離島ターミナル・バスターミナル方面へ向かうバスは、南ぬ島石垣空港の公式案内によると、東バスの系統2(西回り一周線)・系統4(平得・大浜・白保経由)・系統5と系統6(平野線)・系統10(アートホテル・ANA経由)・系統14(直行)の6系統、そこにカリー観光の系統55(直行バス)が加わって計7系統です。
なぜこんなに多いのかというと、東バスの島内路線の多くが空港を通り道にしているからです。一周線も平野線も空港を経由するので、結果として「空港から市街地に行けるバス」が増えています。ただし一周線や平野線は本数が少なく、旅行者が実際に使うのは系統4・系統14・系統10、そしてカリー観光の直行バスの4つに絞られます。
川平公園・米原方面へは東バスの系統11(米原キャンプ場線)、伊原間・平野方面へは系統5・系統6が空港に乗り入れます。つまり「市街地へ行く7系統」「川平へ行く1系統」「北部へ行く2系統」という3グループで覚えれば十分です。到着ロビーで案内板を見るときは、まず自分がどのグループなのかを決めてから系統番号を探すと、探す対象が一気に減ります。
どの系統に乗っても市街地までは550円で変わらない
石垣空港からバスターミナル、および石垣港離島ターミナルまでの片道運賃は、東バスの普通旅客運賃表で550円と定められています。距離はバスターミナルまで15.2kmです。系統4でも系統14でも系統10でも同じ550円で、直行便だから高いということはありません。カリー観光の直行バスも大人550円・小人280円なので、2社の間にも運賃差はありません。
この「どれに乗っても同額」という構造が、実は石垣空港のバス選びをシンプルにしています。本州の空港連絡バスだと直行のリムジンが割高で、路線バスが安いという構図が普通ですが、石垣島にはそれがない。だから純粋に「早く出るバス」「早く着くバス」を選べばよいわけです。
なお小人(6歳以上12歳未満)は大人運賃の半額、幼児(6歳未満)は大人1人につき1人まで無賃です。障害者手帳または障がい者手帳アプリ画面を提示すると大人運賃の半額になり、介助の方も同じく半額になります。カリー観光では大人身障者割引280円、小人身障者割引140円と金額で明示されています。運賃は2026年8月時点の公式サイト掲載額で、東バスの運賃表は令和7年4月1日改定版です。
バス乗り場は中央出入口を出て左側、タクシーは右側
南ぬ島石垣空港のバス乗り場は、国内線ターミナルの中央出入口を出て左側にあります。タクシー乗り場は同じ中央出入口を出て右側なので、「左がバス、右がタクシー」と覚えておけば迷いません。荷物を受け取ってから外に出るまでの動線上にあるため、遠回りは発生しません。
空港は白保エリアにあり、市街地からは離れた位置にあります。だからこそバスの本数と時刻を事前に把握しておく価値が高い場所です。ターミナルビル前の道路は降車専用で、見送り後は速やかに移動するよう空港側から案内されています。家族に送ってもらう場合は、この降車専用ルールを頭に入れておくと駐車場を探す手間が省けます。
| 住所 | 〒907-0242 沖縄県石垣市字白保1960番地104 |
| 駐車場 | あり(一般駐車場360台/うち身障者等用7台) |
| 公式サイト | 公式サイト |

交通系ICは使えない|現金かタッチ決済クレカを用意する
石垣島のバスで最も多いつまずきがここです。東バスの運賃支払いは、現金およびタッチ決済対応のクレジットカード(普通運賃清算のみ)に限られます。公式サイトには「各種交通系IC、Edy、WAON、タッチ決済非対応クレジットカードはご利用いただけません」と明記されています。SuicaやICOCAをかざしても反応しません。
カリー観光の直行バスも同じで、現金またはクレジットカードのタッチ決済のみ、交通系ICカードとQRコード決済は不可です。運賃は前払い制で、乗車時に支払います。高額紙幣は遠慮するよう案内されているため、高額紙幣しか持っていないと支払えない可能性があります。
