石垣島から高速船で30分ほどの黒島。牛の島として知られるこの島の、いちばん南のはずれに立っているのが黒島灯台です。「港から自転車で行けるらしい」とだけ聞いて島に渡り、思ったより遠くて引き返した人が毎年いる場所でもあります。
結論から言うと、黒島灯台は黒島港から自転車で約30分。距離としては大したことがないのに、途中から舗装が切れ、日陰も自販機もトイレもない一本道が続きます。だからこの灯台は「ついでに寄る場所」ではなく、船の時刻から逆算して半日〜一日を確保して向かう場所です。
この記事では、石垣島から黒島へ渡る2社の船の時刻と運賃、黒島港から灯台までの3つの移動手段と所要時間、そして最終便から逆算した現実的な時間割をまとめます。持ち物と危険物についても、島の公式情報をもとに具体的に書きます。
・黒島灯台の場所と規模、行っても中には入れない理由
・石垣島から黒島へ渡る2社の時刻表と運賃(2026年8月時点)
・黒島港から灯台までの自転車・車・徒歩の所要時間
・最終便から逆算した一日の時間割と、持っていくべきもの
黒島灯台は塔高11メートル、島の最南端に立つ小さな灯台

まずは、これから向かう灯台がどんな建物なのかをはっきりさせておきます。写真で見る印象より、実物はずっと小ぶりです。
牧草地の先、何もない岩場に白い塔が1本
黒島灯台は、ハート型をした黒島の最南端に立つ小さな灯台です。周りに売店も駐車場もなく、広大な牧草地の中をまっすぐのびる農道を行った先、何もない岩場に建っています。観光客も少なく、島の中でもっとも静かな場所のひとつです。
なぜこんな何もない場所にあるかというと、この灯台は観光施設ではなく航路標識だからです。石西礁湖のリーフに囲まれた海域を航行する船に、島の南端の位置を知らせるために置かれています。だから展望台も休憩所も用意されていません。
塔高は11メートル、光高(水面から灯りまでの高さ)は18メートル、光達距離は8海里です。灯台としては小型の部類で、灯台前に立つと「これで終わり?」と感じる人もいます。ただし振り返って海を見ると、穏やかなエメラルドグリーンのリーフとその先に広大な外洋が広がり、遮るものが何もありません。この景色を見るために向かう場所だと考えておくと、期待とのズレがなくなります。
| 住所 | 〒907-1311 沖縄県八重山郡竹富町黒島 |
| 営業時間 | 常時開放(内部立ち入り不可) |
| 定休日 | 年中無休 |
| アクセス | 黒島港から自転車で約30分、徒歩で約51分、車で約14分。東筋集落から未舗装直線道路で約2km |
| 駐車場 | なし |
1972年から光り続ける、太陽光とLEDの灯台
黒島灯台が稼働を開始したのは1972年6月30日です。半世紀以上、この島の南端で光り続けています。
現在の光源は、太陽光発電と蓄電池とLED発光の組み合わせです。離島の先端という電力を引きにくい場所にあるため、自前で発電して蓄え、夜に光らせる方式になっています。有人の灯台ではないので、日中に訪れても職員はいません。
光り方は5秒毎に1閃光です。5秒に1回パッと光っては消える、というリズムで、船から見たときにこの周期で「黒島の灯台だ」と識別できるようになっています。夜に島の宿から南の空を見ていると、この閃光が牧草地の向こうに見えることがあります。ただし夜の移動については後の章で触れるとおり、灯台まで見に行くのは現実的ではありません。
中には入れないのに、それでも人が向かう理由
黒島灯台は内部に立ち入ることはできません。24時間いつでも敷地の前まで行けて、見学料もかかりませんが、登れる灯台ではないということです。
それでも人が向かうのは、ここが「何もないこと」自体が価値になっている場所だからです。牧草地の中の未舗装の直線道路を進み、突き当たりに灯台と岩場と海しかない、という体験ができる場所は八重山でも多くありません。人の気配がほとんどなく、聞こえるのは風と波の音だけになります。
満潮の時間帯に灯台前の海を眺めていると、黒い影が動き、数分おきに呼吸するウミガメの姿が見えることがあります。満潮の時刻は毎日変わるので、行く日の潮位を気象庁のサイトで確認してから時間を合わせると出会える確率が上がります。
石垣島から黒島へ渡る船は2社で1日6便
黒島には空港がありません。船が唯一の上陸手段で、しかも便数が限られています。灯台まで行けるかどうかは、実質この時刻表で決まります。
