西表島に船で着いてから「タクシーを呼べばいいや」と考えている方に、先に結論をお伝えします。西表島でタクシーを足として当てにするのは、2026年8月現在ほぼ不可能です。島でタクシー事業を営んでいた2社のうち1社は2025年3月に事業を終了し、残る1社も公式サイトに「不定期運行中」と明記しています。
だからといって、車を運転しない旅行者が西表島を回れないわけではありません。1日4往復の路線バス、2026年6月に竹富町が走らせ始めた乗車無料の貸切バス、港まで無料送迎してくれるレンタカー、宿やツアー会社の送迎。この4つを船の時刻と組み合わせれば、島の東西どちらの港に着いても目的地までたどり着けます。
この記事では、西表島のタクシーが今どうなっているのかを公式発表の一次情報で確認したうえで、タクシーの代わりになる移動手段を運賃・時刻・条件つきで整理します。上原航路が欠航した日の動き方まで含めて、港に降りた瞬間から迷わない段取りをまとめました。
・西表島のタクシー事業者の最新状況と、予約できる条件
・タクシーの代わりになる4つの足の運賃と所要時間の比較
・路線バスの主要区間の運賃と、1日乗車券1,500円で元が取れるライン
・2026年6月に始まった乗車無料の貸切バスの時刻と使い方
・上原航路が欠航した日に港で立ち往生しないための段取り
西表島のタクシーは1社だけ、しかも不定期運行です

「離島とはいえ人が住んでいる島なのだから、タクシーくらいあるだろう」という感覚は、西表島では通用しません。まずは事業者の現状を、公式発表の一次情報で確認しておきます。
やまねこタクシーは2025年3月に事業を終えていた
西表島でタクシーといえば長く「やまねこタクシー」でしたが、この事業はすでに終了しています。運営していた西表島交通株式会社は、公式サイトのお知らせで「令和7年3月をもちまして、タクシー事業を終了しております」と告知しました。車いす対応の普通タクシーとジャンボタクシーを持ち、貸切観光の予約を受けていた会社です。
ネット上には「西表島にはタクシー会社が2社ある」と書かれた記事が今も数多く残っています。掲載時点では正しかった情報ですが、更新されないまま残っているケースがほとんどです。電話番号だけを控えて島に渡ると、つながらないか、タクシーの手配はできないと案内されることになります。
同社は今もバス・レンタカー事業を続けており、「今後ともバス・レンタカーなどのサービスを通じて、引き続き島の交通を支えてまいります」としています。つまり会社がなくなったのではなく、タクシーという事業だけが島から1つ消えたという状況です。1972年5月設立の同社は、貸切観光バス、路線バス、レンタカー、仲間川マングローブクルーズ、自動車整備、お土産販売を手がけています。
| 住所 | 〒907-1434 沖縄県八重山郡竹富町南風見201-109 |
| 電話番号 | 0980-85-5601 |
| 営業時間 | 8:00~18:00(大原営業所・上原営業所) |
| 公式サイト | 公式サイト |
残る1社は「不定期運行」で、運賃も見積もり制
島で唯一タクシー車両を案内しているのが、大原地区に本社を置くいりおもて観光株式会社です。ただし公式サイトのタクシー車両案内のページには見出しの横に「(不定期運行中)」と書かれ、ページ末尾にも「現在、不定期運行中。詳細はお問い合わせ下さい」と重ねて記載されています。いつでも走っている前提では組めません。
料金の考え方も、街のタクシーとはまったく違います。同社は「利用日、出発場所・経由先・解散場所、使用目的(内容・行き先)によって算出しますので、ご予定をご連絡頂き、見積もりをご依頼ください」としています。メーターで走った分だけ払う形ではなく、行程を伝えて見積もりを取る貸切に近い使い方が前提ということです。
予約方法も要注意です。同社はインターネット予約を受け付けておらず、電話(受付8:00~17:00)またはFAX(24時間受付)での連絡になります。営業は年中無休(台風除く)とされていますが、貸切の状況によって時間が変動することがあると案内されています。使う可能性があるなら、旅程が決まった段階で早めに相談しておくのが現実的です。