対策は単純で、飛行機に乗る前に千円札と小銭を用意しておくことです。東バスは運賃箱にお釣りが出ないため、両替機で崩す必要があります。降車時に慌てて両替すると後続の乗客を待たせるので、座席に座った時点で両替を済ませておくのが現地の作法です。タッチ決済対応のクレジットカード(VisaのタッチやJCBコンタクトレスなど)が1枚あれば、この工程はまるごと省略できます。
石垣島の路線バスは事前予約制ではありません。裏を返すと座席の確保もできないということで、立ち席を含めて満席になった場合は乗車できず次のバスを待つことになります。大型連休やクルーズ船の入港日は、1本余裕を見た到着便で計画を立てておくと安心です。
主力は約30分間隔の系統4|朝6時台から夜21時台まで走る
7系統あるとはいえ、実質的な主力は系統4「平得・大浜・白保経由空港線」です。空港アクセスで迷ったら、まずこの系統の時刻を見るのが正解になります。
空港発は7:15から21:45まで、片道29便ある
系統4の空港発(バスターミナル行き)は7:15が始発で、21:45が最終です。1日29便が設定されており、日中はおおむね30分間隔で走っています。逆方向のバスターミナル発(空港行き)は6:30が始発で、21:00が最終。こちらも29便です。この本数は、離島路線を抱える地方空港のアクセスバスとしてはかなり手厚い部類に入ります。
なぜここまで本数があるかというと、系統4が空港連絡専用ではなく、平得・大浜・白保という生活エリアを通る通勤通学路線を兼ねているからです。だから朝晩も走り続けます。旅行者にとっては、夕方の便で島を離れる日も、夜遅い到着便の日も、バスという選択肢が残るということです。
数字は2026年8月時点の公式時刻表(令和8年3月改定版)に基づいています。実際に使うときは、自分の搭乗便の到着時刻に「荷物受け取り15分」を足した時刻より後の便を選ぶと、走らずに済みます。手荷物を預けていない場合は、到着後10分ほどで乗り場に立てます。
離島ターミナルまで32分、バスターミナルまで35分
系統4の所要時間は、石垣空港から石垣港離島ターミナルまで32分、終点のバスターミナルまで35分です。離島ターミナルとバスターミナルは3分しか離れておらず、公式の運賃表でも同一区界の指定停留所として扱われているため運賃も同じ550円です。
この32分という数字は、途中の白保・宮良・大浜・サンエー前などをすべて停まった上での所要時間です。渋滞がほぼ発生しない島なので、実際の到着時刻は時刻表どおりに動くことが多く、乗り継ぐ船の時刻から逆算する計画が立てやすいのが石垣島のバスの利点です。
宿がANAインターコンチネンタル石垣リゾートやアートホテル石垣島の場合は、系統10「アートホテル・ANAインターコンチネンタル経由空港線」を選ぶとホテル前まで直行できます。ただし系統10は空港発5便・空港行き5便と本数が絞られており、所要時間もバスターミナルまで40分と長めです。ホテル前に着ける利点と、待ち時間が長くなる欠点を天秤にかけて選んでください。
失敗パターン1: 早朝便で降りたのにバスがまだ走っていない
実際に起きやすいのが、朝一番の到着便でバスを待ってしまうケースです。系統4の空港発始発は7:15、カリー観光の直行バスに至っては9:20が始発で8時台は運行がありません。那覇からの早朝乗り継ぎ便で7時前に到着すると、バスは動いていない時間帯に当たります。
原因は、空港バスが観光客専用ではなく生活路線のダイヤで組まれていることにあります。通勤時間帯に合わせて動き出すため、始発が観光客の期待より遅いのです。対策は2つ。ひとつは到着便を8時以降にずらすこと、もうひとつは早朝到着ならタクシーを最初から予算に入れておくことです。
空港公式が示すタクシーの目安料金は、石垣港離島ターミナルまで25分・3,500円、ANA石垣リゾートまで20分・2,900円です。3人で割れば1人あたりの負担はバス代とそれほど変わりません。早朝・深夜の到着便を取るときは、この目安を頭に入れて判断すると迷いが減ります。
| 比較項目 | 系統4(各停) | 系統14(直行) | カリー観光55(直行) |
|---|---|---|---|
| 空港→離島ターミナル | 32分 | 27分 | 公式に記載なし |