安栄観光は石垣発08:00・13:30・16:00の3便
安栄観光の黒島航路は、石垣発が08:00、13:30、16:00の3便です。黒島発は08:40、14:10、16:40の3便で、所要時間は約25〜30分とされています。
この時刻表で重要なのは、朝の便を逃すと次が13:30まで空くことです。灯台まで往復する前提なら、実質的に朝の便が第一候補になります。乗船券は石垣港離島ターミナルのカウンターで買えるほか、WEB予約にも対応していて電子チケットのQRコード方式です。乗船前のキャンセルは無料なので、天候が読めない日は予約しておいて損はありません。
注意したいのが支払い方法です。黒島港では現金のみの対応となっています。帰りの券を島側で買う可能性があるなら、現金を持って渡ってください。運賃・時刻の詳細は安栄観光の公式時刻表ページで確認できます(2026年8月時点)。
八重山観光フェリーは石垣発08:30・11:35・16:30の3便
もう1社の八重山観光フェリーは、石垣発が08:30、11:35、16:30の3便です。黒島発は09:10、12:15、17:10で、所要時間は約30分です。
この2社を並べると、島に滞在できる時間の作り方が変わってきます。八重山観光フェリーの黒島発最終は17:10で、安栄観光の16:40より30分あとです。逆に朝は安栄観光の08:00が最も早く島に着けます。「安栄観光の朝イチで入って、八重山観光フェリーの最終で帰る」という組み方も理屈のうえでは可能ですが、往復乗船券は同一社でしか使えないため、その場合は片道ずつの購入になります。
八重山観光フェリーには、フェリー往復とレンタサイクルがセットになったコースもあります。大人5,000円、子供(7〜12歳)3,300円で、キャンペーン価格が適用される期間は大人4,800円、子供3,200円です。港に着いてから自転車を探す手間が省けるので、はじめて黒島に渡る人には向いています。時刻表と運賃は八重山観光フェリーの公式運航案内に掲載されています(2026年8月時点)。
運賃は2社とも同額。差がつくのは時刻だけ
運賃を比べると、石垣-黒島は2社とも同額です。どちらを選んでも料金では損得が出ないので、選ぶ基準は出港時刻と帰りの最終便になります。
| 比較項目 | 安栄観光 | 八重山観光フェリー |
|---|---|---|
| 石垣発 | 08:00 / 13:30 / 16:00 | 08:30 / 11:35 / 16:30 |
| 黒島発 | 08:40 / 14:10 / 16:40 | 09:10 / 12:15 / 17:10 |
| 所要時間 | 約25〜30分 | 約30分 |
| 大人 片道 | 1,850円 | 1,850円 |
| 大人 往復 | 3,590円 | 3,590円 |
| 小人(小学生)片道/往復 | 950円/1,840円 | 950円/1,840円 |
| 障がい者割引 片道/往復 | 1,270円/2,540円 | 1,270円/2,540円 |
両社の公式運賃表・時刻表から作成(石垣島旅の教科書調べ、2026年8月時点)。運賃はいずれも燃料油価格変動調整金を含んだ金額です。障がい者割引を使う場合は各種手帳・ミライロIDの提示が必要になります。八重山観光フェリーでは、幼児は大人1名につき1名まで膝上無料、それ以上は小人扱いです。
欠航は年に数回。それでも台風だけは別格
黒島航路は、八重山の航路のなかでは比較的欠航に強い部類です。島の公式情報でも、台風を除けば欠航する日は年に数回とされています。
理由は地形にあります。黒島は石西礁湖と呼ばれる自然のリーフに囲まれた海域の中にあり、外洋のうねりが直接入りにくいためです。島民の通勤にも使われている生活航路なので、少しの波では止まりません。波照間航路のような高い欠航率をイメージして予定を縮こまらせる必要はないということです。
ただし台風接近時は話が別で、複数日にわたって船が止まります。1日6便しかない航路なので、1便でも飛ぶと予定は大きく崩れます。灯台まで行く計画を旅程のいちばん最後の日に入れるのは避けて、予備日を後ろに残しておくのが安全です。
季節ダイヤの変更・臨時便・強風による欠航は、前日夜や当日朝に決まることがあります。乗る日の運航状況と時刻は、必ず各社公式サイトで最新のものを確認してから港へ向かってください。

