「黒島研究所って、石垣島から日帰りで行けるの?」「船を降りてから研究所までどうやって移動するの?」。黒島はタクシーも路線バスもない島なので、行き方と帰りの船の時間を決めないまま出発すると、港と研究所のあいだで時間を持て余したり、最終便に追われたりしがちです。
先に結論をお伝えすると、黒島研究所は石垣港離島ターミナルから高速船で約25~30分の黒島港に着き、そこから自転車で15分ほどの場所にあります。開館は9:00~17:00で年中無休、入館料は大人800円・小中学生500円・未就学児無料です(2026年10月時点の公式情報)。船は2社合わせて石垣発1日6便あるので、朝の便で渡って午後の便で戻れば、研究所と島の見どころを半日で無理なく回れます。
この記事では、研究所の展示内容と料金、2社の船の時刻と運賃、港から研究所までの移動手段、半日・1日のモデルプラン、そして「野生のウミガメに会えるのか」という疑問まで、現地で迷わないための段取りを数字でまとめました。
・黒島研究所の展示内容、入館料、開館時間、ナイトガイドの条件
・石垣島から黒島へ渡る2社の時刻表と運賃(2026年10月時点)
・黒島港から研究所までの約2kmを移動する手段と料金
・研究所とセットで回る半日・1日プランと、昼食・帰りの船の注意点
黒島研究所はどんな施設?ウミガメの研究所が観光スポットになった理由

NPOが運営する、50年以上続く海の研究拠点です
黒島研究所は、NPO法人日本ウミガメ協議会付属の研究施設です。公式サイトは自らを「主にウミガメの研究をしている」「小さな博物館&水族館的な施設」と紹介していて、研究所でありながら一般の見学を受け入れているのが特徴です。
成り立ちをたどると、前身の八重山海中公園研究所が1973年に設立され、石西礁湖の海中公園区域の管理と利用のために調査を続けてきました。その後、運営主体の財団が2002年に役割を終えたあとも存続を望む声が多く、日本ウミガメ協議会が活動を引き継ぎ、2004年に今の「黒島研究所」という名前になっています。
公式サイトによると、現在のところ公共からの支援はなく、NPOが自力で研究所を維持しています。入館料は展示を見るための料金であると同時に、ウミガメ調査を続けるための資金にもなっていると考えると、800円の重みが少し変わって見えるはずです。
訪問前に公式サイトの黒島研究所トップページを一度開いておくと、開館情報とアクセスが1ページで確認できます。
| 住所 | 〒907-1311 沖縄県八重山郡竹富町黒島136 |
| 電話番号 | 0980-85-4341 |
| 営業時間 | 9:00~17:00 |
| 定休日 | 年中無休 |
| アクセス | 黒島港から約2km(徒歩30分、自転車15分) |
| 公式サイト | 公式サイト |
展示は「資料展示室」と「生物飼育室」の2部屋構成です
見学できるのは、資料展示室と生物飼育室の2つの常設展示スペースです。公式サイトの説明では、資料展示室にはウミガメの剥製、貝やサンゴの標本、ハーリー船、民具、さらにH2Aロケットの破片まで並んでいます。生物飼育室では熱帯魚やハブ、ヤシガニなど、黒島周辺で見られる生き物が飼育展示されています。
ウミガメの剥製と生きた生き物の両方を見られるので、「水族館ほど大きくはないけれど、島の自然を1か所で見渡せる場所」とイメージしておくとギャップがありません。研究所のサンゴ標本は国内でも屈指のコレクションとされ、その一部を資料展示室で見られます。