| 片道運賃(大人) | 550円 | 550円 | 550円 |
| 空港発の便数 | 29便 | 7便 | 20便 |
| 空港発の始発/最終 | 7:15/21:45 | 10:15/17:45 | 9:20/18:50 |
| 途中バス停 | 全て停車 | 停車しない | 停車しない |
※石垣島旅の教科書調べ。東運輸およびカリー観光の公式時刻表・運賃表(2026年8月時点)から作成。実測や体験取材ではなく、各社公式の公表値のみを比較しています。
27分で着く直行便がある|系統14とカリー観光の使い分け

「石垣空港からのバスは30分以上かかる」と思い込んでいる人が多いのですが、途中バス停に一切停まらない直行便が2種類走っています。乗り継ぐ船の時刻が迫っているときは、この存在を知っているかどうかで結果が変わります。
系統14は途中バス停に停まらない1日7便の直行便
東バスの系統14「港経由空港線」は、公式時刻表に「港を経由し途中バス停には停車いたしません」と明記された直行便です。空港発は10:15・12:15・13:15・14:45・15:15・17:15・17:45の7便。石垣港離島ターミナルには10:42・12:42・13:42・15:12・15:42・17:42・18:12に着きます。所要時間は27分で、これが空港から離島ターミナルへの最短ルートです。
空港行きも同じく7便で、バスターミナル9:15発・11:15発・12:15発・13:45発・14:15発・16:15発・16:45発。石垣港離島ターミナルからは各5分後に出て、空港へは30分で到着します。上りより下りの所要時間が3分長いのは、空港構内へ入る導線の差によるものです。
使いどころは明確で、離島から戻る船が港に着いてすぐ空港へ向かいたいとき。竹富島や西表島から戻る高速船の到着時刻と、この7便の出発時刻を突き合わせておくと、待ち時間を最小にできます。逆に7便しかないので、時刻が合わなければ系統4に切り替える判断も必要です。
| 住所 | 〒907-0012 沖縄県石垣市美崎町1番地 |
| 電話番号 | 080-8382-8211 |
| 公式サイト | 公式サイト |
カリー観光の直行バスは毎時20分・50分発でわかりやすい
もうひとつの直行便が、カリー観光が運行する石垣空港〜石垣港離島ターミナル直行バスです。石垣空港発は9時台から18時台の毎時20分・50分(9:20〜18:50)、石垣港離島ターミナル発は8:30を皮切りに毎時00分・30分で18:00が最終。各方向20便が設定されています。
この「毎時20分・50分」という覚えやすさが最大の強みです。時刻表を開かなくても、時計を見て「あと何分で次が出るか」が即座にわかります。運賃は大人550円・小人280円で東バスと同額。支払いは前払いで、車内で現金またはクレジットカードのタッチ決済に対応しています。オンラインチケットや窓口購入の紙チケットによる事前購入も可能です。
注意点として、カリー観光は2026年7月12日に石垣路線バスの運行再開を告知しており、さらに2026年8月12日(水)からダイヤを変更すると2026年7月31日に発表しています。上記の時刻はダイヤ変更前のものなので、旅行日が8月12日以降なら必ず公式サイトで最新の時刻表を確認してください。また石垣では路線バスのみの運行で、貸切は運休中です。

荷物が多い日は直行便、時間に融通を利かせたい日は系統4
2つの直行便と系統4のどれを選ぶかは、その日の荷物量と時間の余裕で決まります。直行便は途中で乗り降りがない分、車内の入れ替わりが少なく、大きなスーツケースを持っていても落ち着いて乗っていられます。一方の系統4は途中停留所が多いため、乗客の乗り降りのたびに通路を空ける必要があります。
逆に系統4の強みは、市街地の手前で降りられることです。宿がサンエー前や大浜、白保にある場合、終点まで乗らずに最寄りのバス停で降りればそのまま宿へ歩けます。直行便では市街地まで運ばれてしまうので、そこから引き返す羽目になります。