石垣島から黒島へ行きたいのに、「船はどこから出るのか」「1日に何便あるのか」「島に着いたら何で移動するのか」がまとまって出てこない——黒島の行き方を調べ始めると…
港から灯台まで、自転車・車・徒歩でどれだけ違うか

船を降りたあとが本番です。黒島にはタクシーも路線バスもありません。灯台まで自力で移動する手段を、港で決める必要があります。
レンタサイクルなら港から約30分が目安
もっとも一般的なのがレンタサイクルで、黒島港から灯台まで自転車で約30分が目安です。黒島は山のない平坦な島で、周囲は約12km。のんびり走って一周2〜3時間という規模感なので、自転車で回りきれる島だと言えます。
自転車を借りられるのは港のすぐそばです。島の公式Q&Aによると、レンタサイクルは3社あり、レンタカーは1社。民宿に泊まる人は宿で自転車を借りられます。希望のタイプ(とくに電動アシスト)を確保したいなら事前予約をしておくのが確実です。
夏場は電動アシスト自転車を強くすすめます。平坦とはいえ日陰がほとんどなく、灯台へ向かう道は牧草地の中の直線です。往復で1時間以上、直射日光の下でペダルを漕ぐことになるため、体力に不安がある人や子連れは電動を選ぶだけで疲労がまったく違います。

石垣島から高速船で30分ほど。黒島に渡ると決めたものの、「島に着いてから自転車って本当に借りられるの?」「予約しないと乗れないんじゃないの?」と気になっている方…
レンタカーなら約14分。ただし島に1社だけ
車なら黒島港から灯台まで約14分です。移動時間だけを見れば圧倒的に速く、暑い時期や雨の日、小さな子ども連れなら現実的な選択肢になります。
ただし黒島のレンタカーは1社しかありません。台数も限られるため、当日ふらっと港で借りようとしても押さえられない可能性が高い手段です。車で回る前提の旅程を組むなら、渡航前に予約を入れておくことが前提条件になります。
もうひとつ知っておきたいのが、灯台のすぐそばに駐車場がないことです。舗装が切れる先の農道は牧草地の作業道でもあるため、車を停める場所と停め方には配慮が要ります。車で行っても最後は歩く前提で、歩きやすい靴で行ってください。

石垣島から高速船で30分足らず。牛の数が人口の10倍以上という黒島に渡るとき、「島でレンタカーを借りられるのかな」と検索して、情報の少なさに驚いた人は多いと思い…
徒歩約51分は、行きだけなら歩けても帰りがきつい
黒島港から灯台まで徒歩なら約51分が目安です。片道1時間近く、往復で2時間近くを歩くことになります。
数字だけ見ると「歩けなくはない」と感じますが、問題は道の環境です。ルート上に日陰はほとんどなく、自販機も水場もありません。行きは景色が新鮮で歩けても、帰りは同じ一本道を無風の直射日光の下で戻ることになります。夏場にこれをやると、熱中症のリスクが現実的に高まります。
参考として、黒島港から黒島研究所までは約2kmで徒歩30分、自転車15分という距離感です。灯台はさらにその先になります。徒歩を選ぶなら、朝いちばんの涼しい時間帯に出て、水を1人1本以上持ち、帽子をかぶることが最低条件です。
| 移動手段 | 港から灯台まで | 向いている人 |
|---|---|---|
| レンタサイクル | 約30分 | 島を一周しながら回りたい人 |
| レンタカー | 約14分 | 子連れ・真夏・雨の日(要予約) |
| 徒歩 | 約51分 | 涼しい時期に時間を持て余す人 |
各手段の所要時間は目安です(2026年8月時点)。実際の時間は風向き・路面状況・体力によって前後します。
東筋集落から先は、牧草地を貫く未舗装の直線
灯台へ向かう最後の区間は、東筋集落から未舗装の直線道路が約2km続きます。ここが黒島灯台へのアクセスでいちばん印象に残る部分です。
路面は舗装されておらず、砂や砂利、雨のあとは水たまりが残ります。ふつうのシティサイクルでも走れますが、細いタイヤだと取られる感覚があるので、スピードを落として走ってください。左右は牧草地で、電気柵が張られている区間があります。牛を出さないための柵なので、絶対に触らず、寄りかからないようにしてください。
この直線に入ると、目印になる建物が一切なくなります。「まだ先か」と不安になりますが、道は分岐せずまっすぐ灯台に向かっています。逆に言えば、迷う要素がないのがこのルートの唯一の親切なところです。