展示を見る順番に決まりはありませんが、先に資料展示室でウミガメの種類や島の文化を頭に入れてから生物飼育室へ向かうと、目の前の生き物がどんな環境で暮らしているのかがつながりやすくなります。民具の展示は黒島の暮らしを知る手がかりになるので、島内の集落を自転車で回る前に見ておくと、赤瓦の家並みや行事の話が理解しやすくなります。
ウミガメの給餌体験は、飼育室入口で餌を買う方式と紹介されています
旅行情報サイトのたびねすでは、黒島研究所でアオウミガメ、アカウミガメ、タイマイなどを飼育・見学でき、生物飼育室入口にあるガチャガチャで餌を購入して給餌できると紹介されています。研究所の公式サイトには給餌の方法や餌の料金が掲載されていないため、この記事では料金を書かず、現地での案内に従う前提でお伝えします。
この方式の良いところは、時間指定のショーではないので、自分の到着時刻に合わせて体験できる点です。一方で、餌の用意や生き物の状態によって内容が変わる可能性もあるため、「給餌が目的」の場合は当日の現地案内を確認してから楽しみにしておくのが安全です。
餌を買う場面に備えて、小銭を少し用意しておくと慌てずに済みます。黒島港の船の窓口も現金払いのみなので、島に渡る時点で現金を持っておくのが黒島での基本の段取りです。
研究所の公式サイトに駐車場の案内はなく、黒島港から研究所までは港周辺で借りる自転車が基本の移動手段です。石垣島でレンタカーを使う人は、離島ターミナル周辺に車を停めてから高速船に乗る段取りになります。
展示の裏側には40年以上の調査データがあります
研究所の価値は展示室だけではありません。公式サイトによると、黒島の西の浜では1978年からウミガメの産卵調査を続けていて、これは日本で3番目、沖縄県では一番長い歴史を持つ調査です。
この長期データから、八重山諸島ではアカウミガメの産卵が減り、アオウミガメが増えたことが明らかになっています。さらに、2009年から黒島海域にいるアオウミガメの数を調べていて、この10年で200頭から400頭に増えたという結果も公開されています。
展示を見ながら「このウミガメは、どこから来たんだろう」と思ったら、公式サイトの増えるアオウミガメのページを読むと答えが見つかります。八重山で見つかるアオウミガメは、日本生まれと海外生まれがほぼ同じ割合だと紹介されています。現地で見た展示とこうしたデータが結びつくと、30分の見学が「海の今」を知る時間に変わります。
黒島研究所の入館料・開館時間とナイトガイド(2026年10月時点)
入館料は大人800円・小中学生500円・未就学児無料です
公式サイトに掲載されている入館料は、大人800円、小中学生500円、未就学児無料です。旅行サイトの中には大人500円と書かれた古い情報も残っているので、予算を組むときは公式の金額で考えておきましょう。
料金区分がシンプルなので、家族旅行でも計算しやすいのが助かるところです。たとえば未就学児は無料なので、小さな子ども連れなら大人と小学生の人数分だけを見込めば足ります。
ナイトガイドなどの有料メニューと入館料は別の料金です。下の表に、2026年10月時点で公式に確認できた料金をまとめました。
| 項目(2026年10月時点) | 料金・内容 | 補足 |
|---|---|---|
| 入館料(大人) | 800円 | 中学生以上の扱いは公式で確認 |
| 入館料(小中学生) | 500円 | ― |
| 入館料(未就学児) | 無料 | ― |
| 開館時間 | 9:00~17:00 | 年中無休 |
| ナイトガイド | 一人3,000円 | 原則2名以上・当日連絡 |
出典:黒島研究所公式サイト、活動紹介(ガイドサービス)(2026年10月時点)
開館は9:00~17:00の年中無休、閉館時刻と船の時刻を並べて考えます