もうひとつ、系統4は日中30分間隔なので「乗り遅れても30分後に次がある」という安心感があります。系統14は7便しかないため、1本逃すと1〜2時間空くこともあります。予定が読めない旅の初日は系統4、船の時刻が決まっている日は直行便、と使い分けるのが現実的です。
| 直行便(系統14・カリー観光)のメリット | 直行便のデメリット |
|---|---|
| 最短27分で離島ターミナルに着く 途中の乗降がなく荷物を置きやすい カリー観光は毎時20分・50分発で覚えやすい 運賃は各停と同じ550円 | 系統14は空港発7便のみで時刻が合いにくい 市街地手前の宿には降りられない カリー観光は8時台の空港発がない 1本逃すと待ち時間が長くなりやすい |
実は川平湾へ空港から直行できる|ただし1日2便だけ
意外と知られていないのですが、石垣空港から川平方面へは市街地を経由せず直接向かうバスが走っています。ガイドブックには「川平へは市街地で乗り換え」と書かれていることが多く、この直行便を見落としたまま遠回りしている人が少なくありません。
系統11なら空港12:15発・15:00発で川平公園前へ42分
東バスの系統11「米原キャンプ場線」は、石垣空港から川平公園・クラブメッド・石垣シーサイドホテル方面へ直接運行する路線です。東運輸の公式案内にも「石垣空港から川平方面まで直接運行している系統11 米原キャンプ場線が便利です」と記載されており、空港発は12:15と15:00の2便です。
12:15発の便は、サッカーパークあかんま12:30、富野12:35、米原ヤシ林入口12:37、荒川12:41、仲筋12:47、川平郵便局前12:56を経て、川平公園前に12:57着。15:00発の便は同じ経路で川平公園前に15:42着です。いずれも所要時間は42分で、そのまま先へ進むとクラブメッドを経由してバスターミナルへ向かいます。
この路線は空港の北側から島の西海岸へ抜けるルートを取るため、市街地を経由しません。だから距離のわりに時間がかからないのです。空港到着が午前中の便で、その日のうちに川平湾を見てから宿に入りたい人にとっては、荷物を持ったまま最短で移動できる貴重な選択肢になります。
運賃は860円|市街地で乗り換えるより時間も手間も減る
石垣空港から川平公園前までの運賃は860円です。市街地まで550円かけて出てから川平リゾート線に乗り換える場合と比べると、乗り換えの手間がなくなるうえ、待ち時間もゼロになります。荷物を持って一度バスターミナルで降り、別の乗り場を探して並び直す工程が丸ごと消えるのは、旅の初日には大きな差です。
ただし川平公園前のバス停から川平湾の展望地点まではやや歩きます。到着後すぐに海を見たい場合は、降車後の徒歩時間も見込んでおいてください。なお川平湾は遊泳が禁止されているエリアで、海に入る前提で計画を立てるとあてが外れます。
川平方面から空港へ戻る便については、系統11の空港行きの設定が限られています。帰りは市街地のバスターミナル経由になることを前提に、余裕を持った時間で動くのが安全です。フライトの時刻が決まっている日の午後に川平から空港へ直行しようとするのは、避けたほうが無難な組み立てです。
この2便を逃したときの現実的な代替ルート
12:15と15:00を逃した場合は、まず空港から系統4か直行便で市街地のバスターミナルへ出ます。そこから川平方面へは系統9(川平リゾート線)、系統7(吉原線)、系統8(西回伊原間線)、系統2(西回一周線)が出ており、いずれも川平公園を通ります。乗り継ぎになるぶん時間はかかりますが、選択肢は複数あります。
もうひとつの手が、初日は市街地に泊まって翌日に川平へ向かう組み立てです。石垣島は宿泊施設が市街地に集中しているため、初日を市街地泊にすると空港からの移動が550円で完結し、翌日はフリーパスで川平まで足を伸ばせます。時間帯に縛られない分、天気を見てから行き先を決められる利点もあります。
3人以上のグループなら、川平公園までタクシーという手もあります。空港公式が示す目安は40分・5,600円。3人で割ればバス3人分との差は小さくなり、荷物を持って乗り換える手間がなくなります。玉取崎展望台までは25分・3,600円、平久保崎までは45分・7,100円が目安として公表されています。