| 住所 | 〒907-1433 沖縄県八重山郡竹富町字南風見仲58-22 |
| 電話番号 | 0980-85-5333 |
| 営業時間 | 8:00~17:00 |
| 定休日 | 年中無休(台風除く) |
| アクセス | 大原港から車で5分 |
| 公式サイト | 公式サイト |
港にタクシー乗り場がないという前提を持っておく
都市部の感覚で一番ずれるのがここです。西表島の港には、客待ちのタクシーが並ぶ乗り場がありません。船を降りて振り返ってもタクシーはいませんし、手を挙げて止める「流し」の車も走っていません。つまり事前に手配していない限り、港からタクシーで移動するという選択肢は最初から存在しないと考えてください。
この構造は、島の交通が「事前に決めておく交通」でできていることを意味します。レンタカーなら予約時に送迎を頼み、宿なら到着便を伝えて迎えに来てもらい、ツアーなら集合場所を確認しておく。船が着いてから考えるのではなく、船に乗る前に決まっている状態が正解です。
もうひとつ知っておきたいのが、路線バスと船の時刻の関係です。西表島交通の路線バス時刻表には「各港のフェリーの時刻とは接続されておりません。ご了承ください」とはっきり書かれています。船が着いたらバスが待っている、という乗り継ぎは保証されていません。だからこそ、この後で紹介する時刻の突き合わせが効いてきます。
西表島に関する移動情報は、更新されないまま残っている記事がとても多い分野です。タクシー・送迎バスまわりは特に入れ替わりが激しいので、旅行の1〜2週間前に事業者の公式サイトかSNSで最新の告知を1回だけ見直しておくと、現地での「聞いていた話と違う」を防げます。
石垣島と同じ感覚で船を降りると港で足が止まる
西表島に来る方の多くは、石垣島を経由します。ところが石垣島とはタクシー事情が正反対で、その落差が失敗のもとになります。
石垣島は初乗り500円で拾えるのに、西表島では拾えない
沖縄県ハイヤー・タクシー協会が公表している離島地区の運賃は、普通車で最初の1.136kmまで500円、以降463mごとに100円の加算です。沖縄本島地区が最初の1.75kmまで600円、400mごとの加算であるのと比べると、離島地区は初乗りが安く設定されています。石垣島でタクシーが手頃に感じられるのはこの運賃表があるからです。
ここで起きがちな失敗が、「石垣島でタクシーが便利だったから、西表島でも同じように使おう」と考えて島内の移動手段を何も予約せずに船に乗ってしまうパターンです。運賃表そのものは離島地区に適用されるものですが、その運賃で走る車が港にいなければ意味がありません。西表島で必要なのは運賃の知識ではなく、車を確保する段取りです。
ちなみに八重山を含む離島地区では、タクシー運賃の改定は実施されていません。運賃改定の審査に必要な車両数に申請が届かなかったためで、地区内の事業者数そのものが少ないという事情がうかがえます。西表島でタクシーが減っていったのも、この土台と無関係ではありません。
石垣島側のタクシー料金の相場や拾い方は、別記事で運賃表つきに整理しています。

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船とバスの時刻は接続していない、という意外な事実
意外と知られていないのですが、西表島の路線バスは船の到着に合わせたダイヤになっていません。公式時刻表に接続していない旨が明記されている通りで、船が着いた時間に次のバスが1時間以上先、ということが普通に起こります。1日4往復しかないダイヤなので、1本逃したときの待ち時間がそのまま数時間になります。
さらに見落としやすいのが停留所の位置です。2023年3月1日の改定以降、路線バスは上原港に乗り入れていません。公式サイトにも「バスは上原港には入りません。フェリーご利用のお客様は上原停留所をご利用ください」と書かれています。上原港で船を降りてバス停を探しても、港の敷地内には見つからないということです。