開館時間は9:00~17:00で、年中無休です。公式の黒島Q&Aでも「年中無休で開館しています」と案内されていて、曜日を気にせず予定を組めるのは離島の施設としては心強いポイントです。
ただし、黒島では帰りの船が研究所の閉館時刻とほぼ同じ時間帯に出ます。黒島発の最終便は八重山観光フェリーが17:10、安栄観光が16:40です(2026年10月時点)。研究所から港までは自転車で15分ほどかかり、自転車の返却や乗船券の購入もあるので、閉館ぎりぎりまで研究所にいる計画は立てないのが基本です。
研究所の見学時間について公式の目安は出ていませんが、2つの展示室を見て給餌も楽しむなら、1時間ほどを見込んでおくと気持ちに余裕が生まれます。午後に訪ねる場合は、16:00より前に研究所を出ると最終便まで落ち着いて動けます。
ナイトガイドは一人3,000円、研究員と夜の西の浜まで歩きます
黒島研究所には、夜の生き物を観察するナイトガイドがあります。公式サイトによると、研究所から西の浜まで約4kmを歩き、観察できた生き物について研究員が話してくれる内容で、ガイド料は一人3,000円です。
開催は原則2名以上からで、天候や研究員の都合があるため、希望する人は当日に連絡するよう案内されています。産卵シーズン中はウミガメの産卵に挑戦したい人向けにもナイトガイドを行っていますが、荒天や研究員の都合で開催できない場合があると明記されています。
夜に行われる以上、日帰りでは参加できません。黒島には民宿が7件あるので、ナイトガイドを狙うなら島に1泊するのが前提です。どんな生き物に出会えるかは「その時しだい」と公式も書いているので、「ウミガメが必ず見られるツアー」ではなく、夜の島の生き物全体を知る時間として楽しむのが合っています。
団体見学や研修も受け入れています
個人の見学だけでなく、黒島研究所は小学校の遠足、中高校の修学旅行、社会人研修、ツアーなどの団体も受け入れています。黒島の生物や文化についての講義や、ウミガメ調査体験なども行っていると公式サイトに書かれています。
さらに、大学生向けにインターンシップや学芸員実習の受け入れもあり、期間は2週間以上、施設使用料として1日1,500円が必要です。研究所のスタッフと同じように来客対応や標本作製、フィールドワークを学べる内容で、ウミガメの研究に関心がある学生にとっては貴重な入り口になっています。
団体や研修での利用は、日程や内容の調整が必要になるため、公式サイトの問い合わせ先から早めに相談するのが確実です。修学旅行の行程に組み込む場合は、船の便数が限られる点もあわせて検討しておきましょう。
石垣島から黒島へ、船は1日6便のどれに乗る?

2社合わせて石垣発1日6便、所要は約25~30分です
黒島へは、石垣港離島ターミナルから八重山観光フェリーと安栄観光の2社が高速船を出しています。2026年10月時点の公式時刻表では、各社1日3便ずつ、合わせて石垣発1日6便です。所要時間は2社とも約25~30分と案内されています。
| 運航会社(2026年10月時点) | 石垣発 | 黒島発 |
|---|---|---|
| 八重山観光フェリー | 08:30/11:45/16:30 | 09:10/12:25/17:10 |
| 安栄観光 | 08:00/13:30/16:00 | 08:40/14:10/16:40 |
出典:八重山観光フェリー 運航時刻表(2026年10月1日~2027年2月28日ダイヤ)、安栄観光 石垣⇔黒島 時刻表(2026年10月時点)