灯台の周りには自販機もトイレもありません
黒島灯台まで行った人が口をそろえて言うのが「何もない」ということです。景色の話ではなく、設備の話としても本当に何もありません。
飲み物・トイレは港と集落で済ませておく
灯台にはトイレなどの設備がなく、周辺にも何もありません。飲み物などの必需品は持参が必須です。自販機も売店もないので、喉が渇いてから調達することはできません。
用を足せる場所は、黒島港のターミナル内のトイレか、島内の施設に限られます。灯台へ向かう前に港で済ませておくのが基本です。往復で1時間以上かかる区間に入る前、というタイミングで一度立ち寄っておくと安心できます。
持っていくものは、水(1人1本以上)、帽子、日焼け止め、そしてサングラス。牧草地の照り返しは強く、白い灯台と海の反射が加わるので、目が疲れます。虫よけもあると、牧草地の脇で足を止めたときに助かります。
牧場の電気柵とハブ。触らない・入らないが原則
黒島は牛の島です。灯台までの道の両側は牧場で、区画には電気柵が張られています。柵の内側は私有地の牧草地なので、写真を撮るために入ることはできません。
もうひとつ知っておきたいのがハブの存在です。島の公式Q&Aによれば黒島にはハブがいます。ただし見かけることはほとんどなく、ハブは夜行性で日中は草藪や岩の下にいるため、舗装された道を日中に移動する限り出会うことはないとされています。裏を返せば、草むらに分け入る・夜に藪の近くを歩くという行動がリスクになるということです。
同じ理由で、島内には看板のない砂浜への抜け道もありますが、草刈りがされていない悪路は避けるのが賢明です。灯台へ向かうなら道なりに進む。これだけ守っていれば、危険はほとんどありません。
灯台前は岩場で、足元が滑りやすい場所があります。波が高い日にリーフの縁へ近づくのは避けてください。海況・気象の最新情報は公式の発表で確認し、少しでも荒れているときは無理に先へ進まない判断を優先してください。
よくある失敗:手ぶらで出て、帰り道で水が尽きる
いちばん多い失敗が、港でレンタサイクルを借りてそのまま灯台へ向かってしまうパターンです。港には自動販売機がありますが、「途中でどこかにあるだろう」と思って買わずに出発すると、往復1時間以上のあいだ補給がゼロになります。
原因は、黒島を「竹富島のような集落の島」とイメージしてしまうことにあります。竹富島は集落の中に店が点在していますが、黒島は集落どうしが離れていて、灯台方面には店が一切ありません。同じ八重山の離島でも、密度がまったく違います。
対策はシンプルで、港を出る前に飲み物を人数分買う、それだけです。ペットボトルを2本持って自転車のカゴに入れておけば、この失敗は起きません。荷物が増えるのが嫌なら、せめて灯台までの往復に必要な分は港で確保してから出発してください。
黒島灯台は最終便から逆算して組み立てる
ここまでの数字を組み合わせると、一日の時間割が見えてきます。黒島灯台に行けるかどうかは、体力ではなく時刻表の引き算で決まります。
朝の便で入れば、灯台まで行っても余裕がある
もっとも余裕があるのが、朝の便で島に入って夕方の便で戻る組み方です。安栄観光なら石垣発08:00、八重山観光フェリーなら石垣発08:30。どちらでも午前中のうちに島へ上陸できます。
石垣港離島ターミナルで乗船券を買い、朝の便に乗る
黒島港で自転車を借り、トイレと飲み物を先に済ませる
東筋集落経由で灯台へ(自転車で約30分)。帰りの便の1時間前には灯台を出る
灯台までの往復に約1時間、灯台での滞在に30分ほどを見ておけば、残りの時間で黒島研究所や海岸を回れます。朝入りなら、黒島発の最終(安栄観光16:40/八重山観光フェリー17:10)まで6〜7時間以上使えるので、島を一周してもまだ時間が余ります。
昼の便で入ると、灯台まで往復するのは急ぎ足になる
2つめの失敗パターンがこれです。八重山観光フェリーの石垣発11:35、あるいは安栄観光の石垣発13:30で入って、灯台まで行って同じ日に帰ろうとするケース。時間の計算がかなりシビアになります。