空港到着後、中央出入口を出て左側のバス乗り場へ(徒歩1分)
12:15発または15:00発の系統11に乗車(運賃は降車時に精算)
42分後、川平公園前に到着(12:57着/15:42着)
フリーパスは何往復から得になるのか|きっぷ3種の損益分岐
東バスには旅行者向けの割引きっぷが複数あります。どれも1,000円前後で似て見えますが、有効期間と使える範囲がまるで違います。ここを取り違えると、せっかく買ったのに使い切れないという結果になります。
1日フリーパス1,000円は空港往復だけでほぼ元が取れる
東バスの1日フリーパスは大人1,000円・小人500円で、全路線バスが乗り放題になります。名称は「1日」ですが、公式には「購入した日の時間から24時間」有効と定められています。つまり15時に買えば翌日15時まで使えるということで、暦の日付が変わっても有効です。
損益分岐はわかりやすく、空港⇔市街地の片道が550円なので、往復すれば1,100円。この時点で1,000円のフリーパスのほうが安くなります。さらに市街地から川平へ足を伸ばしたり、途中のスーパーに寄ったりすれば、差はどんどん開きます。到着日にフリーパスを買って、翌日の午前中まで使い切るのが最も効率的な使い方です。
購入はバスターミナル窓口または全ての路線バス車内で可能です。空港に着いてバスに乗る際、その場で運転士から買えるので、事前手配は要りません。ただし定期観光バスには乗車できない点だけ注意してください。

往復乗車券1,000円との違いは「途中で寄り道できるか」
紛らわしいのが、同じ1,000円の「石垣空港⇔石垣港離島ターミナル往復乗車券」です。こちらは大人1,000円・小人500円で、石垣空港から石垣港離島ターミナルまたはバスターミナルまでの往復に限定された割引乗車券。片道550円なので、往復で100円分だけ安くなる計算です。
1日フリーパスと値段が同じなのに、使える範囲は往復乗車券のほうが狭い。ならばフリーパス一択かというと、そうでもありません。往復乗車券には有効期限の縛りが公式に示されていないため、初日と最終日で1枚ずつ使うという使い方ができます。24時間で切れるフリーパスでは、これができません。
判断の目安はこうです。滞在中にバスで観光地を回るなら1日フリーパス。空港と市街地の往復だけで、あとはレンタカーや徒歩で動くなら往復乗車券。旅程の骨格が決まっていれば、迷わず選べます。購入場所はバスターミナル窓口および空港線の路線バス車内です。
3日以上バスで動くならみちくさフリーパス2,000円
滞在が長く、バスを主力の移動手段にするなら「みちくさフリーパス(3日間フリーパス)」が用意されています。大人2,000円・小人1,000円で、全路線バスが3日間乗り放題。1日フリーパスを3日ぶん買うより1,000円ぶん安くなる計算です。
3日あれば、川平方面、北部の平久保方面、市街地の買い出しと、島の主要エリアをバスだけで回れます。レンタカーを借りない旅であれば、このパスが移動費の上限を決めてくれるので予算が読みやすくなります。購入はバスターミナル窓口および全ての路線バス車内で、こちらも定期観光バスは対象外です。
もうひとつ、金券タイプの「無記名乗車券(シート券)」もあります。1,100円分のお得な金券で、100円・50円・10円券の「大」と、100円券のみの「ロング」の2種類。現金と併用できますが、販売はバスターミナル窓口のみなので、空港到着時にすぐ手に入れることはできません。
どこで買えるか|車内で買えるものと窓口限定のもの
きっぷ選びで最後に効いてくるのが購入場所です。1日フリーパスとみちくさフリーパスは、バスターミナル窓口に加えて全ての路線バス車内で購入できます。往復乗車券はバスターミナル窓口と空港線の路線バス車内。無記名乗車券と定期券・回数券はバスターミナル窓口のみです。
つまり空港に着いた時点で買えるのは、1日フリーパス・みちくさフリーパス・往復乗車券の3種類。空港に着いてから決めても間に合います。逆に無記名乗車券が欲しい場合は、一度バスターミナルまで出る必要があります。