表の「黒島発」は黒島港を出る時刻で、石垣発の便が黒島に着く時刻ではありません。ここを読み違えると帰りの計画がずれるので、時刻表を見るときは両方向の出港時刻が並んでいると覚えておきましょう。八重山観光フェリーの時刻表は期間ごとに改定され、天候や潮の干満で時間が多少変わることもあると注記されています。
運賃は2社とも大人片道1,850円・往復3,590円です
2026年10月時点の運賃は、八重山観光フェリーも安栄観光も同じで、大人片道1,850円、大人往復3,590円、小人(小学生)片道950円、小人往復1,840円です。どちらの金額も燃料油価格変動調整金を含んだ額で、調整金は燃料価格によって変わる場合があります。
大人は中学生以上、小人は小学生の区分です。未就学の子どもは、大人1名につき1名がひざ上なら無賃で、席を用意する場合は小人料金になります。
往復で買うと片道を2回買うより安くなるので、日帰りなら往復券が基本です。ただし往復券は同じ会社の便で使うものなので、帰りの便をもう一方の会社にしたい場合は片道ずつ買う必要があります。帰りの時間がまだ決まっていないなら、行きの便と同じ会社の帰りの便の時刻を先に確認してから往復券を買うと迷いません。
運賃の最新情報は八重山観光フェリーの運賃表で確認できます。
乗船券は石垣港離島ターミナルで買い、黒島港では現金を用意します
乗船券は石垣港離島ターミナルの各社窓口で購入します。安栄観光の案内では、石垣港では現金のほかクレジットカードや電子マネー、交通系、QR決済が使える一方、黒島港は現金のみです。帰りの乗船券を黒島港で買うつもりなら、現金を残しておきましょう。
ターミナルまでのアクセスや駐車場、各航路の乗り場の位置は、別記事で詳しくまとめています。空港から直接港に向かう人や、レンタカーをターミナル周辺に停めてから黒島に渡る人は、先に読んでおくと当日の動きがスムーズです。

石垣島の旅で最初に「どこへ行けばいいのか分からない」となりやすいのが、離島ターミナルです。飛行機を降りてスマホで検索すると、フェリー会社が2社出てきて、駐車場も…
八重山観光フェリーの時刻表には「チケットはオープンで、好きな時間を選べる」旨の注記があります。同じ会社の便であれば、帰りの時刻を現地で決められる柔軟さがあるということです。島での滞在がどれくらいになるか読めない人ほど、この仕組みを使うと気持ちが楽になります。
失敗パターン:帰りの便を決めずに渡り、最終便で慌てる
よくある失敗が、行きの便だけ決めて黒島に渡り、研究所の閉館時刻まで過ごしてから港へ戻ろうとするケースです。安栄観光の黒島発最終は16:40なので、研究所を17:00まで見学していると、その便にはまず間に合いません。八重山観光フェリーの17:10発に乗れたとしても、自転車の返却と移動で余裕はほとんど残りません。
原因は、研究所の閉館時刻と帰りの最終便がほぼ同じ時間帯に重なっていることを、事前に並べて見ていなかった点にあります。対策は単純で、島に渡る前に「乗って帰る便」を1本決め、その時刻から逆算して研究所を出る時間を決めておくことです。
黒島航路はリーフに囲まれた海域を走るため、研究所のQ&Aでは「台風を除けば欠航する日は年に数回」と案内されています。ただし運航可否は当日の海況で決まります。最新の運航状況・気象情報は公式でご確認ください。
黒島への行き方そのもの(2社の違いや島内移動の全体像)は、こちらの記事でさらに詳しく整理しています。

石垣島から黒島へ行きたいのに、「船はどこから出るのか」「1日に何便あるのか」「島に着いたら何で移動するのか」がまとまって出てこない——黒島の行き方を調べ始めると…
黒島港から研究所までの約2km、徒歩・自転車・電動どれが正解?