この2点を知らずに「バスがあるから何とかなる」と考えると、港で長時間動けなくなります。逆に言えば、この後で紹介する時刻表を旅程に書き写しておくだけで、待ち時間の大半は事前に潰せます。
上原航路は外海を通るため、北寄りの風が吹くと欠航しやすい航路です。冬季は季節風の影響を受けやすく、着く港が当日変わることがあります。移動手段を予約する際は「上原に着けなかった場合の連絡先」もあわせて控えておくと安心です。最新の運航状況・気象情報は各社公式でご確認ください。
「レンタカーを借りない旅」は成立するのか
結論から言えば成立しますが、条件がつきます。行き先が路線バスのルート上(豊原〜白浜の県道沿い)にあり、かつ1日4往復の時刻に旅程を合わせられる場合です。由布島の水牛車乗り場、浦内川、星砂の浜、野生生物保護センターといった主要スポットはこのルート上にあるため、バスだけでも回れます。
逆に、ジャングルの奥に入るツアーや、時間に細かく縛られる予定を複数入れる旅では、バス頼みは苦しくなります。この場合はツアー会社の送迎を利用するか、レンタカーを借りるほうが結果的に自由度が高くなります。西表島のツアー会社は港からの送迎を組み込んでいることが多いので、申し込み時に送迎の有無と集合場所を必ず確認してください。
費用感で比べると、路線バスで島を東西に往復すると1日乗車券1,500円が基準になり、レンタカーは軽自動車24時間で7,500円からです。2人以上で動くなら、レンタカーのほうが1人あたりの負担は小さくなる場面もあります。人数と行き先の数で決めるのが現実的な選び方です。
タクシーの代わりになる4つの足を、料金で比べる

ここからは実際の選択肢です。西表島で移動に使えるのは、路線バス・貸切バス・レンタカー・送迎の4つ。それぞれの費用と使いどころを並べます。
石垣島旅の教科書調べ:4つの足の料金比較
各社公式サイトと竹富町の公表資料から、代表的な条件で並べたのが下の表です。金額はいずれも公式に掲載されている値で、レンタカーは「〜円から」の下限表示にあたります。
| 比較項目 | 路線バス | 貸切バス(町運行) | レンタカー(軽) |
|---|---|---|---|
| 1日あたりの費用 | 1日乗車券1,500円 | 当面は無料 | 24時間7,500円〜 |
| 本数・自由度 | 1日4往復 | 運航時は1日3便 | 制限なし |
| 予約 | 不要 | 不要 | 必須 |
| 港への送迎 | 上原港は乗り入れなし | 港発着 | 無料送迎あり |
この表で押さえておきたいのは、無料の貸切バスが最も安い一方で便数が限られること、レンタカーは費用がかかる代わりに港まで無料で迎えに来てもらえることです。タクシーが使えない島では、この「港との接続」が費用よりも重要になります。
宿とツアーの送迎は、実は最も確実な足
4つ目の選択肢が、宿泊施設やツアー会社の送迎です。西表島では多くの宿とツアー会社が港からの送迎を用意しており、予約時に到着する船の便を伝えれば港まで迎えに来てもらえます。費用はツアー代や宿泊費に含まれていることが多く、追加料金なしで使えるケースが目立ちます。
ただし送迎の範囲と条件は事業者ごとに違います。上原港に着く前提の送迎だったのに、当日上原航路が欠航して大原港に着いてしまうと、対応が変わることがあります。八重山観光フェリーも公式サイトで、欠航時は「大原港まで送迎に来る場合」と「連絡バスで上原港まで移動していただく場合」があり、事業所によって対応方法が異なるため必ず確認するよう案内しています。
予約時に確認しておきたいのは3点です。①送迎の有無と料金、②迎えに来る港と待ち合わせ場所、③上原航路が欠航した場合の対応。この3つを申し込みメールの返信に残しておけば、当日港で電話をかけ直す手間がなくなります。
レンタカーは「港への無料送迎」が実質的なタクシー代わり
タクシーがない島でレンタカーが強いのは、営業所が港まで無料で迎えに来てくれるからです。西表島交通が運営するやまねこレンタカーは、各港への送迎を無料としています。営業時間は大原・上原とも8:00~18:00で、大原営業所は0980-85-5111、上原営業所は0980-85-6111です。