13:30の便で入ると島に着くのは14時すぎ。そこから自転車を借りて灯台まで往復すると、それだけで1時間半近くかかります。黒島発の最終は安栄観光が16:40、八重山観光フェリーが17:10なので、灯台の前でゆっくりする時間はほとんど残りません。写真を数枚撮って引き返す、という慌ただしい訪問になります。
対策は2つ。1つは、昼便で入るなら灯台をあきらめて港周辺の海岸やビジターセンターに絞ること。もう1つは、灯台に行くと決めているなら朝の便に変えることです。実は島の公式Q&Aでも、定番の伊古桟橋・黒島ビジターセンター・黒島研究所を自転車で回ると半日ほど、そこに黒島灯台まで足を延ばすなら一日必要、とはっきり書かれています。灯台は「半日観光のオプション」ではなく、一日を使う目的地なのです。
最終便を逃したら、島に泊まるしかない
黒島には、フェリーが1日3便ずつしかありません。黒島発の最終便を逃すと、その日のうちに石垣島へ戻る手段はなくなります。
島にはホテルはなく、民宿が7軒あるのみです。当日飛び込みで泊まれる保証はまったくありません。石垣島側に予約したホテルがあるなら、二重の宿泊費と当日キャンセル料を払うことになります。
だから灯台からの引き返しは、余裕を持った時刻で決め打ちしてください。目安は、帰りの便の出港1時間前には灯台を出ること。自転車で30分の距離ですが、向かい風や自転車の返却手続き、乗船券の購入を含めると、それくらいの余白が必要になります。港には出港の15〜20分前には着いておきたいところです。
タイプ別、黒島灯台の組み込み方
旅のスタイルによって、灯台の扱い方は変わります。自分がどれに当てはまるかで判断してください。
石垣島に連泊していて1日空いている人は、朝の便で入って夕方の最終で戻る一日コースが最適です。灯台・研究所・海岸を無理なく回れます。離島を数島まわりたい人は、黒島に半日しか割けないなら灯台は外して港周辺に絞るほうが満足度が高くなります。小さな子ども連れは、自転車で往復1時間の直線道路は負担が大きいので、レンタカーの事前予約か、灯台をあきらめる判断のどちらかになります。写真を撮りたい人は、光の柔らかい夕方に灯台へ入りたくなりますが、最終便との兼ね合いで無理が出やすいので、朝の斜光を狙うほうが現実的です。
夕日と星空、灯台がいちばん静かになる時間帯
黒島灯台は夕日スポットとしても知られ、南十字星の観察地点としても名前が挙がります。ただし、日帰りで行ける時間帯かどうかは分けて考える必要があります。
灯台の正面は遮るものがない西〜南の海
灯台の前には、エメラルドグリーンのリーフとその先の外洋が広がり、視界を遮る建物や木がありません。だから夕方の光がそのまま海面に落ちて、島の中でも夕日を眺める場所として名前が挙がります。
ただし現実的な問題として、日帰りで夕日の時間まで灯台にいると最終便に間に合いません。夕日を灯台で見たいなら、島の民宿に泊まる前提になります。日帰りの人は、夕方の光を狙うのではなく、朝から昼の高い光でリーフの色を楽しむほうが計画として噛み合います。
南十字星が見えるのは12月下旬から6月ごろ
黒島は南十字星が見られる島としても紹介されます。見えるとされる時期は12月下旬から6月ごろで、灯台方面は南の水平線が開けているため観察地点に挙げられます。
南十字星は南の空のごく低い位置にしか昇らないため、南側に山や建物があると見えません。黒島には山がなく、灯台の先は海しかないので条件が揃っています。ただし観察は完全な夜間になり、街灯のない未舗装路を往復することになります。宿泊者が宿の人に相談したうえで行く、というのが現実的な形です。
星が見えるのは、集落どうしが離れているから
黒島の星空が濃く見えるのには理由があります。島の公式情報によると、黒島は集落どうしが離れているためまとまった人工光がなく、さらに山がないので360度見渡せます。島が暗すぎて、夜になると石垣島の街の明かりが対岸に見えるほどだそうです。
つまり、灯台まで行かなくても星は十分に見えるということです。宿の前や集落の外れでも、光害の少なさは変わりません。夜にわざわざ灯台まで移動するのは、ハブの活動時間と重なることもあり、リスクに見合いません。星を見るなら、宿の周辺で空を見上げるのが安全で確実です。
意外と知られていませんが、黒島の夜の暗さは「灯台まで行くべき理由」ではなく「灯台まで行かなくていい理由」になります。人工光がないのは島全体なので、宿の庭先で寝転がるだけで同じ空が見えます。夜間の移動を減らすほど、この島は安全で快適になります。