黒島にはタクシーも路線バスもありません
黒島港から黒島研究所までは約2kmで、公式サイトの案内では徒歩30分、自転車15分ほどです。ここで知っておきたいのが、黒島にはタクシーも路線バスもないという点です。研究所の黒島Q&Aにはっきりそう書かれています。
石垣島や西表島の感覚で「港に着いたらバスかタクシーで」と考えていると、港で立ち止まることになります。島内の移動手段は、レンタサイクル(3社)、レンタカー(1社)、そして徒歩です。民宿に泊まる人は、民宿で自転車を借りられることもあります。
公式Q&Aで紹介されているレンタサイクルは、ハートランド、黒島レンタサイクル、まっちゃんおばーのレンタサイクルの3社です。どこも黒島港の周辺で借りられるので、船を降りたらまず自転車を確保してから研究所へ向かう、という順番が黒島の標準的な動き方になります。
研究所のQ&Aは黒島Q&A(黒島研究所)で読めます。島の交通事情がまとまっているので、出発前に目を通しておくと安心です。
自転車なら15分、港前のハートらんどは2時間800円から借りられます
研究所へ行くなら、自転車が時間と費用のバランスがいちばん取りやすい手段です。黒島港からすぐの「ハートらんど」の料金は、普通自転車が2時間800円、4時間1,300円、1日1,600円です(2026年10月時点の公式サイト)。営業時間は連絡船の第一便到着から最終便出港までで、定休日はありません。
黒島は標高がいちばん高い所でも14mの平坦な島で、ハートらんどの案内では自転車でのんびり回っても2時間ほどで島を一周できるとされています。坂道で苦労する場面はほとんどないので、普通自転車で十分という人が多いはずです。
| 住所 | 沖縄県八重山郡竹富町黒島466 |
| 電話番号 | 0980-85-4007 |
| 営業時間 | 連絡船第一便到着~最終便出港まで |
| 定休日 | 無休 |
| アクセス | 黒島港からすぐ |
| 公式サイト | 公式サイト |
研究所の見学だけなら、港との往復と見学時間を合わせて2時間プランでは足りなくなりがちです。研究所で1時間ほど過ごすなら、4時間1,300円を選んでおくと、伊古桟橋やビジターセンターにも寄り道できます。料金表はハートらんど公式のレンタサイクルページで確認できます。
電動自転車・電動キックボードはどんな人向け?
ハートらんどでは電動自転車も借りられ、料金は2時間1,500円、4時間2,500円、1日3,000円です。さらに電動キックボードもあり、1時間1,000円、5時間以上は1日最大料金の5,000円です(2026年10月時点)。
平坦な島なので電動が必須というわけではありませんが、夏の日差しが強い時期や、向かい風が続く日、体力に不安がある人には電動自転車の選択肢があると心強いです。電動キックボードは、店舗の案内によると黒島で取り扱っているのはこの店だけとのことで、自転車とは違う移動を楽しみたい人向けです。
移動手段ごとの特徴を比べると、次のようになります。
| 自転車で研究所へ行くメリット | 気をつけたい点 |
|---|---|
| 港から研究所まで15分ほどで着く 平坦な島なので普通自転車で回れる 伊古桟橋など島内の見どころにも寄り道できる | 返却時間を最終便に合わせる必要がある 日差しをさえぎる場所が少ない 島内に自動販売機が少なく飲み物の確保が必要 |
石垣島旅の教科書調べ:研究所までの移動手段比較
公式サイトの公表値をもとに、黒島港から研究所までの移動手段を並べました(数値はすべて各公式サイトの値で、当サイトによる実測ではありません)。
| 移動手段(2026年10月時点) | 港から研究所まで | 料金の例(ハートらんど) | 向いている人 |
|---|---|---|---|
| 徒歩 | 30分 | 追加費用なし | 涼しい時期・研究所だけが目的 |
| 普通自転車 | 15分 | 2時間800円/4時間1,300円/1日1,600円 | 大半の人 |
| 電動自転車 | 公式の記載なし | 2時間1,500円/4時間2,500円/1日3,000円 | 暑い時期・体力に不安がある人 |
| 電動キックボード | 公式の記載なし | 1時間1,000円/1日最大5,000円 | 短時間で移動を楽しみたい人 |
徒歩でも30分で着く距離ですが、黒島には日差しをさえぎる場所が少なく、ハートらんども「島内には自動販売機があまりないので飲み物を携行して」と呼びかけています。夏場に歩くなら、水分を多めに持ち、帽子を用意しておきましょう。
研究所とセットで回る、黒島の半日・1日モデルプラン
半日なら「伊古桟橋・ビジターセンター・研究所」の3か所です
研究所の黒島Q&Aでは、有名な見どころとして伊古桟橋、黒島ビジターセンター、黒島研究所の3か所が挙げられていて、これらをレンタサイクルで回ると半日ほどと案内されています。初めての黒島なら、この3か所を軸に組むのが無理のない回り方です。
伊古桟橋は八重山諸島の桟橋で最も長い桟橋で、国登録有形文化財です。研究所の説明によると、満潮時は桟橋の付け根まで潮が上がり、海の上を歩いているような感覚になれるとのこと。満潮の時刻は日によって変わるので、気象庁の潮位表で石垣島の干満を確認してから訪ねる時間を決めると、景色の印象が変わります。
石垣港離島ターミナルで乗船券を買い、朝の便で黒島へ(約25~30分)
黒島港前でレンタサイクルを借り、研究所へ(自転車15分)
研究所を見学したあと、黒島ビジターセンターと伊古桟橋へ
港で自転車を返し、決めておいた便で石垣島へ
午前便と午後便、どの組み合わせが回りやすい?