料金は軽自動車(K・HZ型)が3時間5,500円から、6時間6,000円から、12時間6,500円から、24時間7,500円からという設定です。普通車S型(フィット・ソリオ)は24時間10,000円から、8人乗りクラスの普通車WA型(ヴォクシー)は24時間13,500円からとなっています。免責補償料は1,000円(任意)、営業所間の乗り捨ては1,500円です。ガソリン満タン返しは不要で、全車禁煙です。
使い方のコツは、船の便から逆算して受付時間内に収めることです。営業終了が18:00なので、夕方の便で島を出る場合は返却と港送迎の時間を含めて余裕を持たせる必要があります。上原航路の欠航で着く港が変わったときに営業所間の乗り捨てが選べる点も、この島では実用的な保険になります。

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路線バスは1日4往復、1日乗車券1,500円が損益分岐
タクシーがない島の主役は路線バスです。運賃と時刻を具体的に押さえておけば、これ1本でもかなり回れます。
主要区間の運賃は130円から1,440円まで
西表島交通の路線バスは、島の東端の豊原から西端の白浜までを結ぶ1路線です。2026年4月1日改正の運賃表によると、最低運賃は130円、全区間を乗り通した場合の豊原〜白浜は大人1,440円です。子ども料金は半額(端数切上げ)で、1歳以上6歳未満は同伴の大人1人につき1人まで無料、1歳未満は無料です。
旅行者がよく使う区間を挙げると、大原港から上原までが1,070円、大原港から白浜までが1,390円、大原港から由布水牛車乗場までが450円、大原港から浦内川までが1,230円、大原港から星砂の浜までが1,130円、大原港から野生生物保護センターまでが350円です。上原を起点にすると、上原から浦内川が360円、上原から星砂の浜が210円、上原から白浜が590円となります。
この運賃を踏まえると、1日乗車券(大人1,500円、小人750円)の損益分岐が見えてきます。大原港から上原まで片道1,070円ですから、東西を1往復すれば1日乗車券のほうが安くなります。大原港から浦内川を往復する場合も同様です。逆に由布水牛車乗場まで往復するだけなら片道450円ずつなので、通常運賃のほうが安く済みます。1日乗車券はバス車内で購入できます。
1日乗車券1,500円が得になるのは、島を東西にまたいで移動する日です。大原港〜上原の片道が1,070円なので、この区間を往復するだけで1日乗車券のほうが安くなります。逆に大原港周辺だけで動く日は、通常運賃のほうが安く収まります。(2026年8月時点)
1日4往復の時刻を旅程に書き写しておく
2026年4月1日改正の夏期時刻では、路線バスは1日4往復です。白浜行きは豊原発が7:30、9:49、13:25、15:37で、それぞれ白浜には9:33、11:37、15:03、17:18に到着します。豊原行きは白浜発が7:15、9:44、12:48、15:38で、豊原には8:53、11:29、14:30、17:16に着きます。
港で使う時刻を抜き出すと、大原港発の白浜行きは7:38、10:00、13:35、15:46。大原港着の豊原行きは8:47、11:23、14:24、17:10です。上原停留所は白浜行きが9:05、11:07、14:35、16:48、豊原行きが7:45、10:19、13:22、16:10となっています。
この時刻表から所要時間を計算すると、大原港7:38発の便が上原に着くのは9:05なので、島の東西移動には約1時間30分かかることになります(石垣島旅の教科書調べ・公式時刻表の発着時刻から算出)。始発から終点まで通しで乗れば約2時間です。島の東西を1日で行き来する旅程を組むときは、この片道1時間半を先に確保してから予定を埋めてください。
上原港にバスは入らない、という決定的な注意点
路線バスを使ううえで最も重要な注意点がこれです。2023年3月1日の改定により、路線バスは上原港に乗り入れなくなりました。上原港で船を降りた場合は、港から少し歩いた「上原」停留所を使うことになります。港の建物の前でバスを待っても、バスは来ません。