バスターミナルの東バス窓口は8:00〜17:00の営業です。夕方以降に到着した日は窓口が閉まっている可能性があるため、その日は車内で買えるきっぷを選ぶ、と決めておくと空振りしません。
| 住所 | 〒907-0012 沖縄県石垣市美崎町3 |
| 電話番号 | 0980-87-5423 |
| 営業時間 | 8:00〜17:00(東バス窓口営業時間) |
| 公式サイト | 公式サイト |
| 比較項目 | 1日フリーパス | 空港往復乗車券 | みちくさフリーパス |
|---|---|---|---|
| 大人料金 | 1,000円 | 1,000円 | 2,000円 |
| 小人料金 | 500円 | 500円 | 1,000円 |
| 有効範囲 | 全路線バス | 空港⇔港・BTの往復 | 全路線バス |
| 有効期間 | 購入時から24時間 | 公式に記載なし | 3日間 |
| 車内購入 | 全路線バスで可 | 空港線の車内で可 | 全路線バスで可 |
現地で慌てないための注意点|支払いと満席の落とし穴
運賃と時刻を押さえても、支払い方法と乗車ルールでつまずくと結局バスに乗れません。ここは事前に知っておくだけで完全に回避できる部分です。
失敗パターン2: 交通系ICを出して支払えず、両替に手間取る
降車時に運賃箱の前でSuicaをかざし、反応せず慌てる。石垣島のバスでよく見る光景です。東バスもカリー観光も交通系ICカードには対応していません。カリー観光はQRコード決済も不可です。都市部の感覚のまま乗ると、降車の列を止めることになります。
原因は決済インフラの導入経緯にあります。八重山エリアの路線バスと船舶は、交通系ICを飛ばしてクレジットカードのタッチ決済を導入する形を取りました。だからVisaのタッチやJCBコンタクトレスは使えるのに、SuicaやPASMOは使えないという、本州とは逆の組み合わせになっています。
対策は、タッチ決済対応のクレジットカードを財布の取り出しやすい場所に入れておくこと。それがなければ千円札と小銭です。東バスの運賃箱はお釣りが出ないため、両替機で崩してから運賃を入れます。なお東バスのタッチ決済は普通運賃の清算のみに対応しており、フリーパスの購入には使えない可能性があるため、きっぷを買うなら現金を用意しておくのが確実です。
満席だと乗れない|予約制ではないという意味を正しく知る
石垣島の路線バスは事前予約制ではありません。これは「予約しなくていい」という気楽な話であると同時に、「席を確保できない」という意味でもあります。東運輸の公式サイトには、立ち席を含む席が満席の場合は乗車できないため次のバスを利用するよう明記されています。
混みやすいのは、大型連休や夏休みの到着便が集中する時間帯、そしてクルーズ船が石垣港に入港した日です。大きなスーツケースを持った乗客が多いと、車内の実効定員はさらに下がります。系統14やカリー観光の直行便は本数が限られるため、乗れなかったときの待ち時間が長くなりがちです。
対策はシンプルで、船や航空便の時刻から逆算して「1本前のバス」を目指すこと。系統4なら30分間隔なので、1本前を狙っても最悪30分の余裕が生まれるだけです。乗り継ぐ船の出港時刻が決まっている日は、この30分がそのまま保険になります。
ダイヤ改正と運休情報は出発直前にもう一度確認する
石垣島のバスダイヤは、思っているより頻繁に動きます。カリー観光は2026年7月12日に石垣路線バスの運行再開を告知し、2026年7月31日には2026年8月12日からのダイヤ変更を発表しました。東バスの系統4は令和8年3月改定版、系統10は令和8年7月改定版の時刻表が使われています。
加えて石垣島は台風の通り道です。台風接近時には路線バスの運行が変更・運休になる可能性があり、東運輸の公式サイトにも「台風接近時の路線バス運行について」という案内が常設されています。夏から秋に旅行する場合、この情報は必ず確認しておく項目です。
確認先は東運輸の公式サイト(路線バス案内・各種乗車券のご案内)と、カリー観光の石垣路線バスのページ。どちらもダイヤ変更や運行状況をお知らせ欄で告知しています。旅行の1週間前と、出発前日の2回見ておけば、変更を見落とすことはほぼありません。