研究所の開館は9:00なので、朝に石垣を出る便で渡ると開館直後から見学できます。石垣発は安栄観光が08:00、八重山観光フェリーが08:30なので、どちらも所要約25~30分で黒島に着きます。到着後に自転車を借りて研究所へ向かえば、開館から間もない時間帯に入れます。
午前中に研究所と伊古桟橋を回り、昼に港の近くで食事をしてから、黒島発12:25(八重山観光フェリー)や14:10(安栄観光)の便で戻れば、午後は石垣島で別の予定を入れられます。半日で黒島を切り上げたい人に向いた組み立てです。
反対に、石垣発11:45の便で昼に渡る場合は、研究所の見学と島めぐりを午後にまとめることになります。この場合の帰りは黒島発16:40か17:10の夕方便になるので、研究所を先に回し、港に近い場所を最後に残す順番にすると、最終便に追われずに済みます。
1日あるなら黒島灯台まで足を延ばします
研究所のQ&Aでは、3か所に加えて海岸でのんびり過ごしたり、黒島灯台まで足を延ばしたりすると、一日必要になると案内されています。時間に余裕がある人は、朝の便で渡って夕方の便で戻る1日プランにすると、島の端まで自転車で回れます。
黒島灯台は、研究所の説明によると南十字星が見える場所としても紹介されています。また、満潮時に伊古桟橋の先端近くや灯台の海を眺めていると、黒い影が動き、数分おきに呼吸するウミガメの姿が見られることがあるとされています。研究所で展示を見たあとに灯台の海を眺めると、展示で見たウミガメが目の前の海で暮らしていることを実感できます。
1日プランの場合は、自転車は1日1,600円のプランを選んでおくと、返却時刻を気にせず動けます。島の外周に近い道は日差しが強いので、飲み物は港の近くで多めに確保してから出発しましょう。
失敗パターン:昼食をあてにして島に渡り、食べる場所が見つからない
もう一つの失敗が、「島に行けば何か食べられるだろう」と考えて昼食の準備をせずに渡るケースです。黒島には飲食店が7件、商店が1件ありますが、コンビニやスーパーはありません。研究所のQ&Aによると、島内行事がある時は飲食店が休業することもあり、商店のお弁当は島民の利用も多く売り切れている場合があるとされています。
原因は、石垣島の市街地と同じ感覚で食事の選択肢を見積もってしまうことです。対策としては、港の近くの店(ハートらんどの島カフェなど)で食べるタイミングをあらかじめ決めておくか、石垣島で軽食と飲み物を買ってから船に乗るのが確実です。研究所の近くには移動販売のお店もあると紹介されていますが、営業日は公式に掲載されていないので、それだけをあてにしない計画にしておきましょう。
研究所のQ&Aでは、西の浜は看板がなく草刈りもされていない悪路で、見つけられずに帰る人も多いと書かれています。ハブのいる島なので、砂浜でのんびりしたいなら、アクセスの良い宮里海岸か仲本海岸を勧めています。
野生のウミガメに会える?黒島で産卵が見られない本当の理由
砂浜で産卵を見ることは、ほぼできません
「黒島に行けばウミガメの産卵が見られるのでは」と期待する人は多いのですが、研究所のQ&Aの答えは「砂浜で産卵を見ることはできません」です。黒島にはアカウミガメ、アオウミガメ、タイマイの3種が産卵に訪れ、3種が産卵する砂浜は世界的に見ても貴重だとされていますが、産卵は年10回ほどと多くありません。
産卵シーズンはおよそ5月から8月なので、平均すると週1回も産卵がない計算になります。研究所が「ウミガメの産卵を見ることはとても難しい」と書いているのはこのためです。
産卵を見る機会は少なくても、研究所の展示や公式サイトの解説を読めば、ウミガメが砂浜に上がるまでの一生をたどれます。「見られなかった」で終わらせないためにも、研究所を先に訪ねておく意味は大きいです。