大原港については、時刻表に「大原港」の停留所が明記されており、バスが港に立ち寄ります。この点でも、公共交通で動くなら大原港のほうが素直です。上原航路は欠航しやすいという事情もあるので、車を借りない旅なら大原港着で組むほうが読みやすくなります。
なお、路線バスに関する問い合わせは0980-85-5305です。時刻表は季節によって改正されるため、旅行日が改正時期をまたぐ場合は公式サイトの最新PDFを確認してから旅程を固めてください。
2026年6月に始まった無料の貸切バスという新しい足
西表島の移動事情は、2026年6月に大きく変わりました。竹富町が自ら運行する貸切バスが走り始めたためです。タクシーが事実上使えない島で、これを知っているかどうかで動きやすさが変わります。
誰でも乗れて、当面の間は運賃無料
竹富町が公開している「西表島貸切バス時刻表(令和8年6月1日~)」によると、この貸切バスは西表島内における交通空白の解消を目的に、地域住民等の日常生活に必要な移動手段を確保するために運行されています。実施主体は竹富町企画政策課、運行事業者は西表島交通株式会社です。
旅行者にとって重要なのは、乗車条件です。時刻表には「どなたでもご乗車できます」と明記されており、住民限定ではありません。そして「緊急的な対応として、貸切バスは当面の間、乗車料金は無料とします」とされています。港と集落を結ぶ便が無料で使えるというのは、この島ではかなり大きい話です。
背景には、船会社の送迎バス廃止があります。安栄観光は令和8年6月1日から送迎バスの減便と運行範囲の縮小を実施すると告知しており、理由として燃料費の高騰、バス維持費の高騰、運転手確保が困難であることを挙げています。船会社の送迎が縮小した穴を、町の貸切バスが埋めた形です。
上原航路が動いている日の時刻
定期船が上原航路を運航している日は、白浜港バス停8:35発の便が上原港に9:06に到着します。逆方向は上原港9:30発で白浜港着10:01、上原港17:40発で白浜港着18:11の2便です。停留所は祖納、干立、浦内川、浦内、住吉、星砂、中野、上原小学校前、船浦などを経由します。
注意したいのは、貸切バスがカバーしていない時間帯です。時刻表には「白浜港発12:48または15:38の路線バス(有料)をご利用ください」と案内されており、午後の白浜方面行きは路線バスに乗ることになります。無料バスと有料の路線バスを、時間帯によって使い分ける形だと理解してください。
この時刻は変更される可能性があり、時刻表にも「運行時刻は変更する場合があります その際は竹富町公式LINE等で通知いたします」と書かれています。旅行直前に竹富町の公式ページを確認しておくのが確実です。問い合わせは竹富町企画政策課(0980-83-0507)、運行事業者の西表島交通(0980-85-5305)です。(2026年8月時点)
無料の貸切バスは便数が絞られているぶん、乗れる時間が合えば強力です。旅程を組むときは「貸切バスの時刻を先に置き、その隙間を路線バスで埋める」順番で考えると、移動費と待ち時間の両方を圧縮できます。
無料はいつまで?有料化とライドシェアの見通し
この無料運行は恒久的なものではありません。竹富町の時刻表には「料金収受システム等、体制が整い次第、乗車料金を徴収します」と明記されています。つまり、体制が整った時点で有料に切り替わる前提の暫定措置ということです。
さらに先の話として、竹富町は公共ライドシェア(自家用有償旅客運送)への移行を検討していると報じられています。赤字が続く路線バスの運行を見直し、次年度からの移行を目指す方針で、電動バスの購入費や貸切バスの運行費を含む予算が計上されているという内容です。実現すれば、タクシーがない島の足の形がもう一度変わることになります。
旅行者としての実務的な結論はシンプルです。無料であることを旅程の前提にしすぎず、「無料なら得、有料でも許容できる」水準で予算を組んでおくこと。そして出発前に竹富町の公式ページで最新の告知を1回確認すること。この2つで、制度の切り替わりに巻き込まれても困りません。