灯台とセットで回るなら、この3か所
灯台だけを見て帰るには、往復の船代がもったいない。同じ一日で無理なく回れる場所を、港からの距離順に挙げます。
黒島研究所は港から自転車15分の小さな水族館
灯台へ向かう途中に寄りやすいのが黒島研究所です。黒島港からは約2kmで、徒歩30分、自転車15分の距離にあります。
1975年に設立された、沖縄県でもっとも歴史ある海洋生物の研究所です。名前は研究所ですが常設の展示室があり、黒島に住む動物や民具などを展示しています。主にウミガメの研究をしている施設で、小さな博物館と水族館を合わせたような場所です。
開館時間は9:00〜17:00で年中無休。入館料は大人800円、小中学生500円、未就学児は無料です(2026年8月時点)。ただし研究や島の行事による休館があるため、確実に入りたい日は黒島研究所の公式サイトで確認してから向かってください。
| 住所 | 〒907-1311 沖縄県八重山郡竹富町黒島136 |
| 電話番号 | 0980-85-4341 |
| 営業時間 | 9:00~17:00 |
| 定休日 | 年中無休 |
| アクセス | 黒島港から約2km(徒歩30分、自転車15分) |
| 公式サイト | 公式サイト |
黒島ビジターセンターは無料で島の背景がわかる
島の歴史と暮らしを知るなら黒島ビジターセンターです。入館は無料で、年中無休。開館時間は9:30〜17:30で、10月から3月は17:00までとなります。
灯台と研究所とビジターセンター、そして伊古桟橋。この4か所が黒島の定番で、自転車で回ると半日ほど、灯台まで含めると一日必要、というのが島側の案内です。時間配分を決めるときの基準として覚えておくと、旅程が崩れません。
冬場は閉館が17:00に早まる点に注意してください。安栄観光の黒島発16:40の便に乗る予定なら、逆算するとビジターセンターは午後の早い時間に組み込むことになります。
黒島港のターミナルは待ち時間の避難場所になる
意外と使えるのが、黒島港のターミナルそのものです。赤瓦屋根の待合所で、トイレ、自動販売機、小売店(お土産など)、そして1畳分の小上がりの畳スペースがあります。
灯台から早めに戻ってきてしまったときや、雨をやり過ごしたいときに座れる場所があるのは大きいです。畳スペースがあるので、子連れで少し横になりたいときにも助かります。
ただし注意点があります。黒島には2社で1日6便の船しか運航しておらず、チケット販売や売店は船の時間に合わせてのみオープンします。船が来ない時間帯は売店が閉まっていると考えてください。飲み物を買えるタイミングは、船の前後に限られます。
| 住所 | 沖縄県八重山郡竹富町黒島 |
| 営業時間 | 船の運航時間に対応 |
| アクセス | 石垣島から高速船で約25~30分、黒島の北側に位置 |
昼食と買い出しは、石垣島で済ませるのが確実
黒島には飲食店が7軒、商店が1軒あります。コンビニもスーパーもありません。数だけ見れば選べそうですが、島内行事があるときは飲食店が休業することがあります。
島唯一の商店は昼時にお弁当が並ぶこともありますが、島民の利用も多く、売り切れている場合があります。観光客が確実に買える前提では考えないほうが安全です。だから昼食を確実に確保したいなら、石垣島で買ってから渡るのが現実的です。
灯台まで往復すると、昼をまたぐ時間帯に集落から離れることになります。おにぎりやパンを持って出て、港か集落の日陰で食べる。この段取りにしておけば、店が閉まっていても予定は崩れません。
まとめ:一日を使って向かう価値のある、島の南端
黒島灯台は、登れる灯台でも、売店のある観光地でもありません。牧草地を貫く未舗装の一本道を進んだ先に、白い塔と岩場とリーフの海だけがある場所です。だからこそ、行くと決めたなら半日の隙間に押し込むのではなく、一日を割り当ててください。まずやることは、石垣島を出る朝の便を決めること。安栄観光の08:00か八重山観光フェリーの08:30、この2つのどちらかを押さえた時点で、この記事の段取りはほとんど完成します。
※運賃・時刻表・営業時間は2026年8月時点の各社公式・施設公式の情報です。季節ダイヤの変更や天候による欠航があるため、出発前に必ず公式サイトで最新情報をご確認ください。

コメント