泳ぐウミガメなら、満潮時の伊古桟橋と灯台の海が狙い目です
産卵は難しくても、海を泳いでいるウミガメなら見られると研究所のQ&Aは案内しています。満潮時に伊古桟橋の先端近くか、黒島灯台の海を眺めていると、黒い影が動き、数分おきに呼吸する姿が見られるとのことです。
ポイントは「満潮時」です。満潮の時間は毎日変わるため、研究所は気象庁のホームページで石垣島の干満を確認するよう勧めています。島に渡る前に潮位表を見て、満潮の時間帯に伊古桟橋か灯台にいられるよう行程を組むと、出会える可能性が上がります。
海の中に入らなくても、桟橋の先端から水面を見下ろすだけで観察できるのが黒島らしいところです。ウミガメに近づいたり触ったりせず、離れた場所から静かに見守るのがマナーです。双眼鏡があれば、呼吸のために顔を出す瞬間も見逃しにくくなります。
実は、黒島周辺のアオウミガメは増えています
意外と知られていないけれど、ウミガメは「減っている」動物というイメージとは反対に、アオウミガメは世界的に増加傾向にあると研究所は解説しています。黒島周辺の海域でも、2009年からの調査で、この10年に200頭から400頭へ増えたという結果が出ています。
研究所が挙げている第一の理由は、人がウミガメを食べなくなったことです。沖縄県では2000年頃までウミガメ漁が行われていましたが、現在はほとんど捕獲されていません。ほかにも沿岸漁業の衰退による混獲の減少や、天敵であるサメの駆除が要因として考えられるとしています。
一方で、ウミガメが減る理由として、砂浜の消失や光害、漁業による混獲も研究所は詳しく紹介しています。たとえば黒島の西の浜では、1978年と2007年の写真を比べると砂がなくなって岩場になっていることがわかるそうです。泳ぐアオウミガメが増えている海と、産卵の舞台である砂浜が細っている現実。その両方を知ると、展示の見え方が変わってきます。
日本でよく見られるのはアカ・アオ・タイマイの3種です
研究所の解説によると、世界にはウミガメが8種いて、そのうち6種が日本に住んでいます。ただし日本でよく見られるのはアカウミガメ、アオウミガメ、タイマイの3種で、この3種が日本の砂浜で産卵する種類でもあります。
大人の甲らの長さは、アカウミガメが80~100cm、アオウミガメが90~110cm、タイマイが70~90cmほどです。アカウミガメは外洋性で貝やヤドカリなど硬いものを好み、アオウミガメは沿岸に住んで海藻・海草を食べ、タイマイはサンゴ礁の海に多く、くちばしが鳥のように尖っているのが特徴です。
研究所の調査では、黒島のアオウミガメは一年間におよそ2cm大きくなることもわかっています。また、ウミガメは卵が経験する温度で性別が決まり、およそ29度より高ければメスになります。親になるまでに30年ほどかかると言われる生き物なので、展示のウミガメの大きさを見ながら「この子は何歳くらいだろう」と考えてみるのも楽しみ方の一つです。種類ごとの詳しい解説はウミガメの生態(黒島研究所)にまとまっています。
子連れ・日帰り・泊まり、タイプ別の黒島研究所の使い方
子連れなら、未就学児無料と船の小人運賃を押さえます
子ども連れで研究所を訪ねる場合、入館料は小中学生500円、未就学児は無料です。船は小学生が小人運賃(片道950円、往復1,840円)で、未就学の子どもは大人1名につき1名がひざ上なら無賃、席を使う場合は小人料金になります(2026年10月時点)。
研究所の生物飼育室には熱帯魚やハブ、ヤシガニなど、図鑑でしか見たことのない生き物がいます。ウミガメの剥製と生きた生き物の両方を見られるので、子どもが飽きにくい構成です。給餌ができる場合は、子どもにとって旅の思い出の中心になりやすいでしょう。