上原航路が欠航した日、タクシーは頼りになりません
西表島の移動で最大の落とし穴が、上原航路の欠航です。タクシーで何とかしようとしても、その手段がない島なので、事前の知識だけが自分を助けます。
「バス券付き乗船券」がないと連絡バスに乗れない
上原航路が欠航した日は、大原港行きの船に乗って大原港経由で上原地区へ向かうのが基本ルートです。ここで多くの人がつまずくのが乗船券の種類です。八重山観光フェリーは公式サイトで、上原港へ行くには「上原港行乗船券(バス券付き)」が必要だと案内しています。
そして重要なのが次の一文です。「大原港行乗船券」は大原港到着時点で運送終了となり、大原港から上原港までの連絡バスには乗車できません。つまり、欠航を知って窓口で安いほうの大原港行きを買ってしまうと、大原港に着いた後に自力で上原まで移動する必要が出てきます。タクシーが拾えない島でこれをやると、そこから先が本当に苦しくなります。
ネットで上原港行乗船券を購入済みの場合は、有人カウンターで電子チケット画面を提示すると連絡バス乗車券を受け取れます。当日購入の場合は、有人カウンターで「上原港行乗船券(バス券付き)」を購入してください。欠航時の窓口は混み合うため、電子チケットを表示した状態で並ぶとスムーズだと案内されています。
上原航路が欠航しても、購入済みの上原港行乗船券は自動キャンセルされません。大原港経由+連絡バスで上原港まで案内できるためです。利用を取りやめる場合は自分でキャンセル手続きが必要になります。手続き方法と期限は購入したサイトの案内でご確認ください。
大原港経由は船と連絡バスで合計約110分
欠航時のルートにかかる時間も押さえておきましょう。八重山観光フェリーの案内によると、石垣島から高速船で西表島大原港まで約50分、大原港から連絡バスで上原港まで約60分です。合計すると、石垣島を出てから上原港に着くまで約110分かかる計算になります。
乗る船の時間帯も変わります。上原航路欠航時に上原港へ向かう場合、乗るのは「大原港行」の船で、出航時間は大原航路の時間帯になります。上原航路の時刻で予定を立てていると、集合時刻がずれることになるので注意してください。
運賃の目安も知っておくと安心です。安栄観光の2026年6月20日〜9月30日の運賃では、石垣島〜大原港が片道大人2,520円・小人1,290円、往復大人4,880円・小人2,500円。石垣島〜上原港が片道大人3,290円・小人1,650円、往復大人6,370円・小人3,200円です。いずれも燃料油価格変動調整金を含んだ金額で、燃料価格により変更される可能性があります。
石垣港の窓口で「上原港行乗船券(バス券付き)」を買う
大原航路の時間帯の船に乗り、大原港まで約50分
大原港から連絡バスで約60分、上原港に到着
宿とツアーには「欠航したらどうなるか」を先に聞く
欠航時に一番差が出るのが、宿やツアー会社の対応です。八重山観光フェリーも、事業所によって「大原港まで送迎に来る場合(大原港集合)」と「連絡バスで上原港まで移動していただく場合(上原港集合)」に分かれると案内しており、必ず事前に確認するよう呼びかけています。
ここが2つ目の失敗パターンです。上原港集合と聞いていた方が、欠航日に大原港で送迎車を待ってしまい、連絡バスにも乗れず数時間ロスする。逆に大原港まで迎えに来てくれる宿なのに、自腹で連絡バス付きの乗船券を買い直してしまう。どちらも、予約時に一言確認していれば起きません。
確認すべき文言はシンプルです。「上原航路が欠航した場合、集合場所は大原港と上原港のどちらになりますか」。この1問への回答をメールで残しておけば、当日は迷いません。あわせて、当日連絡がつく電話番号を控えておいてください。

西表島に行こうと決めたとき、最初につまずくのが「どうやって渡るのか」です。地図で見ると石垣島のすぐ隣なのに、検索すると上原港・大原港・高速船・欠航・連絡バスとい…
タイプ別に見る、あなたが選ぶべき西表島の足