この記事の時刻・運賃は2026年8月時点で各社公式サイトに掲載されていた内容です。カリー観光は2026年8月12日からダイヤを変更すると発表しているほか、台風接近時は路線バス・離島航路ともに運休の可能性があります。最新の運行状況・気象情報は必ず東運輸の公式サイトとカリー観光の公式サイトでご確認ください。
旅のスタイル別|バス・タクシー・レンタカーの使い分け
ここまで読んで「そもそもバスでいいのか」と迷っている人向けに、旅のタイプ別の判断基準を整理します。石垣島は移動手段の向き不向きがはっきり分かれる島です。
離島めぐりが主目的なら、バスだけで完結する
竹富島・西表島・小浜島など離島に渡るのがメインなら、石垣島側での移動は空港⇔離島ターミナルの往復だけです。この区間はバスが最も充実しており、系統4が29便、カリー観光が20便、系統14が7便と、日中はほぼ待たずに乗れます。レンタカーを借りても、離島に渡っている間ずっと駐車場に置いておくことになります。
費用面でも差は明確です。空港往復だけなら往復乗車券1,000円で完結します。石垣港離島ターミナルは待合いロビーが1,509平方メートル・200席あり、テナントも21店舗入っているので、船を待つ時間の過ごし方にも困りません。銀行ATMやコインロッカー、展望デッキもそろっています。
宿を市街地に取れば、夜の食事も徒歩圏で完結します。離島メインの旅なら、レンタカーを借りない選択のほうが合理的です。
3人以上・早朝深夜の到着ならタクシーが現実的
バスが動いていない時間帯や、人数が多い場合はタクシーが選択肢になります。南ぬ島石垣空港が公表しているタクシー料金の目安は、石垣港離島ターミナルまで25分・3,500円、ANA石垣リゾートまで20分・2,900円、川平公園まで40分・5,600円です。
3人で離島ターミナルまで乗れば、1人あたりの負担はバス運賃の2倍前後に収まります。荷物を持って時刻表に合わせる手間が消えることを考えると、悪くない選択です。タクシー乗り場は中央出入口を出て右側にあります。
特に7時前や21時以降の到着便では、バスの時間が合わない可能性が高くなります。系統4の空港発最終は21:45なので、それ以降に到着する便ならタクシーを前提に組み立ててください。
島を広く回るならレンタカー|ただし空港駐車場の料金は把握しておく
北部の平久保崎や玉取崎展望台まで足を伸ばしたい、複数のビーチを回りたいという旅ならレンタカーが向いています。バスの北部路線は本数が少なく、待ち時間が長くなるためです。
マイカーやレンタカーで空港へ送迎する場合に知っておきたいのが、空港の一般駐車場の料金です。収容台数は360台(うち身障者等用7台)で、普通車は入場後1時間ごとに100円、30分未満の利用は無料。1日最大(9時間から24時間まで)は1,000円です。24時間を超える場合は1時間あたり料金と1日最大料金の繰り返しになります。二輪車は無料で、支払方法は現金のみです。
身体障害者手帳・戦傷病者手帳・被爆者健康手帳・精神障害者保健福祉手帳をお持ちの方は利用料金が半額になります。割引を希望する場合は、駐車場内のガードマンボックスで駐車券と手帳を提示してください。

まとめ|石垣島の空港バスは「550円・30分間隔」を軸に組み立てる
石垣空港のバス選びは、運賃がどれも550円で横並びだからこそ、迷う要素が「時刻」だけに絞られます。まずは自分の到着便の時刻をメモして、系統4の30分間隔のダイヤに当てはめてみてください。荷物の受け取りに15分を見れば、乗るべき便は自動的に決まります。船に乗り継ぐ日だけ、系統14やカリー観光の直行便の時刻を追加で確認すれば十分です。
なお本記事の時刻・運賃は2026年8月時点で東運輸・カリー観光・南ぬ島石垣空港の各公式サイトに掲載されていた値です。ダイヤは改定されることがあり、台風接近時には運休の可能性もあるため、出発前に必ず東運輸の各種乗車券のご案内や南ぬ島石垣空港のバス・タクシー案内で最新情報をご確認ください。

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