移動面で気をつけたいのは自転車です。小さな子どもを乗せられる自転車があるかどうかは、レンタサイクル各社に直接確認しておくのが確実です。子どもの体力に合わせて、半日プランで研究所と港周辺だけを回る組み立てにすると、帰りの船まで余裕を持って動けます。
日帰りなら、研究所を午前に入れて帰りの便を早めに決めます
石垣島に宿を取って黒島へ日帰りする場合は、研究所を午前中に回るのがいちばん段取りが崩れにくい組み方です。研究所の閉館と黒島発の最終便が近い時間帯にあるため、午後遅くに研究所を入れると帰りの時間が詰まりがちだからです。
石垣島での移動手段や、空港から港までの行き方をまだ決めていない人は、先に全体の移動手段を整理しておくと黒島の日帰り計画も立てやすくなります。

石垣島の旅で最初にやってくる関門が、空港に降り立った直後の移動です。竹富島や西表島に渡るための船が出るのは市街地のユーグレナ石垣港離島ターミナルで、空港からは島…
日帰りで黒島に渡る日は、石垣島側の予定も船の時刻に合わせて組みます。たとえば黒島発12:25の便で戻れば、午後は石垣島でドライブや買い物に時間を使えます。夕方の便で戻る場合は、石垣島での夕食を港の近くで済ませると移動の手間が減ります。
泊まりなら、ナイトガイドと星空まで楽しめます
黒島に1泊できるなら、研究所のナイトガイド(一人3,000円、原則2名以上)に参加できる可能性が出てきます。開催は天候や研究員の都合によるため、当日に連絡して確認する流れです。宿泊先は民宿が7件あり、ホテルはありません。
研究所の解説によると、黒島は集落どうしが離れていてまとまった人工光がなく、大きな山もないため、星空の観察にも向いています。伊古桟橋では視界が360度開けた星空が見られ、黒島灯台からは南十字星が見られると紹介されています。満月の夜は星が見えにくい代わりに、海を照らす満月が見られるとのことです。
夜に出歩く場合は、ハブにも注意が必要です。研究所によると黒島にハブはいますが夜行性で、日中にアスファルトの道を移動する限り出会うことはないとされています。夜の草むらには近づかず、移動は舗装路を選びましょう。
安全面:天候・遊泳・夏の暑さは公式情報を確認します
黒島の海は透明度が高い一方で、研究所の解説ではシュノーケリングで有名な仲本海岸について、水難事故が相次いだため遊泳規制が厳しくなっていると書かれています。海に入る予定がある人は、現地の最新の規制や海況を必ず確認してください。
船の運航も同じで、黒島航路は欠航が少ない航路とされていますが、台風の時期は計画そのものを見直す必要があります。前日の夜と当日の朝に、各社公式サイトで運航状況を確認する習慣をつけておきましょう。
・前日と当日朝に、八重山観光フェリーと安栄観光の運航状況を確認する
・海に入るなら、遊泳の可否と規制を現地で確認する
・飲み物と帽子を用意し、日差しの強い時間の移動に備える
・最新の運航状況・気象情報は公式でご確認ください
暑さ対策も忘れずに。島内には日陰が少なく、自動販売機も多くありません。研究所の中で休憩をはさみながら回ると、体力の消耗を抑えられます。
まとめ
最初の一歩は、黒島から乗って帰る便を1本決めることです。そこから逆算して研究所を出る時間と行きの便を選べば、半日でも1日でも慌てずに島を楽しめます。
※料金・時刻表は2026年10月時点の公式情報です。最新情報は各公式サイトでご確認ください。

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