ここまでの選択肢を、旅のスタイル別に整理します。同じ島でも、日帰りか宿泊か、どの港に着くかで正解が変わります。
石垣島から日帰りで由布島・仲間川を回るなら
大原港着で日帰りするなら、路線バスと徒歩で十分に成立します。大原港から由布水牛車乗場までは450円、野生生物保護センターまでは350円と手頃です。往復しても1日乗車券1,500円を下回るので、この行程なら通常運賃のほうが安く済みます。
時刻の組み方は、大原港発7:38または10:00の白浜行きに乗り、帰りは大原港着11:23、14:24、17:10の豊原行きから船の時間に合う便を選ぶ形です。船の時刻とバスの時刻は接続していないため、港での待ち時間が発生する前提で考えてください。待ち時間を短くしたいなら、往路だけツアーの送迎を使う手もあります。
この行程でタクシーが必要になる場面はほとんどありません。むしろ、バスの本数が少ないことを織り込んで「1日にスポットを2つまで」に絞るほうが、島の時間の流れに合います。詰め込みすぎるとバス1本の遅れで全部崩れます。
上原地区の宿に泊まるなら、送迎の確保が最優先
星砂の浜や浦内川に近い西部エリアに泊まる場合は、宿の送迎を最優先で押さえてください。上原港には路線バスが入らないうえ、タクシーは呼べません。宿の送迎がない場合は、上原停留所まで歩いてバスに乗るか、レンタカーを借りることになります。
レンタカーを選ぶなら、上原営業所(0980-85-6111)で借りて港まで送迎してもらう形が動きやすくなります。軽自動車は24時間7,500円から、営業時間は8:00~18:00です。上原航路が欠航して大原港に着いた日でも、営業所間の乗り捨て1,500円を使えば旅程を組み替えられます。
無料の貸切バスも西部エリアを走っています。上原港9:30発と17:40発の白浜港行き、白浜港8:35発の上原港行きがあるので、時間が合えば移動費をゼロにできます。宿とスポットの位置関係によっては、これだけで動ける日もあります。
子連れ・大人数・車を運転しない旅なら
小さな子ども連れや高齢の家族と一緒、あるいは運転免許がない旅の場合、ここまでの選択肢では不安が残ることがあります。その場合の現実的な答えが、いりおもて観光への相談です。同社は行程に応じた見積もり制で、貸切バスとタクシー車両を扱っています。
ただしタクシーは不定期運行中とされているため、「頼めば必ず出る」とは考えないでください。相談するなら旅程が固まった段階で早めに、利用日・出発場所・経由先・解散場所・目的を整理して電話(8:00~17:00)またはFAXで問い合わせるのが確実です。インターネット予約は受け付けていません。
もう1つの選択肢が、送迎込みの現地ツアーです。カヌーやトレッキングのツアーは港からの送迎を含むものが多く、移動と体験を同時に解決できます。移動手段を単体で確保しようとするより、送迎付きの予定を旅程の軸に据えるほうが、この島では組み立てやすくなります。
まとめ:西表島はタクシーを当てにせず、船に乗る前に足を決める島
西表島の移動は、事前に決めておくほど楽になる仕組みでできています。まずやることは1つだけです。予約した宿かツアー会社に「港まで送迎はありますか、上原航路が欠航した場合はどちらの港に集合ですか」と聞いてください。この回答が取れた時点で、旅程の骨格の大半は決まります。送迎がないと分かったら、路線バスの時刻を旅程に書き写すか、レンタカーの予約に切り替えれば間に合います。
タクシー事業者が減り、船会社の送迎バスが縮小し、代わりに町の無料バスが走り始めた。西表島の交通はいま、数年に一度の変わり目にあります。だからこそ、他の島以上に「出発前に公式で最新情報を確認する」ことが効いてきます。逆に言えば、この記事にある運賃と時刻を旅程表に書き写しておくだけで、港で立ち尽くす時間はほとんどなくなるはずです。
運賃・時刻表・運行状況は変更されることがあります。台風や強風による欠航もあるため、最新の運航状況・気象情報は各社公式サイトでご確認ください。

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